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赤い目の少年冒険譚 (2025.05)  作者: MAYAKO
第一章 四月世界

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第44話 炎帝と一の君     

おはようございます。投稿です。

今回はこの時間になりました。


 明らかに副長を見つめているポッド。

 どこが眼なのかは分からないが、仕草は見ている。


「……」


「お前、喋れるだろう?」


 医療ポットに話し掛ける副長。


「副長、何を言っている?」


「!……こ、これは騎士団長殿!共闘、感謝致します!」


 メイグ姫を見て、慌てる副長。

 なぜかほんのりと頬が赤い!


 それを見て、不機嫌になるエリ・ナリ隊長。


(何をデレデレしているのだ!いつものクールさはどこへ行ったっ!)


 さて副長の慌て振りを見て、態度を軟化させるメイグ姫。


「ブリザード・ワームとの戦い、活躍、ご苦労さまでした。体調はどうですか?」


「隊長は最高です!」


「それは良かったですね、さすがは大お爺さまの医療ポット」


「?」←副長。

「?」←メイグ姫。


(こいつらは何を話しているのだっ!)


 とか考えつつ、副長の身体を見るエリ・ナリ隊長。


「回復は順調だったようだな、戻るぞ!」


「はっ!……」


「どうした?副長?」


「隊長も治療を、そのお体では後遺症が……」


 ここで、副長をじっと見ているであろうポッドとエリ・ナリの目が合った。


 気がした。


「……副長、お前の入ったポッドの後に入ろうとは思わん!」


「え!?なんでです!それ!私、バイキンではありませんよ!?」


「いや、なんとなく……その、本能が……」


「ほ、本能!?」


 ふふっ、と笑って消える右近と左近。


 一方こちらはエリ・ナリ隊長とメイグ姫、二人の視線の先だった、白黒ネコ。

 もうエリ・ナリ隊長やメイグ姫のことは忘れ、イッカイのいる宿屋を目指していた。


(ゴンザ、お前の剣なら帝国の権力者達を滅ぼすことができるのではないか?)


(若、なぜそうお思いで?)


(レッド・ブーツ帝国の権力者、無差別憑依ぽくないか?)


(ほう、それで?)


(かなり強い術者がいて、殺される瞬間に別のモノに憑依し、生き存えていると思う。三月世界にもいたじゃん、憑依魔獣っていうヤツが!あれっぽい)


(想定は良いことです、レッド・ブーツ帝国の王族達は死霊系の精神体かも知れませんな、人々を苦しめ、負の精神エネルギー食している彼奴らです)


(ならゴンザ、お前の剣、死霊もデイモンもぶった斬れるだろう?)


(若の拳も有効では?)


(まぁ、雷精を(まと)えば出来ると思うけど、魔力コントロール難しいんだよ!)


(パーフェクトではありませんな、魔力コントロールを覚えてください!)


(だから今向っている!イッカイはオレと同じ雷属性を得意としていて、魔力コントロールが上手いんだ、ん?なんだ?ゴンザ?)


(お客様のようです、若、先程の一の君ですな)


(え!?)


(かなりの術者、念話は切りますぞ、集中して対応しますので!)


(分かった)


 店の前に立つ一の君。


「ほう、これは良い品揃えじゃ、ワシの鑑定眼以上ではないかぁ?」


 そう言って奥から出てくるゴンザを一睨(ひとにら)みする。


「いらっしゃいませ、何かお探しですか?」


「雷帝と炎帝を探しておる」


「それはそれは、しかし、ここは道具屋ですが?」


 ゴンザは覚悟した。

 相手は環境魔法や医療ポットなどを作り上げた賢者と呼ばれる存在。

 この世界の魔法科学レベルを遙かに凌駕した存在だ。


 異常な存在、言換えれば化け物なのだ。


 今の質問で、ほぼ正体はバレているであろう、と推測する。


「この品揃え、見事だ。首都ホワイトパレスに来ぬか?ワシが直接面倒を見よう、どうだ?」


 さてどうする?

 見る者が見れば、分かるのだ。


「住み慣れた街、この地を離れ見知らぬ街に行くには歳を取り過ぎております、ご容赦を」


「住み慣れた街?開店一年と、そこの居酒屋で聞いたが?」


「はて、そうでしたかな?」


 店内をウロウロと物色し、確信を深める一の君。

 おそらく、この者、関係者であろうと。

 まぁ容姿か見て、本人ではあるまい。


「ほう、これは?書物も置いてあるのか?紙は貴重品じゃが?」


 一冊手に取る一の君。

 目が輝き出す!それもそのはず、本が大好きなのだ。


「それは旅の記録のようです、有名ではありませんが」


「500年前のエルフの旅日記か?お?四月世界の伝説と神話!これは貴重本では!?」


「お目が高い、値は張りますが良い本ですぞ」


 ここで一の君の目が鋭くなる。


「異界の本は置いてありませぬかなぁ?」


「異界本ですか?珍本ですな。それでしたらやはり首都ホワイトパレスの古書店辺りがよろしいのでは?」


「いやいや、古書は地方の方が面白い!ワシは異界本はよく読んでおる、この四月世界の他、消えた二月世界、修羅の世界と言われている三月世界、月世界を管理する十二月世界、争いのない女神の五月世界」


「ほう、お詳しいですな」


「近頃有名な雷帝と炎帝は異世界、この月世界から来たのでは、と思っておる」


「ほう、面白いお考えですな、月世界は空想の世界、伝説の中にだけ存在する世界とも言われておりますが?」


「いや、月世界はある、断言する。ある一定条件が揃うと、ゲートが開くのじゃ」


「お戯れを」


「まぁ聞きなされ、店主殿、ワシの知識は異界の知識なのじゃ」


「!?」


 静かなバトルが始まった。

 確信を深める一の君。

 選択を迫られるゴンザ。

 今回はここまでです

次回も炎帝と一の君の会話です。

月世界の設定を会話の中に盛り込みますので、お楽しみに。

雷帝と雷神王はちょっと先に伸びます。

ではまた次回。

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