【南北朝の終焉とその後の火種編】第十四段 勘合貿易のこと
【南北朝の終焉とその後の火種編】第十四段 勘合貿易のこと
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義満という男、政の采配だけでなく、金の稼ぎ方にも抜け目がない。この段では、かの明国との商いについて書いておこうと思う。
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篁様へ申し上げ候。
此度、下界にて見届け候仔細、左の如くに候。
義満、明国へ使者を遣わし、国交を開き候。その際、義満、自らを「日本国王」と称し、明の皇帝より正式にその号を認められ候由に~~~~~~~~~
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現代語訳
篁様、報告します。
今回見たことを書いておきます。
義満は明国に使者を送って国交を開きました。その際、自分のことを「日本国王」と名乗り、明の皇帝から正式にその称号を認められたそうです。これによって、明との貿易の道が正式に開かれることになりました。
この貿易は「勘合」という割符を使って、正式な貿易船と、沿岸を荒らし回っている海賊(倭寇)とを区別する仕組みになっています。おかげで明の方も安心して貿易に応じてくれるようになったようです。
この貿易のおかげで、義満は莫大な富を得たと下界ではもっぱらの評判です。ただし、義満が自分から「国王」を名乗ったことについては、下界の一部の人たちの間で「天皇をないがしろにしているのでは」と、こっそり眉をひそめる向きもあると聞いています。
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自ら「国王」を名乗るというのは、我のような下々の者からすれば、なかなか大胆な話に思える。だが、義満ほどの男になると、そういう体裁よりも実利を取るということなのだろう。金は嘘をつかないというが、権威の方はどうにも危うい橋を渡っているように見える。




