第55話 異世界からの声
おはようございます。
投稿です。
今回も原稿用紙、二枚分くらいです。
(これだけの医療ポットに、高純度の魔力を供給した!?)
「回復した者はさっさと持ち場に戻れ、ワシは忙しい。街民達は礼はいらん、一の君として当然のことをしたまで」
回復した者達をさっさと追い出す一の君。
そして目の前のポッドを眺める。
(この祝福でも、勇者御一行は浄化できぬか……さて、ゴンザ殿はなんと言っていた?女神の祝福か?……ん?)
ふと、目に止まる2冊の古本。
「これにヒントが?」
一の賢者は本を手に取る。
どうしても手に取らなければいけない、という気がしたのだ。
(これはチャームの魔法か?底知れぬ魅力をこの本に感じるが?)
イソイソと奥の個室に入り込む一の君。
(この高純度魔力は孫が調査するであろう、ワシはワシのできることをする。まずは読書じゃ)
自分にいい聞かせる一の君。
(言訳ではないぞ、ふふっ……では、まずは奥付から読むとしようか)
そう、彼は本好き。
夢は、世界中の本を集め、巨大図書館を作りその中で暮らすこと。
彼は年老いた今でも、その夢を追っている。
手にした本は『エルフの旅日記』、のはずだった。
「!」
愕然とする一の君。
「……タイトルが……!」
本は蠢き、タイトル文字『エルフの旅日記』が動き『異界への誘い』に変わった。
「魔導書か!?」
震える手で、最終ページの奥付を見る。
そこには、とんでもないことが書かれていた。
*この書、夢老い人に送る。我は五月世界の女神なり*
その文字が更に変わる!
*あら、失礼!夢追い人に送る。ホントに私、五月世界の女神ですよ、一の君さん*
五月世界の女神が、一の君に接触を試みてきた。
「……ゴ、ゴンザ殿は……このことを知っていたのか!?」
「いいえ、知らないわ」
「!?」
振り向くと、空間に渦が生じていた。
色とりどりの絵の具を、筆でグルグル混ぜたような渦。
「異界ゲート!」
渦は大きくなり、一枚の巨大な鏡になった。
その豪華な鏡に映る一の君。
そしてその横には、白い綺麗なワンピースを纏った女性が!
慌てて横を見るが、そこには誰もいない。
そう、彼女は鏡の中、異界の住人なのだ!
「取引しませんか?ふふっ」
口元は笑っているが、その目は氷のよう。
(女神が取引!?こやつ、本当に五月世界の女神か?)
次回投稿は未定です。
できれば朝投稿を予定しています。




