第6話 放浪する二人4
おはようございます。
投稿です。
《この場に留まるのはどうだろう?危険かな》
「そうね、まずは両脚の再生よ、これじゃ移動出来ないしぃ!推進器も放熱が追いつかないよ!」
《ナノマシンとピコマシンが地下で金属と水、見つけたみたいだ》
「足、体内工場で作る?」
《いや、蒸気機関の簡易工場を建設する、そしてこいつを使おう》
「?」
《ドラゴンの尻尾だ》
「え?この大きな尻尾?」
《食べてるとき、遺伝子解析した。こいつと金属を融合させる》
「ナーガタイプ?」
《そうだ。それとベビィが復活したときに武器をプレゼントしたい、このユウバリュウムを使って。どうだ?》
「賛成!」
《30分でここを離れる、目的地は迷惑女神グネのいる場所だ》
「どこか分かるのぉ?」
《取敢えず、北を目指す、寒いところに住んでいそうだし》
「魔力で分からないの?」
《知っているだろう?センサー類は殆ど下半身に詰め込まれていた》
「雷神王のキックで壊されたしねぇ、それとあの槍で」
《30分で下半身の製作とベビィの武器の設計、広範囲感知の簡易センサーも作るか》
ナノマシンとピコマシンによって見つけられた鉱石、それと水脈、貴重である。
《鉄だな》
「マニュアル通りに進めればぁ、蒸気機関が出来るはず!」
《まぁこれは異世界侵略用のマニュアルだけどな。背中のパネル工作にまわすぞ》
そして、ナノマシンとピコマシンをフルに使い、小さな工場が出来る。
3m四方程の鉄の箱?
そこからけたたましい音と蒸気が吹き上がる。
出来上がったのは蛇のような下半身。
「鉄製?重そう、あと磁力の影響が」
《随時切り替えていくよ》
そして30分経過すると、目覚めるベビィ。
「ほんぎーほんぎー!」
(ハラへったハラへった!なんか下半身も気持ち悪いっ!)
「あ、お漏らし!大もでてる!」
《子育ては大変だな、簡易センサーはお預けだな》
パシッ!
「え?」
《……》
「お、お前なに切り替わっているんだよ!?」
《下のお世話、無理ぃ》
「私はバトル専用だぞ!」
《子育てはバトルじゃん》
「ほんぎーほんぎー!」
「《……》」
「や、やってやろーじゃん!……えっと、ファイルどこだっけ!おい、検索しろ!」
脳内外にある膨大なデーター。
その中から子育てファイルを見つけ出す。
これは、現地で子供を育て、洗脳する戦略チャートなのだが、ユウバはそれを利用しているのだ。
勿論、洗脳項目は無視している。
《ベビィ用のお尻ふきだって》
「どこにあるぅ!ここどこか知ってっかぁ?異世界だぞ」!
!マークがセリフ枠より飛び出るくらい怒鳴り慌てている、バトルモード・ユウバ!
「ほんぎーほんぎー!ほんぎーっ……」
「お、おい、どうした!?なんか、声が小さく!?」
《泣き疲れて、弱ってきたみたい……ど、どうしよう!?》
「と、取敢えず、水で尻を洗おう、あと、柔らかい葉か、なにかないかな?」
周囲には何やら大小の植物が、生い茂っている。
《葉っぱ?》
「そうだよ、葉っぱだよ!」
《大丈夫かな?》
「なんだよ?危険な葉っぱとかあるの?植物だぜ?」
《害のない植物なんてないよ、植物は身を守るため何らかの防衛策をしているんだから!》
「そ、そうなのか?」
《そうよ!小さな棘や、匂いとか》
「それでも探すぜ、柔らかくて皮膚にいいヤツ!でも、今回は地下から汲み上げた水と魔力で、洗い流そう!」
《冷たい水とか大丈夫かしら?》
「お湯にはできないぜ?私はバトル専用のプログラムだ、熱湯になっちまう!程よいお湯とか無理だ!」
「ほぎぃ……ほぎぃ…」
(何でもいいか、早く何とかしてくれ!気持ち悪いし、臭いし、ハラへった!)
悪戦苦闘の末、どうにか授乳まで辿り着くユウバ。
「いつまで続くんだ?これ?」
《それは……大きくなるまででしょう……》
「デカくなっても雷帝だぜ?それはそれで大変じゃ?」
授乳を終え、背中を軽く叩く。
「おい、親孝行しろよ?」
《そうよ、そうよ!》
そう言って、顔を覗き込むと、目が合った。
「!!!!!!!!!!」
《!!!!!!!!!!》
「わ、笑った!?」
《笑ってる!!》
そのベビィの可愛い笑顔は、ユウバの心を撃ち抜いた。
ベビィの笑顔は戦闘マシン、マシンダガンの何かを壊した。
(え?俺、笑っているの!?……笑っているのか!?)
自分の表情に驚く雷帝。
まだ心身のコントロールが、うまくできないのだ。
(俺、笑っているんだ……ああ、俺は嬉しいんだ!これが、お母さんなんだ!)
異界に捨てられた雷帝は、異界で母親とも言える存在に出会った。
元四天王最弱ユウバは、一生懸命お世話する。
ベビィはいつの間にか、ユウバの一番になっていた。
「《この異世界で、ベビィを守り抜く、早く大きくなれ!》」
その思い通り、ベビィは大きくなり始めた。
今回はここまでです。
次回投稿は未定です。




