第74話 解呪
おはようございます。
投稿です。
今回はこの時間になりました。
毎回ご愛読、ありがとうございます。
冷ややかな眼が女神グネに集まる。
「あ、あれぇ?て、天使まで、そ、そんな眼で見るんだぁ」
「今は一介の副長です、10日で証明ですか?その間、四月世界を観光でもされます?」
「皮肉はやめて!」
「ゴンザ、どう見る?」
「疑問ですな、パーフェクトではありませんな、しかし……」
「しかし何だよ?」
「この女神グネの級が上がれば、要は昇格すれば解呪の時間、縮まるのでは?」
「そ、そうよ!それ!」
びしっ、とゴンザを指さす女神グネ。
「それに雷帝君が必要なのよぅ!」
「俺が?」
「女神昇格試験に雷帝君の力が必要なの!」
「……」
「どしたん?ゴンザ?」
「いえ、その試験、筆記か実技かお聞きしたい」
「実技よ!」
「ゴンザは少し安心しましたぞ。で、その実技とは?」
「バトルよ、模擬戦と言った方がいいかしら」
「ゴンザは更に安心しましたぞ!」
「をい、デスっていないか?俺、そんなに頭ワリーか?」
「いえいえ、若、人には向き不向きと言う言葉がございます。しかし五月世界に争いは無いと聞きましたが?模擬戦とは言え、戦いと争いで戦争といいますが?」
ゴンザはさりげなく事実確認を行なう。
ゴンザは戦争に発展しないか、と聞いているのだ。
その目は鋭く、女神グネを見据える。
「私達の争いは無いわ」
「私達?私達とは?」
「雷帝君は代理人よ、代わりに戦って勝った者の女神が昇格するの!」
「「「「!?」」」」
「試されるのは、唯一、絆の深さよ!」
「ゴンザ」
「何でしょう、若?」
「バトルならどうにかなりそうだ……ん?じいちゃん?何してんだ?」
「呪符を4枚作ってみた、早速使ってみるかのう」
医療ポット4機に呪符を渡す一の賢者。
呪符は、医療ポットに取り込まれ、内部の勇者や最弱四天王に貼られる。
「どうだ?勇者よ?」
医療ポットの中から勇者の声が響く。
「……上書きが始まったようだ、この呪符はなんだ!?」
医療ポット自体も振動し始め、書き換えのデーターを記録し始める。
そして何やら一の賢者に話し掛けているような?
「……」
「三日で書き換えが終ると?まことか?十日ではないのか?」
「……」
「魔力が高い?呪符耐性が発動?ああ、勇者だから解呪が早いのだな、これで精神的ダメージがなければ!」
歓喜する一の賢者。
これで、世界が変わる!大国の呪いが解ける!
世界中に広がりつつある呪符を止められる!
「ふふん、どう?雷帝君?」
何やら考えている雷帝。
「ゴンザ、このまま10日は無理だな、かーちゃんに一目会いたかったが、次にするぜ」
「勇者以外の上書きが、上手くいくとは限りませんが?」
ゴンザは慎重である。
良いことも悪いことも、可能性を素直に考える。
慎重すぎるゴンザ、性急な若。
バランス的にはいいコンビである。
「この女神グネには、かーちゃんを助けてもらっている、俺はボウサンじゃない、いつもゴンザが言ってるじゃねーか」
「坊さん?……若、もしかして忘八ですか?」
「八?三じゃなかったっけ?」
「三は三剣ですぞ、誠の剣、善の剣、己を律する剣、物事は正確に覚えて下さい、忘れてはならぬ三つのけんです。若、パーフェクトではありませんな」
「面倒くさいんだよ!大体さぁ善の剣なんて、時と場所で変わるだろ?レッド・ブーツ帝国にとってはオレ達悪人だろ?」
そこに一つの医療ポットが進み出る。
プシュウウウウウ、と全面が開き、中の人物が吐き出される。
ぺっ。
どさっ!
「ううっ……いてててっ……やっと出られたよぉ……どこです?ここは?……もう閉じ込めないでくださぁい……しくしく」
剣を軽く握るゴンザ。
「この場で解放してよろしいのですかな?この者、雷神王の技を見切った者ですぞ」
そしてその鑑定眼で四天王最弱の戦士を見る。
「!?」
「どしたん?ゴンザ?驚くとは珍しい」
「解呪されておりますぞ!」
「え?」
「ふふんっ!どう?このマシンダガンちゃん、解放されているでしょ!おいで!雷帝君!約束よ!……ふふっ……その命、一つ我に差し出せ!」
突然の猛吹雪が若葉街を襲う!
バキバキバキッ!崩れ去るラボ。
轟音と暴風で全てが非日常となる!
第六国境警備隊の駐屯地は全壊し、街は更に酷い状態になった。
そして吹雪の後、そこに雷帝の姿はなかった。
今回はここまでです。
次回から新章 五月世界 です。
投稿は10月上旬を予定しています。




