【南北朝の終焉とその後の火種編】第三十六段 宗全と勝元
【南北朝の終焉とその後の火種編】第三十六段 宗全と勝元
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義視と義尚、義就と政長、義敏と義廉――いくつもの争いの糸が絡み合ってきたが、それを最後にまとめ上げているのが、この二人の男だ。山名宗全と細川勝元。しかも、この二人、もとは舅と婿という間柄だったというから、話はますます皮肉になる。
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篁様へ申し上げ候。
此度、下界にて見届け候仔細、左の如くに候。
山名宗全と細川勝元、もとは舅・婿の間柄にて、互いに力を合わせ、幕府の政を支え候仲にて候。宗全、養女を勝元に嫁がせ、両家、長らく協調の姿勢を保ち~~~~~~~
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現代語訳
篁様、報告します。
今回見たことを書いておきます。
山名宗全と細川勝元は、もともと舅と婿の間柄で、互いに力を合わせて幕府の政治を支えていた仲でした。宗全は養女を勝元に嫁がせて、両家は長く協調関係を保っていたようです。
ところが、赤松家再興の一件で両者の間に亀裂が生まれました。赤松氏はかつて宗全に討伐されて滅んだ家で、その旧領は山名家の領地になっていたのですが、勝元はこの赤松家の再興を後押ししたのです。宗全からすれば、自分の領地を脅かされるようなものなので、これを快く思わなかったのも当然でしょう。
これに加えて、斯波家の内紛では宗全が義廉を、勝元が義敏を、それぞれ別々に支持しました。畠山家の内紛でも、宗全は義就を、勝元は政長を支持していて、あらゆる火種において、この二人は常に反対の側に立つことになっています。
こうして、かつては手を携えていた舅と婿が、いつの間にか幕府を二分する二大勢力の頭領として、互いに向き合わざるを得なくなってしまいました。血縁というものは、政治の前では、それほど意味を持たないものなのかと、見ていて少し物悲しい気持ちになりました。
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味方同士だった者が、いくつもの小さな行き違いを重ねるうちに、いつしか敵同士になっている。これもまた、人の世の恐ろしいところだ。畠山も斯波も、将軍家の後継者問題も、すべての糸がこの二人のもとに集まっていく様を見ていると、いよいよ大きな嵐が近づいているのを感じずにはいられない。




