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赤い目の少年冒険譚 (2025.05)  作者: MAYAKO
第二章 五月世界

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第1話 五月世界、さて困った     

おはようございます。

新しい月ですね。

そして新しい章です。

どうにか一日に間に合いました。



 体が、ゆっくりと分解されていく。


(ああ、俺は死んでも白黒ネコの呪いは解けないのだ……)


 五月世界に移った瞬間、雷帝の体は分解し始めた。

 肉体が異界移動に耐えられなかったのだ。


(眠い……)


 痛さは感じなかった。

 ただ只管(ひたすら)眠いのだ。


 周囲に漂う白と黒の煙のような塊。


(こいつは俺から放れないなぁ、相当強い呪いなんだなぁ)


 雷帝の肉体は消え始めたが、魔力は倍増した。

 量だけではなく、質も向上している。


 その魔力が白黒の塊を通して、雷帝の命を世界に留めようと動き出す。

 魔力はネコの形をとり、雷帝に襲いかかる!


(ん?)


 白黒ネコは雷帝の頬をその肉球で、ぽん、と抑えると、ゴロゴロと喉を鳴らし始めた。


(かわいいなぁ、こいつ。こいつホントに呪いか?)


 雷帝は深い眠りに着いた。

 猫の肉球が現実なのか夢なのか分からない。

 触られた感覚はあったのだが、そう感じただけかも知れない。

 どのくらいの時間が過ぎたのだろう?時間経過は分からない。

 分からないけどそんな中で、目が覚めた。


 そう、お腹がすいたのだ。


(ん?目がよく見えないや……)


 ぼやけた風景だ。

 青空か?周囲の木々がよく見えない?

 昼間なのは分かる、それと空気が綺麗だ。


(考えがまとまらない……俺、どうなったんだろう……)


「ベビィ、おっきしたの?」


 突然の聞き慣れない声。

 女性の声だが、なんだこの声?


 人の声か?何だかゴーレムが喋っているみたいな声だが?


(ベイビ?何を言っているのだ?何処かに赤ん坊がいるのか?フンフン?ああ、赤ちゃんの匂いだ、何処かにいるぞ、どこだ?)


 赤ちゃんが心配になり、身を起こそうとする。


 雷帝が渡り歩いた世界は厳しい世界ばかりだ。

 赤ん坊には格別な思いがある。こんな殺伐とした世界、赤ん坊は見過ごせない。


 俺は捨てられたが生きている、運がいい、と思っている雷帝。


 赤ちゃんは、酷い目に遭ってはいけない、雷帝の心に刻まれている言葉だ。

 元気な子だろうか?そう思い、動こうとするが体が思うように動かない。

 だんだんと恐怖に包まれていく雷帝。


(体が、思うように動かない!?)


 そう思った瞬間!


「ふんぎゃああああ!ふんぎいいっ!」


 とんでもない声が出た!


「な、な、泣かないで!大丈夫よぅ!私が側でお世話するから!もう捨てたりしないから!」


「ほんぎぃ!ほんぎぃ!」


「お、お腹空いたのかなぁ?ちょっと待ってね」


 そう言って四天王最弱の戦士、ユウバは赤子を抱き上げる。


 パシュ、と軽い音をたて、胸の装甲が開く。

 現われたのは、はち切れんばかりの乳房である。

 その先端からは、母乳が流れていた。


「わっ、わっ、もったいない!折角作った母乳!さぁ、召し上がれ!」


 本能でちゅううっ、と吸い付く雷帝。


「あのぉ、咬まないで下さいね?あれ、凄く痛いんですぅ」


 ちゅっ、ちゅっ。


(うまうま)


 ちゅっ、ちゅっ。


(うまうま)


 赤子を優しい目で見るユウバ。


(ん……出ない、出てこなくなった)


 かみかみ。


「あだだだだだっ!だ、だからぁかまないでぇ!かんでも出てきませぇんっ!」


(……す、すまん、なんか本能が先に動くんだ)


「もう、こっちもあげますからぁ!」


 そう言って、今度は反対側の乳房で授乳を始めるユウバ。


「はぁ、なんでこんなことに、なっちゃったんだろぅ」


 そう言って今度はタテに抱っこする。


「はい、とんとんとんとん!」


 背中を優しく叩く。

 金属製の腕だが、その腕はとても優しく滑らかに動いた。


「ぐええええええええええっぷ」


「おおっ、いいゲップが出ましたねぇ」


(なんか眠い)


「おや、おねむですかぁ?安心しておやすみ下さい、私があなたをお守り致しますからぁ」


(どういうことだ?俺は赤ん坊なのか?眠い!取敢えず寝る!後のことは起きてから考えるとしよう!)


「……寝ましたかぁ?……寝たみたいですねぇ。では取敢えず、ナノマシンとピコマシンを起動させて、周囲探索っと!」


 雷帝を五月世界に引き込んだ女神グネ。

 それに巻き込まれたパンクザスチーム共和国の四天王ユウバ。


 世界を渡るとき、女神グネはユウバを巻き込んだ。

 明らかな質量オーバー、魔力オーバーである。

 そして、女神グネは移動途中で、あまりの魔力的重さに、この二人を落としてしまう。


「おわああああっ!?な、なんでマシンダガンが!?」


 自分で巻き込んだのに、自覚無しである。

 女神は五月世界の何処かに墜落。


 四月世界からやって来たこの二人、ただいま五月世界を放浪中である。


次回は、文章でき次第投稿です。

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