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第17章:救世主ギルド『ジェネシス』
零の独走を許さないのは、システムだけではなかった。
生き残った人類の中でも、最高ランクのスキルを授かった選民たちが、一つの旗の下に集結していた。
[ GUILD NAME : GENESIS ]
[ LEADER : KUSANAGI TSURUGI (RANK: SSR) ]
[ MISSION : ELIMINATE THE 'CRAVING' ERROR ]
「神代零。君の勝手はここまでだ」
都庁の屋上に、五人の男女が転送で現れる。
中心に立つのは、日本刀の形状をした「概念武装」を携えた男、草薙 剣。
彼はシステムから『正義』という定義を最も強く付与された、いわゆる「主人公」としてデザインされた存在だった。
「救世主ギルドか。……お前たちの持っている『正義』、市場価値はどれくらいかな?」
「価値などない。これは使命だ!」
草薙が踏み込む。
その一太刀は、空間そのものを切り裂き、零の首筋へと迫る。
『必ず命中する』という確定事象のスキル。回避は不可能。
だが、零は動かない。
彼の視界には、観測者がこの一文を読み終える瞬間の「確定した未来」が視えていた。




