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第参拾参話

後書きの方が長い

ビチビチビチビチ


前回の狩りの成果は、見てのとおりです。

いやぁ、そのまま死んじゃうものかと思ったんですけど、

これで、今日の食事は豪華になりますよ!!


 岩のくぼみの中にまだ稚魚がいるんですが、

 ランクEですし、まぁ放っておいてもいいでしょう。

 ただですね、私を睨みつけるような眼がどうも気になるんですよ。

 この私に対してRANK Eの文字通りの雑魚如きが、

殺意を持ったような目でこちらを見ているんです。実に面白いです。

 でも、どうみても毒を浴びたようで、動けず死んでいくか、

 もしそうならなくても、動けないままこのくぼみを通ってきた別の生き物に喰われるかしかないでしょう。

 結局どんな気概を持っていようが弱ければ何の意味もないんです。

 しかし仮に―――ですが、成魚になったあなたと闘ってみるのも面白かったかもしれませんね。



 かつて巣が崩壊した時のことは既に、自然の摂理の一つであると理解はしている。

 個人的な感情としてあの時の敵に対する復讐心はあるが、感情と考えは同じものではない。

 だからあの時のプースリーと同じことをすると自覚して行動する時も感情が動くことはない。

 彼女が知る由もないことだが、あの稚魚の兄弟の大半は彼女が毒をばら撒いた際に死滅している。

 だが、仮に知っていたとしてもそのことでデュカリスが気を咎めることはないだろう。


私の名前は 七海 瑠璃。ピチピチののJK一年生。

ごく普通の女の子。まぁうちは母子家庭っていうのはあるけど、

まぁ、いうほどそこまで珍しくないよね。

お母さんがいて、飼い犬がいて、携帯いじりが趣味の寡黙なお隣さんで見た目女の子な幼馴染の―――ってまあそんなことはどうでもよくて、

ごく普通の女の子だった私はとてもじゃないけど普通じゃないことになっちゃいました。ええそうです。


気づいたら私は魚になっていた。


ぶっちゃけありえなーい。って現実逃避もつかの間、

なんかでっかいやつが襲ってきて、それを黒いのが食べちゃって、もう頭大パニック!!


でもどうやら、この黒いのがお父さんらしいのです。なぜわかるかはわからないけどわかるんです。


周りにいる碧い魚達がお兄ちゃんとかおねえちゃんとかもしかしたら妹とか弟たちかな?

大家族とかある種の憧れだったんですよね。私一人っ子だったし。まさかお母さんに弟か妹がほしいとか言えないでしょう。シングルだったし。


小さな魚はもちろんのこと、黒いのに対しても言葉が通じないので会話をすることはできませんでした。

私たちに餌をとって来てはくれないのですが、外敵に対しては戦ってくれるんです。

何も語らない(語れないwww)黒いのに対して、前世ではいなかったお父さんの姿を見たような気がしました。


まぁ、そんなことを繰り返していくうちにお兄ちゃんたちもおおきくなって順々に巣立っていったんですが、

甘えんぼの私はせっかくできたお父さんから離れるのはいやでずっとついていきました。


でも、最近なんかこのあたりも物騒になってきたようで、どうやらヤバいやつがいるらしいんです。

見境なく殺して回る化け物らしいです。少し冒険した時に遠くからですが偶然見ちゃいました。


いつのまにかわたしより小さかった魚たちも遠出したっきり帰らなくなっちゃって、

無事巣立ったんならいいんですけど心配だなぁ。あとはお父さんと私だけかぁ。





そして今日、遂に化け物が現れました。他の魚を狙っているようでまだ気づかれてはいません。多分。きっと、めいびぃ~。…だったらいいな。

で、その化け物の姿は……………え~っとハチ?びぃ~?一つ質問していい?

何で水中にいんの?

 存在自体がありえないんだけど、その戦闘方法もあり得ない感じでした。

どう見ても中の人入ってるよね?的なハチの体を使った、水中格闘技を見せられた感じでした。

 お父さんも相手に背を向けながらもちょこちょこ振り向きながら逃げてるので、わたしもそうしよ~っと。


ゆ~っくり逃げて、偶に振り向いて。うんっ、せ~っふ。向こう向いてる。

もう一度ゆ~っくり逃げて、偶に振り向いて。うんっ、せ~っふ。気づかれてないね。このままいけそう。

さらにもう一度ゆ~っくり逃げて、偶に振り向いて………あっ…目、合っちゃいました。


ヤバいよオトオさん。ダッシュだよダッシュ!!


そんなことは既に分かっていたのか、野生の感か二人で猛ダッシュで近くの岩のくぼみに逃げ込みました。

ここならあの化け物も入ってこれない。神様仏様お願い助けて。

今まで信じてなかったけど出血大サービスで助けてくれた方の信者になるから。早くっ!!HELP ME!!!!ERIn

ってうわぁぁ、腕入ってきた。お父さんっ!!もっと詰めてっ!! あれっお父さんちょっと太ったんじゃない?

って今度は尻尾入れてきたけど針しか入ってない。やーいざまぁみろ


ってうわぁなんか出してきた。

―――あ~眩暈がする息ができない。私このまま死ぬのかな?人の時は告白もできなかったし、二度目の生は魚だったし。

まぁ魚にもなじんできてたんだけどなぁ。『馴染む。実に!馴染むぞ!』って程じゃないにしても、ねっ。


そうやって意識とともに目の前の風景が消えかかりそうになったとき、

横からものすごい水流を感じ、目を開けるとお父さんが串刺しになっていた。


えっなんでこんなことするの?お父さん悪い事してないじゃない。おまえなんか、食べるわけでもないのに命を弄んで、

今だって、食べられないとこにいるのに殺す気だったんでしょう。

おまえみたいな化け物はいちゃいけないんだ。自分の願望なのかもしれないけど、お父さんは自分を助けるために

勝ち目の薄い戦いに挑んでいったんだと思う。そう思うと、そう思うと、ソウオモウト――――――

―――――コロシテヤル。 オマエダケハワタシガコロシテヤル。

そうやって、気持ちだけはあるのに体が動かない。

どうしてよっ!!動いてっ!!動いてよっ私の体っっ!!!


そんな願いも虚しく、私は視界が徐々に霞んでいくのを止めることはできなかった。

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