第71話 会話、駆け引きとも言う
おはようございます。
投稿です。
最近、ちょっと体調不良気味です。
「あんた、俺の爺さんかい?」
いきなり名前を呼ばれて、ハッとする一の賢者。
一の賢者は、雷帝に掛ける言葉が見つからない。
疑問はある、なぜネコなのだ?
獣化か?それにその仮面は?呪いのようだが?
聞きたいことが湧き上がるが、口にした言葉は別のことだった。
「お前は、本当にあの時、異界に捨てられた子か?」
「知らんよ!覚えてねーし!」
イライラし始める雷帝。
異界ゲートは問答無用で壊せ、と三月世界の戦士達に言われて育った。
異界ゲートから出てくる者は、その生命は削られているが魔力は倍、倒すのは難しく世界に対して悪意がある者だったら大変なことになる。
若もゴンザも異界ゲートを利用しているが、レッド・ブーツ帝国やパンクザスチーム共和国にとっては脅威でしかない。
異界ゲートは世界にとっても、生き物にとっても危険なものなのだ。
「お前を追って異界ゲートに飛び込んだメイドはどうなった?ワシが送り込んだゴーレムは?お前に追いついたのか?お前を守ったのか?」
「……ふぅん、知っているんだ。レンデとグレイトを」
「知っているぞ!見習いメイドのレンデール、当時ワシが作り上げた最強のゴーレム、グレイトール……」
「レンデは俺が3歳の時死んだ、病気だったらしい。グレイトは6歳の時動かなくなった。それからは……」
「若、そこまでですぞ」
闇の中から颯爽と現われる炎帝。
「……ゴンザ……でもゴンザ、どうやらこいつ、本当に俺のじいちゃんらしい」
「どうされますかな?」
「三月世界の呪術師がさ、この世界このままだったら滅びると言っていたよなぁ?」
「……はい、人々の怨嗟が天使世界に届くと」
静かに目を閉じる副長。
逆に目を見開く一の賢者。
「そ、それはまことか!?」
「まぁ呪術師に言うことだからなぁ、概ね正解に近い?じいちゃんも薄々感じてはいるんだろう?」
「……」
一の賢者は答えない、答えないがその顔は苦渋に満ちていた。
「若、この世界の呪い、どうされます?」
「そうだなぁ、かーちゃんには会いたいが、どうやら氷漬けらしい。レンデの遺言にも元の世界に帰っても、王家には関わってはいけません、と書いてあったしなぁ王家は無視!かーちゃんだけ助けるか。ゴンザ、この女神さま、サニワしてくれ」
「……本物の女神です」
「え?即答?」
「はい、本物ですので即答です。ただこの女神、嘘は言いませんが、本当のことも言いません。若、お気をつけを」
そう言って、若を促すゴンザ。
「分かったよ、ゴンザ。会話だろ?やってみるよ、相手は嘘は言わないが、都合の悪いことも言わないと、これでいいか?」
静かに頷くゴンザ。
「では女神よ、お話しを進めようぜ!」
「話し?雷帝君は条件が出せる立場?」
「お、早速始まったな?出せる立場だぜ、ゴンザの太刀は降魔の太刀、レッド・ブーツ帝国の支配階級を全員ぶった切れば、呪いは解ける」
「ふふっ、それでは民の殆どは拠所を無くし、死に絶えます」
勝ち誇るように言葉を投げる女神グネ。
「はっ、呪いに甘んじ、生きてきた者達であろう?そんなヤツらが生き残ってどうする?周囲の国から一気に攻め滅ぼされる、それで終りだ」
「雷帝君は弱者を切り捨てるの?」
「弱者は切り捨てないよ、だが、呪いを解いたなら、それなりの責任がついて回る。まずはここに勇者御一行がいたはず、彼らの呪いを解いてくれ、それで信用する。それが第一段階だ」
そう言ってゴンザをチラ見する若。
「……私を試すとはいい度胸ですね?」
「あんたもオレ達を試しているだろう?」
「ふん、忌々しい、まず第一段階はあなたの寿命でしょう!二度にわたる渡海(異界を渡る行為を海に喩えています)、雷帝君の命はもう尽きようとしている。問題は私の世界に渡った時、あなたの寿命が尽きるということよ」
「そう、それをどう解決するつもりだい?女神グネ?」
またゴンザチラ見する若。
(どうだい?ゴンザ?女神グネに寿命のことを言わせたぞ!俺としては満点だと思うんだが?)
(私をチラ見した段階でアウトですぞ、相手は女神、念話は全て筒抜けですぞ)
(え?そうなの?)
(まだまだ、パーフェクトではありませんな)
不敵な笑みを浮かべる女神グネ。
雷帝には手に余る存在のようだ。
次回投稿は未定です。
東京ゲームショウ、今年はどうなんだろう?




