↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤い目の少年冒険譚 (2025.05)  作者: MAYAKO
第二章 五月世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/246

第3話 放浪する二人 1    

おはようございます。

投稿です。


 その時、赤子が泣きだした。

 顔を真っ赤にし、手足を動かし、何かを叫ぶように!


 ゴーストは周囲を彷徨うだけで、何も出来ない。


《ああ、私の赤ちゃん!》


 この言葉がユウバのキーワードだった。


 電脳呪縛による記憶の封印。

 その呪縛が解放された今、数々の記憶が蘇ってきた。


「どこかで……聞いた言葉……」


 ああ、そうだ、呪縛が解けたから、思い出したのだ。

 封印されていた家族の記憶。

 何度削除されても蘇ってくる場面。


 パンッ!


 銃声が響く。


 そうだ!私はマシンダガンの適合者だったから、母親と引き離されたのだ。

 そして母さんは……。


 パンッ!


「私の赤ちゃん!」


《きさま、これは共和国大統領命令だぞッ!》

《消せ、後々面倒になる》


 パンッ!


 ユウバは愕然として自分のボディーを見る。


 機械の身体。

 人工筋肉に装甲板、強靱な身体だ。

 最早人族であったころの血肉は一欠片も残っていない。

 全て金属と合成体液に置換されているのだ。


「私の赤ちゃん!」


 もう私は、お母さんとの繋がりは何も無いのだ。

 なんで生れてすぐの記憶があるのだろう?

 そう思った瞬間、脳内検索が始まり、答えが出てきた。


(高魔力?母親との絆?ああ、お母さんの思いが私に伝わって残っているんだ)


 一瞬、聖女の残留思念があの時の母親と重なる。


 巨大なドラゴンは地響きと伴に大地に降りた。


 ドラゴンに比べれば、赤子なんてゴマ粒みたいなモノだ。

 だが、その魔力は軽くドラゴンを凌駕する。


 牙だらけの口が、赤子を呑み込もうと迫る。


(食べてる隙間に逃げよう!)


 そう考えるが、足が動かない。

 思考とは別に、感情が膨れ上がる。不条理に対する感情だ。


 身体や記憶、感情を奪われ、命令のままの行動。

 思い出しただけでも、悔しさや悲しさで心が潰れそうになる。


 ゴーストはドラゴンの前に立ち、両手を広げる。


《誰か!》


(思念だけだ、あのゴーストに明確な意思はない、何の力も無い……)


 ばくん!


 大地諸共、赤子をその口に収めるドラゴン!

 ゴーストは両手を広げたまま、立ち尽くしている。


 プチ。


(なんか切れた?)


 食べられた赤子が、自分のような気がした。

 ゴーストの姿とユウバの母親の姿が重なる。


(バグかな?感情が制御できない?)


 あまりの怒りに、自分が母親なのか子供なのか分からなくなる。

 冷静で感情の起伏が少なく、保守的なマシンダガンのユウバ。

 唯一、その感情が爆発するのは閉所恐怖症の時だけだ。


《私の赤ちゃん!》


 数十年にわたり、呪縛されてきたユウバ。

 ユウバは気づいていなかった。

 自分の中に目覚めた者を。


 その電脳呪縛から解放されたとき、抑圧されてきた人格が動き出したのだ。


 それは、お母さんが大好きで、子供や動物が大好きな本来のユウバ。


 子供を奪い返そうと、政府高官のマシンダガンに挑むお父さん。


 パンッ!


 軽い音が耳に残る。


 全てが脳内で再現される。

 数々のシーンがフラッシュバックする。


「……私を洗脳するために、残していたデーターか?」


 怒りは怒りを超え、その怒りは目の前のドラゴンに向けられた。


「……バ……バ……バ……」


 身体が小刻みに震え、装甲板が展開を始める。


「バトルモードッ!」


 使用可能な武器が全身から溢れ出す!

 武装展開に両脚は耐えきれず折れたが、痛みは感じなかった。


 今は全力でドラゴンに挑む!それだけである!


出来れば木曜日の夜に投稿したかったのですが。

今回はこの時間になりました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。