1475 *マベルク* 下
一日も操っているとグラップルカッターもわかってきた。
大木には使えないが、細い木はカットでき、薪にするには手頃なサイズにできた。
人数が少ないので進んだ感じはしないが、着実には進んでいる。仕事をしていると感じてしまうな。
日に日に慣れていき、作業のスピードが上がってきた。
「平和だな」
なんて言ったのがフラグとなったのだろうか? 休憩に麦茶を飲んでいたら森のほうから照明弾が上がった。
「ゴブリンか!」
森には海兵隊が入っており、密かにゴブリンを駆除している。それが照明弾を上げるのは緊急事態があったと示したもの。すぐに笛を鳴らした。
油圧ショベルのエンジンを切り、ベレン2をつかんで外に出た。
「退避! 退避しろ!」
散って作業しているドワーフに叫び、森のほうへと走った。
また照明弾が上がった。かなり近い。
「マベルクだ、どうした?」
「ゴブリンの大群だ! 一万匹以上はいる! 弾を補給する暇もない!」
「わかった。催涙弾を撃つからこちらに向かってくれ」
「了解!」
請負員カードを出してAKの弾入りマガジンを買い、マジックバッグからM32グレネードランチャーを出した。
海兵隊の信号を確認して、射程に入ったら撃ち放った。
六発を撃ったらすぐに空を排出して新たな弾を装填。位置を確認して撃った。
一万匹には微々たる量でも何百匹には効果はある。さらに排出と装填を繰り返して催涙弾を撃っていった。
「あと三十秒で合流する」
「あいよ」
撃たないまま待ち、きっかり三十秒で森から出てきた。
「マガジンだ!」
海兵隊がマガジンを分配している間に森の中に催涙弾を撃ち込んだ。
「よし! マベルクは逃げろ! ジャグも進め!」
「了解! マベルク、いくぞ!」
残っても邪魔になるだけなのでジャグのあとに続いた。
拠点へと走り、M32グレネードランチャーをドワーフに渡した。
さすがに海兵隊ほどの体力はなく、地面に四つん這いになってゼーゼーと息を切らした。
「海兵隊がくるぞ! 援護だ!」
ドワーフたちにもM32グレネードランチャーは配備してある。
「マベルク、水だ」
職員のラダーからペットボトルを受け取り、一気に飲み干した。
「ラダリオンは?」
「あそこにいるよ」
職員が指を差した方向に巨人状態のラダリオンがAA-12を構えて立っていた。
……なんというか、佇まいだけで絶対的安心感を与えてくれるよな……。
「海兵隊が連れてきてくれたんだ、しっかり稼げよ!」
もう一本ペットボトルをもらって頭にかけた。
「職員たちも稼げ! 自分の酒代くらい自分らで稼げよ!」
メロンパンに乗っていた職員はおれくらいの年齢ばかり。まだ駆除未経験。しっかり稼がせてやらんとな。どんどん集まれ!




