1614 オレの使命
「シャワーを浴びてくる。そのあとミーティングをしたいんだが、大丈夫か?」
「問題ありません」
はっきりと言えるミリエル。頼もしすぎて涙が出てきそうになるよ……。
「ありがとな。ミリエルがいてくれるからオレは負けないでいられるよ」
「わたしは、タカトさんが必死に切り開いてくれた道を舗装しているだけです。後ろはわたしに任せて、前へ進んでください」
三十三になる男が十七、八の女の子に泣かされるとは。我が身が情けなくて仕方がないよ……。
「……皆に出会えて本当によかったよ……」
そう思える日は何度もあった。たぶん、いや、絶対にこの先も皆がいてくれたことを痛感させられる日は何度もやってくるだろう。だから忘れてはならない。自暴自棄になってはならない。家族を守るのがオレの使命なんだからな!
「大事な話がある」
中央ルームには全員が集まっており、堕天使ミスティル、折原信吾さん、ライングル帝国との関係などを皆に話した。
「それならわたしも報告したいことが」
と、ミリエルがパンペールで起こったことを語り始めた、
「……いろんなところで繋がっているんだな……」
ジャグワ族にヒャッカスか。背後に堕天使とかいる国とか最悪だな……。
「だが、これは天恵かもしれんな」
ダメ女神からではない。もっと高次元にいる存在からです。
「天恵、ですか?」
「ライングル帝国に恨みを持ち、同胞がまだライングル帝国にいる。撹乱させられるかもしれない」
テロ、とは言いたくないが、同胞を助けるって目的なら解放作戦として動く。なら、正義はジャグワ族にある。
「なら、わたしが」
「ミリエルはダメだ。これは、ジャグワ族として、獣人が主として動かないと、世間からの目が悪くなる。変な歴史を残したら獣人の身がさらに狭くなる」
利用するヤツがなに言ってんだって話だが、獣人が主となって動かないと、獣人の権利と主張は他の種族には通じない。自らの権利は自らの力で勝ち取る。獣人の価値を高めれるのは獣人しかいないのだ。
「セフティーブレットは、仲間を見捨てることはしない」
「ライガにやらせるのですね」
「おれ!?」
「そうよ。あなたならジャグワ族に混ざっていても変ではないし、セフティーブレットの理念は守られる。解放軍のリーダーはリーとして全面に出し、ライガは裏のリーダーとして動く。これはピンチでもありチャンスでもあるの。いえ、チャンスのほうが大きいと思うわ。セフティーブレットはドワーフのために動いた。次は獣人のために動く。エレルダスさんは、なにか言ってましたか?」
「まだ言ってはいないが、ライングル帝国をあまり好意的な目では見てないようだな。堕天使は、五千年前から暗躍していたようだから」
「それならエレルダスさんもセフティーブレットに賛同してくれますね」
「ああ。エレルダスさんは、前からセフティーブレットに賛同してくれている。いざとなればライングル帝国と一緒に戦ってくれるだろうよ」
ダメ女神を取るか堕天使を取るかを考えたとき、エレルダスさんはダメ女神のほうを取る。あの人は、情に深いが、利で動く。こちらに勝ち目があるなら裏切ったりはしないだろうよ。
「いざとなればラダリオンを投入する」
「それならパンペールで巨人を運ぶのもいいですね。クーズルースに食糧を詰め込めば問題ないでしょうし」
「任せて! 火の海にしてやるから!」
巨○兵を投入したヤツってこんな気持ちだったんだろうか? 青い衣を纏ったヤツが出てこないことを願うとしよう……。
「雷牙、頼めるか?」
「んー。自信はないけど、おれもセフティーブレットの一員。必要とあればやるよ」
頼もしくなったものだ。別の意味で涙が出てくるよ。
「ミリエル。任せていいか?」
どうもジャグワ族を手懐けているようだからな。
「もちろんです。わたしのほうで進めておきますわ」
その自信。まったくもって頼りにしかならないよ。




