1611 軌跡のインストール
船橋は、クーズルース・ロクアのようになっていた。
ただ、船橋は前の世界のタイプなので、休憩室が広く豪華になっていた。
「簡単な料理からできそうだ」
オレはカレーかシチューしか作れないがか。冷凍庫も大きいし、冷凍食品を詰めておこう。
船長席に座ると、なにかわからない計器やスイッチ類が増えていた。
オレの頭の中にはマイセンズの情報が入っている。が、エウロン系の技術になるとさっぱりわからなくなる。
「あ、プランデットで情報をアップデートすればいいだけか」
プランデットをかけて情報を探してアップデートを開始した。
「……時間がかかりそうだな……」
クーズルース・ラグスル自体がマイセンズの技術ではない。似たようなとこがあるだけで、別の会社の製品って感じだ。
「アルズライズとかよく覚えたよな。まるっきり知識がないってのによ」
オレはまだマイセンズの情報があるから理解できるが、それでも違う操作が増えている。これ、一日二日で理解できるものじゃないぞ……。
夜遅くまでアップデートを行い、頭が痛くなってきたので船長席でおやすみなさい。起きたらまだ頭が痛かった。
「なんでこんなに頭が痛いんだ?」
ん? なんか別の情報も入ってないか? なんだ、航路? いや、海図か? なんでそんなものが頭に入ってきているんだよ?
ダメ女神か? と怪しんだが、いつまで待ってもふざけた登場はなかった。
「マーリャさん。頭に海図みたいなものが入ってきたんですが、そういう仕様なんですか?」
「え? そんな仕様なんてありませんよ。海図というのはどういうものなんですか?」
オレの頭の中にある海図をプランデットで起こしてマーリャさんのプランデットに送った。
「これは、クーズルース・ラグスルが航海した軌跡ですね」
「航海した軌跡? なぜそんなものが頭に?」
「アリス。あなたがしたの?」
クーズルース・ラグスルのAIです。
「はい。船長権限が移りましたので、航海日誌をインストールしました」
アリスの声がプランデットから聞こえた。え? そんな自律したことできんの!?
「アリスは、駆除員のことも記憶しているのか?」
「はい。わたしは、初代マスター、折原信吾様に与えられたゴブリン駆除支援船です。パンペールで運ばれるゴブリンを駆除するため与えられました」
パンペールで運ばれるゴブリンを駆除だって!? そんなことしているヤツがいるんかい! どこのどいつだ、こん畜生が!
「ライングル帝国は、堕天使ミスティルの加護を持つ国。女神セフティーが地上に追放した者です」
やっぱテメーが元凶じゃねーかよ!




