第2話 3時間前
おはようございます。
投稿です。
どうにか定時?に間に合いました。
「ベビィ、落ち着いたかなぁ?じゃ、今のうちに出来ることをしようっと。まずは、ボディーの回復、金属疲労で耐久年数が半分以下になっている……その分、魔力は倍以上かぁ、異世界についてのデーターにある通りね」
パンクザスチーム共和国の四天王、ユウバのボディーはボロボロだった。
五月世界に移動した瞬間、この世界のドラゴンの襲撃に遭ったのだ。
下半身は再生していたが、これは一の賢者の医療ポットでの再生。
歩行には問題ないが、戦闘には耐えられなかった。
よって今は移動出来ないのだ。
「両脚の骨折ぅ、どうにかしないと」
折れ曲がった足を見て、悲しくなるユウバ。
どうにか、気分を変えようと頑張る。
「そう、私は生きている!生き残った!電脳呪縛からも解放された!これからは自由だ!頑張るんだから!」
体内時間で3時間ほど前、女神グネの異界ゲートに呑み込まれ、五月世界に渡ってきたユウバ。
この世界に出現と同時にドラゴンの襲撃、災難続きである。
まずこの世界に来て、驚いたのはドラゴンよりもユウバの横で死んでいる、雷帝の姿だった。
そう3時間前、確かに雷帝は死んでいたのだ。
「え?死んでますの!?」
時は3時間前。
体内センサーは、心肺停止、雷帝は死んでいると判断した。
しかし、一方の魔力センサーは異常値を示している。
そして感知センサーは上空にドラゴンを見つけていた。
最弱と言われているが、四天王の名前は上位称号。
そのボディーは超高性能である。
「ド、ドラゴン!?ど、どうしよう!?」
その時、雷帝に異変が!
身体がフワリと浮き上がり、分解し始めたのだ!
「え?魔力還元!?何この異常な魔力!」
その魔力に引き寄せられる上空のドラゴン。
異常魔力は猫の形をとり、雷帝を包み込む。
「これは!?帝国の呪符の動き?そっくり!じゃ、雷帝は呪われているの!?き、記録を!」
ユウバの眼には、雷帝が魔力の猫に食べられているように見えた。
雷帝を食べた猫は大地をごろごろと転げ、赤子の姿になった。
「!?……転生!?フェニックス現象!?」
フェニックス現象は、その場で生まれ変わる現象のことだ。
確認された例はない。言い伝えのみの現象である。
嬉々として記録する元四天王最弱の戦士。
パンクザスチーム共和国の呪縛から解放されたとは言え、データー収集が大好きな性格は変えようがないようだ。
「え?あ、赤ちゃんでこの魔力量!?」
そこに急降下してくる巨大なドラゴン。
「ど、どうしよう?」
このボディで戦える?
ドラゴンを目測する、そして計算して出た答えは勝率38%。
「無理だよう、折角呪縛から解放されたのに!私、自由になれたのに!この別天地、五月世界で再スタートなのに!」
そして都合がいいように考え始める。
「そうよ、きっとギリギリで女神グネが助けに来るわ!だいたい私のこの足ではバトルは無理だし、歩行が精一杯!助ける?助けてどうするの?私の利益は?助ける必要なんてない!自分の命が一番!」
弱々しい足取りでその場を離れるユウバ。
そうよ、戦っても勝てないなら、戦略的撤退よ、自分にいい聞かせる。
《お願い》
「!?」
《助けて!》
突然の声に振り向く。
そこには、赤ん坊と重なる女性の姿があった。
「!!」
(ゴースト!?)
それは一瞬だった。
《お願い、どうか!》
幻なのか、視覚、聴覚的バグなのかは分からない。
だが、完全記憶の持ち主のマシンダガンは、直ぐにその女性を特定した。
脳内検索で人物ファイルの中に、該当する者がいたのだ。
「聖女だ!」
レッド・ブーツ帝国の奴隷聖女達、その中の一人だ!
聖女は頻繁に行方不明になる。
彼女もその中の一人。
なぜ聖女が雷帝を?
バグではない、ちゃんと記録されている。これは残留思念、ゴーストだろうか?
なんで聖女の思念が雷帝につきまとうの?
そんなことより、早く逃げよう!
《行かないで!》
「助ける義理はないよ!それに今の私じゃ勝てない!争いのない五月世界?うそじゃん!」
今回はここまでです。
次回をお楽しみに!
次回サブタイトルは 第3話 放浪する二人 の予定です。
毎回ご愛読、ありがとうございます。




