第72話 白黒ネコ
おはようございます。
投稿です。
今回はこの時間になりました。
「雷帝君は私の世界に渡っても死なないわ、いや、死ぬんだけどそのまま再生する」
「は?なんだそれ?」
「知らないの?自分の命について?」
どういうことだ?
ゴンザはポーカーフェイスだが、じんわりと動揺し始めた。
若は死んでも再生する?
獣人族は満月期、不死に近い存在に成るが今はもう確認されていない。
ここより遙か北に移り住んでいると聞く。
不死と死者が蘇るのとは、また違うのでは?
「ふふっ、この女神の私相手に、問答とは片腹痛いってば!まだ雷帝君では力不足よ」
むっ、と膨れる雷帝。
「仕方ねぇだろ、俺、駆け引きは苦手なんだよ!」
「そうね、突然殴ってきたし」
「ちっ、挨拶みたいなもんだ、ちゃんと手加減したぜ」
「あらそぉ?まぁでもそんなところも可愛いから、話しに乗ってあげるわよ、話せる範囲でね!」
「ホントかぁ?」
大事なところを蹴られて以来、若はエリ・ナリとドリ以外の女性は全て警戒対象に成っていた。
そう、ニャオ先生でさえ警戒するようになっているのだ。
勿論、この女神もその警戒対象に含まれている。
「だから、あなたは特殊な存在なのよ」
「?」
意味が分からない雷帝。
どこが特殊なのか?
「白黒ネコよ」
「?……俺の呪いが、どかしたのか?」
それはゴンザも知りたかったこと。
おそらく、確実に存在を消すための呪いだと思っていたのだが?
王位継承など陰謀野望のドロドロは、どこの月世界でも同じなのだ。
「一の賢者、なぜ雷帝君が白黒ネコなのか知っている?」
「いや、知らぬ、先祖返りか?」
ゴンザは更に慎重になった。
若の呪いは知られていない?それはそうであろう、知っていれば白黒ネコを見た時点で疑われていたはずだ。
「異界に、投げ込まれたとき雷帝君の姿、見た?」
「いや、見ておらぬ」
「その時はもう、猫の姿だったのよ」
「!?」
呪いはどこで受けた?
ゴンザは少しだけ情報を流す。
「レンデール女史の遺書には、3人の妃が呪いを掛けたとあったが?」
ここで一の賢者が震えだした。
「あの者達は、そこまでしているのか!」
「子供を異界に投げ込む連中よ、権力って恐ろしいわね、それともお金かしら?まぁ彼女達に聞きたいけど、猫誕生について、私が話せるのはここまでかしら、ふふっ。そして一の賢者よ、ネコの伝説、言伝え、ご存じ?」
怒りに震えている一の賢者、今すぐにでも城に帰ってあの3人を!
「おーい、我が契約者よ、あの3人の妃はあと、あと!私、あまり時間が無いの!」
「ああ、ネコの伝説だな?あの者達は魔性とも言われている、自由気ままで自分勝手とも、老齢になれば妖怪になるとか、それに……!?」
「そう、ネコの命は幾つあるの?」
「……9つ……あると、言われている……」
「ふふっ、スノーホワイト国の直系の御子と聖女の血を持つ猫、魔性どころか神聖では?どう思います?」
「9つの命!?それは言い伝えであろう?」
「ふふ、雷帝君は古の獣人族の呪符を埋め込まれ、異界に捨てられた存在。魔力は尋常ではなく、聖女の血を持ち、一の賢者の血統の直系!これさ、私の眼には聖獣に見えるの!その命を一つ使って、私を助けて欲しの!」
次回投稿は未定です。




