1476 *ラダー* 初駆除
「撃てぇー!」
迫りくるゴブリンに向けて魔弾を撃ち込んだ。
セフティーブレットに入って後悔したこともあるが、今は大量のゴブリンを前に血が沸き立っていた。
おれは街の貧民区で生まれ、食うにも困る幼少期を過ごした。
運よく鉄札の冒険者たちに拾ってもらえ、冒険に連れていってもらえた。
がんばって働き、やっと食うに困らない日々がやってきたと思ったら冒険者たちが魔物に殺されてしまった。
五年も見習いとしてやってこれたから底辺冒険者としてそこそこは食っていけた。
剣が得意でもなくすばしっこいわけでもない。凡人中の凡人。長く生きられないなってときに、冒険者ギルドの職員にセフティーブレットの職員にならないかと声をかけられた。
冒険者としての成績は問わない。読み書きがそこそこできて、いろんな土地にいけることが条件だった。
それだけ? と疑問に思ったが、親兄弟がいるとなかなかコラウスから出たがらないそうだ。
おれに親も兄弟もいない。凡人中の凡人同士で組んでいた仲間くらいだ。
仲間たちも誘われ、ちょっと話し合って受けることを決めた。
じゃあ、これは準備金だと職員に銀貨二枚を渡された。
「銀貨なんて久しぶりに見たよ」
「もらって本当にいいのか?」
「てか、なにを準備したらいいんだ?」
甘い言葉には気をつけろと教えられたので不安で仕方がなかったが、セフティーブレットのウワサはよく聞いていたので、とりあえず巨人の村、ラザニア村へと向かった。
途中、商人の馬車に乗せてもらい、職員になることを話したらなぜか喜ばれた。
「人手不足だからな、職員になってくれるのはありがたい限りだ」
なぜ商人がありがたいのかわからんが、ギルド会館らしき場所に連れてってもらい、あっさりと職員になることができた。
他からも職員に誘われたヤツがいて、一緒に学ぶことになり、すぐにマガルスク王国やら王都なんかに移動となった。
おれはできがいいからと、パイオニアや銃の訓練、事務作業をやらされた。
おれはどこにもいかないのかな~と思っていたらお嬢の元にいくこととなった。
なんかデカい生き物に乗って海に出ろって言われたときは立ち眩みもしたが、セフティーブレットは食事がいい。個室をもらえ、着るものも支給してもらえた。
今さら稼げない冒険者に戻るつもりはないし、まともな仕事につけるとも思えない。なら、セフティーブレットで出世するのもいいかもと思えてきた。
「ゴブリンを駆除したらもっといいものが食えるぞ! 一匹たりとも逃すなよ!」
マベルクの声にさらに血が沸いてきた。
「やってやる!」
血が沸いても無駄弾は撃たない。外したら他の者の報酬となるからだ。




