第参拾陸話
外道には外道で。義の者には……やっぱり外道で
ヴォランズ達がデュカリスに接触する寸前で水面に潜り、群れの下を潜り抜けたところで水面から飛び出して群れに対しガトリングのように毒針を掃射した。
その速度と飛翔能力のために犠牲にした薄い装甲を貫かれたヴォランズ達は死んだ羽虫のように水面に散って行った。
ヴォランズの軌道はその特性上、急に向きを変えたり停止したりが難しい。
よって毒の霧を進路上に噴霧したがその機動の速さゆえあまり毒の効果はなかったようだ。
失敗に対し焦りよりも悔しさを感じたデュカリスはもう一度とびかかるヴォランズ達に正対し浴びせかけた。
前回のは意味がなかった。しかし今回浴びせかけたのは毒霧ではなく糸。動きを縫い付けられた先頭のヴォランズ達は後続の仲間に潰され細切れのミンチになった。
この方法に味を占めたデュカリスは同じことの繰り返しで群れの数を減らしていった。
何度目かの糸をヴォランズに浴びせかけたとき、からめられるはずの糸が細切れになった。
そのまま突っ込んできたやや大きめのヴォランズに、デュカリスは脚の付け根から翅の付け根までをザックリやられた。
ヴォランズの群れ BOSSブレードヴォランズ RANK C+
残りの群れはデュカリスに直進し大小さまざまな傷をつけた後そのまま見えなくなり、
最初に傷をつけた大きめのヴォランズだけが、反転して対峙した。
へぇ、あなたが群れの長ですか。でも群れを逃がすにしても判断が遅すぎはしませんでしたか?
一番正しい判断はこの私を見つけ次第全力で逃げることだったんです。
まぁ、もう遅いんですけどね。
当たるかどうかは別として、群れが逃げたほうにデュカリスは針を射出した。
それを合図に両者は互いを目指して水上を駆けた。
互いに翅を広げ高速状態に入る。距離が近づく中、デュカリスは尾を後ろに引き、
ブレードヴォランズは右ヒレを斜め上に左ヒレを右下に構え、その躰を全身で右側にひねり抜刀術の構えに入る。
二体の距離が零に近づく中ブレードヴォランズの視界からデュカリスが消えた。
「我流奥義『瞬遂葬』―――私の領域は神速。高速如きではお話になりませんでしたね。」
※実際にはただの スキル『急加速』です。




