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赤い目の少年冒険譚  作者: MAYAKO
第一章 四月世界
43/132

第43話 街の歴史

おはようございます。

投稿です。

バイト疲れで寝坊してしまい、この時間になりました。


「メグや、勇者御一行のポッドを、駐屯所まで連れて行っておくれ」


「大お爺さまは?」


 お気に入りのポッドを私に任せるとは?勇者御一行は、最高の研究材料のはず!

 そう考えるメイグ団長。


 メイグは勇者パーティーを嫌っていた。

 原因は聖女さまの扱いである。


 なぜ助けない?勇者であろう!最低の扱いを受けているのだぞっ!呪いの呪符?勇者の力で、どうにかならないの?

 響弓は、聖女救出の作戦を幾度となく国に提出している。

 全て却下され、悔しい思いをしているのだ。


 魔王を倒す存在が傀儡?信じられない!

 呪符の恐ろしさを知らないメイグは、結果だけを見て勇者やそのパーティーを嫌悪していた。

 聖女も聖女だ、その聖なる力で、解呪できないのか?


 メイグの考えは、ここで止まる。


 これ以上は進めない、所詮、私ではどうしようもない、という結果になるのだ。

 この考えが、ループしている。


 私は、私のできることをしよう、それだけだ。

 そして最初の考えに戻る、なんで勇者は動かないのだ!と。


「お姉さま、ポッドは、数に余裕があります!用意しますのでお入り下さい!」


「お姉さま?メグやどういうことじゃ?」


「はい、士官学校の先輩です……恩人です」


「士官学校?ああ、鍛練所か、そうかメグが世話になっていたのか」


「大お爺さま、今は鍛練所とは言いません、士官学校ですよ」


「どちらも同じじゃ!」


 そう言って、歩き出す一の君。


「どちらへ?」


「気になる雑貨屋があった、覗いてみようと思ってな。勇者御一行の運搬任せたぞ」


「お姉さま!ポッドを用意しますから!こちらへ!一緒に行きましょう!ポッド!おいで!」


 ムクリ、起き上がる3つのポッド。


「空きポッドも、一つおいで!」


 トコトコとメイグ姫の後をついてくる4つのポッド。


「お姉さま?」


 名残惜しそうに、白黒ネコが走り去った方向を見つめるエリ・ナリ隊長。


(私だけのネコにしたいなぁ)


 密かに想うエリ・ナリ隊長。


 同じ方向を見るメイグ姫。


(ネッコ、今度は逃がさないからっ!絶対捕まえてあーんなこや、こーんなことするんだから!あのシャーを撤回させるんだから!)


「右近、左近!」


「「ここに」」


 いつのまにか現れる二人の響弓メンバー。


 エリ・ナリ隊長はこの二人を知っている。

 メグのガード、スノーホワイト国きってのアサシン。


 正真正銘のお姫様であるメイグは、戦場を駆ける戦士でもある。

 士気は爆上がりするが、狙われもするのだ。常にキッドナップ、誘拐の脅威にさらされている。

 そのためのアサシン。


(メグは知らないだろうな、他にも色々とガードされているのを)


 周囲に何人いる?

 エリ・ナリはあえて数を数えない。

 そんなことをしても無駄だし、なぜ数を数えた、と尋問されるのが落ちだ。


「この街の過去を調べろ!ブリザード・ワームがどうしてここまで侵入できた?駐屯地がある以上、結界があったはず!」


「メイグ団長、もうお分かりでは?」


 エリ・ナリはあえて話し掛ける。


「この街は坑道が無数に走っている。それは上空からの調査で一目瞭然だったはず」


 エリ・ナリがブリザード・ワームの侵攻後、すぐに調べたことだ。


「……若葉街は地下資源を不正に採掘している」


 メイグの言葉がキツくなる。


「いえ、坑道は廃坑、一の君が環境魔法を作り出す以前のことでしょう」


 エリ・ナリが考えを正す。

 ここは以前、極寒の地。売れる物は何でも売り、生きていかなければいけない。


 スノーホワイト国、周囲の街々は多かれ少なかれ地下資源を不正に採掘している。


 生きるためだ。


 当時の国は何もしてくれなかった。

 まぁ、今でも行き届いているとは言い難し。エリ・ナリの素直な評価である。

 そして、簡易結界、お札を貼って坑道を隠していたのだ。


 レッド・ブーツ帝国はそこに目を付け、坑道から侵入してきた。


 おそらく一の君はもうご存じだろう。

 エリ・ナリは考える。

 雷神王もしかりだ。


 これはメイグがどう対応するか、試験しているのでは?


 そのサポート役が先輩であり、騎士団をライバル視している国境警備隊の隊長である私か?

 ここは、気を引き締めなければ。


 視線を感じると、右近、左近と目が合った。


(こいつら、今笑った!?)


 ここでブザーが鳴る。


 ミミミミッ!


「ん?」


 エリ・ナリが振り向くと、ぺっ、と医療ポットから吐き出される副長。


「……おい、私の扱い、えらくぞんざいだな?」


 元気に起き上がる副長。

 頼もしい副長、復活である。


 今回はここまでです。

 次回は炎帝と一の君が出会い、言葉のバトルを繰り広げる予定です。

 実はもう半分ほどできています。

 お楽しみに。

次回投稿は早くなりそうです。

タイトルは 第44話 炎帝と一の君 です。

炎帝と一の君のお話しが終ると、第45話? 雷帝と雷神王 です。

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