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Notice-code:Ω -scientist-  作者: 霧島宇宙
CATASTROPHE

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CONECT, ENTRUST

 今回もよろしくお願いします。

 * * *


「よし、それじゃあみんな手筈通りに。全員生きて帰ろう!」

 ジブリルが激を入れる。それと同時にジブリル、ラミィ、ソフィが結界を飛び出し、全速力で走り出す。

深緑の庭園(ヴェルデ・ガーデン)!』

 ジブリルは自分の足元から一気に植物を繁茂させ、レライエを全方位から攻める。

「はあ。一瞬強そうだと思ったけど、やっぱ人間はこの程度か」

 雑草がレライエの足元に達した瞬間、今度は急速に腐り始めた。

(これでいい、今は質より量だ)

 ジブリルは植物の繁茂するスピードを上げ、レライエの強大な魔法をなんとか足元に引きつける。

 レライエの後ろに移動していたソフィアが地面に手をあて、下から結界をのばしてレライエを囲う檻をつくる。だがレライエはそれをひと蹴りでいとも簡単にやぶってしまった。

(恐るべき身体能力。これが悪魔…!)

 3対1でもきついのに、こんな化物たちに1対1で互角以上に渡り合うイスラフェルの強さに改めて畏怖の念を覚える。

 間髪入れずにレライエは目にも留まらぬ速さでジブリルに接近する。

「危ない!」

 ソフィの声かけに気づき、ジブリルは何本ものツタの壁と防御魔法を敷くがそのすべてがことごとく破られてしまう。しかしレライエはツタの壁を1枚だけ残して方向転換し、腐食の魔力をまとった拳を上からジブリルに振り下ろす。

「ぐっ…!」

 咄嗟に間に1枚防御魔法を噛ませて威力を相殺しジブリル自身に身体強化魔法までかけたのに、そのあまりの膂力に苦悶の声が漏れる。

 ツタで自分を引っ張りその場を急いで離脱するが、レライエの魔力に触れたジブリルの剣は腐って刃の中ほどから折れてしまった。しかし地面を途切れることなく植物で覆い続けなければ、レライエの行動を制限できない。だが、そこをレライエが狙うことはわかっていた。

「そこだ…!」

 左右の建物の中からいくつもの結界が伸び、まるでギロチンのようにレライエに襲い掛かる。高性能な結界を貼るには事前に相応の純度の魔力鉱に術式をプログラミングしておかなければいけない。だが、逆に言えばそれさえしかけておけばトラップとして使うことができる。

 それまでとは比べ物にならない強度の結界がとめどなく襲い掛かる。レライエもさすがにすべてはかわし切れない。ふと見ると、左腕の肘から下がなくなっている。

「ま、いいか。僕らは君たちとは違う」

 数秒後には出血は止まり始めていた。

「回復魔法なんて悪魔には当たり前だ」

(やはり、決め手になるのはジブリル君のアストラル魔法しかない…)

 ソフィは周りに追加でトラップを仕掛けられそうな場所を探す。先ほどと同じように建物のなかに仕掛けるのはもう通用しないだろう。だとしたら…。首元のペンダントに意識を向けた。これにはソフィとイスラフェルが共に生成した超高純度魔力鉱がはめ込まれている。ペンダントを取り、自分の影に隠しながら結界をプログラムする。そして左足のかかとを2度地面に打ち付ける。すると手のひらからペンダントの感触がなくなった。

(頼んだわ、ラミィさん)

 魔力鉱をいくつかレライエの上に投げ、結界のギロチンを降らせた。レライエにはすべて躱されたが、ジブリルがすかさず追撃を入れる。

『バルサミナ』

 ホウセンカの爆発する果実を強化し、種を四方八方に高速で飛ばす。だが、レライエも種を腐らせて無効化する。周囲には腐った植物が大量に詰みあがっている。もともとジブリルの魔法はレライエと相性が悪いとわかっていた。ここまでレライエの魔法を抑え込めているのもかなり嬉しい誤算だ。だがしかし、やはり決め手には欠ける。消耗戦でもあちらが有利。こちらはもう後がない。布石もほぼ整っている。一か八か、ソフィは賭けに出た。

「ジブリル君!…もうそろそろやりましょう!」

「はい、先生!」

 ジブリルは一瞬息を整え、詠唱を始めた。

『神稀開放 ユグドラシル・メギスト』

 ジブリルの背後に生成された巨大樹の足元から、広大な花畑が広がる。その勢いはそれまでの魔法とは比べ物にならないほどだ。

「なっ、いくらアストラル魔法でもこれほど…!」

 レライエの魔法を一気に相殺し、レライエ本体を術式の範囲内に取り込む。何本ものツタがレライエをからめとる。いくら腐らせてもすぐ再生してしまうほどの生命力だ。

「…知らないのか?腐葉土(腐った植物)は最高の肥料になるんだぜ」

 土壌の状態が植物魔法に最適化されているおかげで、雪原が舞台だったオウル要塞の戦いのときとは比べ物にならないパフォーマンスを発揮する。

「ふん…、お前も消耗が激しいようだけど」

「そりゃそうだ…!」

 今ジブリルが吸い取っているのはレライエの生命力、そして範囲内に存在するすべての魔力を持つ物体の魔力だ。もちろん、()()()()()()()も含まれている。その膨大な魔力が行く先は…。

「ラミィさん!今だ!」

 ジブリルが全力で叫ぶ。

 レライエの背後には、ペンダントを核とした結界の剣を握ったラミィ。この瞬間のためだけにラミィはずっと潜伏していたのだ。

 領域内のすべての魔力を剣に集中させ、威力を限界まで底上げする。この瞬間は、ラミィの魔力がレライエを上回っていた。

「地獄に落ちろ…!」

 レライエのあらゆる防御を霧のようにすり抜け、刃がその心臓に届いた。


「誰か…起きてる?」

 魔力切れ寸前で地面に横たわっていたソフィが、周囲を見渡す。高さ2メートル以上の建物はみな破壊され、瓦礫に山になっていた。

「一応起きてまーす…」

 消え入りそうな声でラミィが答える。彼女も彼女で固有術式がすでにオーバーヒート寸前だった。

 ソフィは懐からすでに術式が起動している魔力鉱を取り出し、術式を停止させる。このタイプの術式は結界の核を別の場所に置いて遠隔で起動できるというものだ。

「先生!大丈夫ですか?!」

 しばらくしてクリスティーンがやってきた。

「結界が消えたので、何かあったのかと…!」

 強度や魔法を付与する余地はないが、結界のオンオフを切り替えてのろしのように使うことができる。

「ごめん、私たちもう動けなくて…。とりあえず温室まで運んでくれないかな?たぶんジブリル君はその辺にいるから…」

 巨大樹のふもとを指す。クリスはすぐにジブリルを見つけ、走って駆け寄った。

「ジブ、大丈夫?!」

「まあ、ギリギリ…」

 疲労のあまり、ジブリルの視界はもうほとんど見えないほどぼやけている。

「悪魔はどうなったの?!」

 ジブリルの顔がにいっ、と笑う。

「勝った…!」

 その後すぐジブリルは意識を失った。

「ねえ、何あれ…」

 クリスティーンが空中を指さした。

「ちょっとうそでしょ…。聞いてないんだけど…」

 ソフィは死ぬ覚悟を決めた。そこにいたのは、黒いペガサスにまたがり今にも魔法を発動せんとしている悪魔だった。


 * * *


 僕はダゴンに伝令に赴いた後国境沿いの4つの城への伝令を済ませ、アル=イスカンダリーヤの偵察に向かっていた。実際にはアル=イスカンダリーヤよりも30キロ北の丘陵地帯に陣取っているのだが。

「使ってみるか…」

 収納魔法から、白いブーメラン型の魔道具を取り出す。魔道具を起動すると青緑色の尾羽のような魔力を放出しながらゆっくりと浮上し、その後加速してアル=イスカンダリーヤに向かった。

「さて、と…。新型アルクビエレ・ドライブは好調か。よかった」

 音速を超えるのはまだ厳しい程度だが、それでも推進力を生むに足る出力が出た。

 パワードアーマーの内側のディスプレイで魔道具から送られてくる情報を見る。センサーも好調。重力推進式無人探査魔導デバイス、名付けて”シーカー・フェザー”の実証実験は成功だ。

 10分ほどで視界にアル=イスカンダリーヤを捕らえた。

「…ん?」

 魔力分布のデータを見て、僕は目を疑った。

 無数の魔物が分布しているが、悪魔クラスの大きな魔力は9つ。3つは王城、4つは城下町、そしてもう2つは…魔術学院だ。だが、それに匹敵するほど大きな反応もある。

「これは…、アストラル魔法か…?」

 カメラに切り替えると、そこには序列1()4()()の高位悪魔レライエとそれを仕留めるジブリル、ソフィ、ラミィの姿があった。

「マジか、すごいな…」

 歴史上で召喚された記録がある中で最も序列が高い14位の悪魔を彼らが倒したのだ。間違いなく偉業だ。

「おっと、これはマズい」

 同じく悪魔と思われる魔力反応が、力尽きて気絶したラミィたちを狙っていた。どうやら確実に仕留めるために空中で魔法のチャージをしているようだ。

「…仕方ない」

 ここでジブリルを失うわけにはいかない。できるだけ切り札は見せたくなかったが…。

 僕は右腕にインフェルノ・ブリッツシステムを呼び出した。そしてさらにその三叉の矛のような先端にかぶせるように、赤い追加ユニットを呼び出す。

「曲射ユニット、まさか本当に使うとは…」

 曲射型インフェルノ・ブリッツシステム。事前にセットしたとおりに曲がるブリッツを撃てるだけでミサイル・ブリッツのような誘導能力はないし、最小でも半径5キロほどの大きなカーブしか描けない。

 地形データをもとにして、標高がちょうど230mになる地点に足をつける。精密射撃には安定した足場が必要だ。チャージを開始するとともに、必要な弾道を脳内ではじき出す。

 シーカー・フェザーのデータを見るに、敵の悪魔キマリスの位置は海抜25メートル。インフェルノ・ブリッツは広範囲攻撃だから多少の誤差は問題ない。地表に着弾させたくないので、着弾点で地表に対して弾道を平行にしその後は制御を解いて宇宙空間に放出する。標高差は205m、距離はちょうど30㎞、地球表面の曲率を入れるとさらに70.6m沈むため、着弾地点は現在地から275.6m下にある。

 二次関数の応用だ。条件を満たす曲線を表す式はy=a(x-30000)²-275.6。すぐにシステムに入力する。

曲射獄炎魔力砲インフェルノ・ブリッツ!』

 一筋の青い光が空を切り裂いた。

 読んでくださり、ありがとうございました。


 「機動警察パトレイバーEZY」見てきました。閃ハサとか最近のロボアニメはすごく遠い未来を描くものが多かったので、近未来の「マジでありそう」なアニメですごくおもしろかったです。また、ストーリーがそれほど大きくならず身近なところで戦うのもパトレイバーの良いところですよね。個人的な推し機体は零式とグリフォンなので、File3あたりでグリフォン出てこないかな…と期待してます。

 それはそうと、最新のヌルヌル作画で大暴れする零式がマジでカッコよかったです。モデロイド買っちゃおっかな…。

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