「私」と旅の始まり
エルゼルの襲撃?の後、両親と司祭長が話し合い俺も拒んでいない事から俺の王都への出立が決定した。
5日後にリガールを出立する事になった。
襲撃も有りアレから俺は監禁に近い状態になってる。
当然部屋も変わった、エルゼルが壁に大穴を開けたせいだが、天井裏から入り込まれたのも問題になった
俺の秘密の通路が塞がれた…
今?壁も天井も石材造り、入口が鉄格子なら、
「これって牢獄って言わない?」
警備の人数も増えた
両親も一緒の部屋に居るので寂しくは無いが…お父さん…ずっと膝の上に乗せられている。
王都まで片道約40日、天候や盗賊や魔物の出現情報で順路が変わるそうだ。
王都についてから手続きなどで早くて半年程、早く戻ってきても1年程先だろう。
もう魔法の事は隠していない、常時魔力を纏い髪を少し輝かせている、両親は最初は少し驚いていたがすぐに
「綺麗だ」ね」と言ってくれた。
あと4日でこのリガールから初めて違う街てか王都に向かう訳なんだが、やっぱり不安もある
身体強化に魔法まで使えるんだからとも思うが、エルゼルとの戦闘?でいかに自分が残念魔法使いか分かったんだ。
予想以上に使えない子だった訳だが、このままでは王都に着く前に司祭長に頂かれてしまう…いや
「良いではないか良いではないか~」
「ア~~レ~~クルクル」
「フフフ、ファナ、ささこちらへ」
「やだ、司祭長様……ムギュ」
「アッ」
「ふん!グシャ、ブチ」
「ギャーーーーー」
と身体強化して再起不能にするか、そうするか、そうしよう。
さて、対司祭長のイメージトレーニングはこれで問題は無いとして、もう一つはロントだ、ロントが俺に好意を寄せてくれているのはなんとなく判る、子供の頃の自分と似ているからあんな感じだった、気を引こうと色々したりさ…あいつの性格からして俺が王都に行くと言うときっといじける、自惚れでは無くきっといじける。
そんな事を考えていると恥ずかしくなって思わずもじもじしてしまう。
「どうしたんだいファナ?お花摘みかな?」
お父さんの顔を見上げて冷たい視線で
「お父さん、嫌い」
トイレにって訳では無いが絶望に染まるお父さんを残し部屋から出て行こうとするとミリルさんに声を掛けられた
「ファナお嬢様どちらに?」
「そのお花…「分かりました、お供します」
扉の前には護衛の男性が居る、俺が子供とはいえミリルさんが気を利かせてくれた。
これ以外部屋から出れないのだ、取り合えず、すっきりして来たが。
知識チート転生してくれないかな、世界に水洗トイレを普及させて欲しいなぁ
新しい部屋に戻る時ふと思う、武装したミリルさんに付き添われ、独房のような部屋にトボトボと戻る俺の姿、酷くね?
司祭長のアレを握り潰すとこんな感じになるのかな…
「あ~~~ファナ!」
おっこの声はロントか、声のした方に視線を向けると居た居た。
「ロントおはよう」
「おはようございます、ロント君」
慌てた様子でばたばたと走って来る、コケるぞお前
「何で部屋変わってるんだよ?いつもの部屋行ったら居ないしさぁ」
色々あったんだよ、言うと馬鹿みたいに心配するから言わないけどさ
そうだロントにもちゃんと話とかないとな
「ロントちょっと話があるんだよ」
「な、なんだよ?」
真剣な顔の俺にロントがちょっと引いた
ミリルさんが何も言わず、空いてる談話室に連れて来てくれたよ
「ありがとうミリルさん」
「いえ、何かあれば声を掛けて下さい」
部屋に入りロントと向かい合うように座る、ギクシャクしてなんだよロント緊張してんのか?
「話ってなんだよ?」
ロントの顔が面白い、一人百面相だなもうちょっと見てようかな
っとそんな時間も無いか、戻らないと捜索隊が編成されかねない
「実はな、色々あって王都に行くことになったんだ、一年ほど会えなくなるだよ」
そう言ってロントを見るとこれでもかって驚いた顔してた
「な、なんでだよ、行かなくていいだろ」
口先を尖らせて俯く姿にやっぱりこうなるかぁ~
「こればっかりは仕方ないんだ4日後に出立だから見送りに来てくれよ」
それだけを伝えると俺は部屋から出る為にドアに向かうが後ろから鼻を啜る音が聞こえた。
部屋から出るとミリルさんに心配されたが大丈夫と一言言ってお父さん達の居る部屋に戻った。
あっと言う間の4日だった、両親にさんざん甘え、旅の準備をした。
あれからロントは来なかった、そっけなく伝えたし残念だけど仕方ないかな、見送りには来てくれるだろうけど。
早朝に厩舎に向かう、簡素な馬車に幌馬車と警護の神官戦士さんが6騎、こちらは冒険者装備だ神官戦士の装備は目立つので変更したそうだ、目立たず移動速度を上げたいらしい。
見送りには両親、アルドーさん達、ジェフ爺、ロントが居た、知り合い限定
俺は一人一人と挨拶していく、アルドーさん達に至っては見送るつもりが見送られることになったし
両親とももう一度簡単な挨拶をした、昨晩はちょっと泣いたんだ寂しくて。
しかし、アルドーさん夫婦は変なモン食うなよっと茶化してきたし、ジェフ爺は色々勉強してこいだし、、、もう少しいう事ないかな?
挨拶が終わると屈んでもらい頬に口づけをしていく、この世界の旅の無事を祈る御呪いの様な物らしい。
愛しているあなたの元に帰って来るだそうだが、めっちゃ恥ずかしいんだよ。
これお父さんから聞いたんだが....ちょっと疑わしい
男どもは少し嬉しそうだ俺子供だぞ?
ロントの番が来た、
「じゃ行ってくるよ、元気にしてろよ?」
笑顔でそう言ってみてもロントの表情は暗い
「行っちゃうのかよ…」
「も~いつまでもいじけてんなよ」
そう言って爪先立ちで頬に口づけしようとする
んー…え…軽く唇が触れ合う
「「「「「 あ 」」」」」
「ぎゃーー」
驚いたロントがこっち向いてやがった。
お、お前…なんでこっち向くんだよ…俺の初めてが…ロントと二人何も言えず真っ赤になる。
余りの恥ずかしさに俺は半泣きになり馬車に走り乗り込む直前に振り向く
「ロント覚えてろよ、戻って来たら絶対泣かしてやるからな!」
思わず腕をブンブン振り回す。
2人を除いてニヤニヤしてるが何故だ、こんな恥ずかしい思いをしてるのに、ロントは口元を押えながら魂が抜けたような顔で佇んでやがるし。
ちなみに早く逃げないと酷い目に合うぞ、後ろに般若が居るからな!
ミリルさんに引き上げられ馬車に乗り込むと馬車が進みだし皆が見えなくなるまで手を振った。
まだ人の少ない大通りを西に進み西門をくぐる、馬車の後部窓から、生まれ初めて外から門を見上げた。
「思ってたより大きいんだ...凄い」
どんどん小さくなっていくリガールに旅が始まっんだと実感した。
しかし、乗り込んだ馬車には俺とミリルさんと...司祭長
御者は俺を監視していた神官さん、なにこれ、絶対逃がさないって事か
何はともあれ、この世界で初の旅行だ楽しまないとなぁ




