【南北朝の終焉とその後の火種編】第十段 南北朝合一近し
【南北朝の終焉とその後の火種編】第十段 南北朝合一近し
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長らく争いばかり見てきたが、ここにきてようやく、和平の風が吹き始めた。まさかこんな日が来るとは、正直半信半疑だったが、今回は珍しく明るい話として書けそうだ。
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篁様へ申し上げ候。
此度、下界にて見届け候仔細、左の如くに候。
三代将軍・足利義満、幕府の政、着々と固め候うちに、かねてより南朝との和議を望み候由、しきりに使者を送り~~~~~~~~~
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現代語訳
篁様、報告します。
今回見たことを書いておきます。
三代将軍・足利義満は、幕府の政治を着々と固めながら、以前から南朝との和議を望んでいて、しきりに使者を送っていたようです。義満の言い分は、南朝に無理を強いるのではなく、両方の面目を保ちながら、穏便に一つの朝廷にまとめよう、というものです。
南朝の方も、長年の戦と、この前の飢饉ですっかり力尽きてしまっていて、この和議を拒む余力もなくなっていました。そんなわけで、和議の機運が一気に高まってきています。
争いの終わりというのは、刀での勝ち負けではなく、両方が疲れ果てた末にやってくるものなんだな、と今回の様子を見て思いました。
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正直なところ、我はこの知らせを聞いて、少しばかりほっとした自分に驚いた。生前は「無常こそ世の理」などと澄まし顔で書いていたくせに、いざこうして長い争いが終わろうとしているのを見ると、素直に「よかった」と思ってしまうのだから、人間、いや死んでも人というのは勝手なものだ。




