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赤い目の少年冒険譚 (2025.05)  作者: MAYAKO
第一章 四月世界

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第42話 猫だけど脱兎     

おはようございます。

投稿です。


 もぞもぞ。


「ん?トイレか?元気になった?薬が効いたのか?」


「ナーン」


(おう、薬が効いたみたいだ!それに……お前から元気をもらった!)


 白黒ネコに顔を近づけるエリ・ナリ。


「目ヤニも出ていないな、よしよし!ん?」


 ペロッ。


「!?」


(塩味)


 ざらりとした感覚がエリ・ナリの頬に発生する。


「涙を舐めたのか?ネコ科は塩分を控えないと、身体を壊すぞ」


(いいじゃん、一滴や二滴くらい!)


 エリ・ナリの腕から飛び出し、すたっ、と凜々しく大地に立つ白黒ネコ。


「あっ!?」


 名残惜しそうに白黒ネコを見つめるエリ・ナリ隊長。

 ネコは気まぐれだと十分知ってはいるようだが。


(ゴンザ、動くぞ!まずは……そうだな、イッカイに会う、約束を果たさせ、魔力のコントロールを覚える!そしてレッド・ブーツ帝国へ向う)


(……よろしいかと)


 と、ここまではカッコよかった。


(ん?空が?)


 黒い影が過ぎった。


 ……おねーさまーっ……


 遙か上空から聞き慣れた声が降ってくる。

 その声を聞き、ザワッ、と白黒ネコが身震いする!

 白黒ネコは本能的に保護者、庇護者を求め、エリ・ナリに飛びつく!


「なんだ?捕食されるとでも思ったか?」


 嬉しそうに再び抱っこする。

 見上げると、無数のグリフォンが大空を舞っていた。


 ……お前達は、周囲警戒!……一の君の御前ぞ!気をぬくな!……


 先程の声と違って、厳しく部下に言い放つ、グリフォンライダーのトップ。

 ぶわっ、と急降下して、大地に舞い降りるグリフォン!

 風が周囲を駆け抜ける。


「お姉さま、お久しぶりですっ!……お怪我はありませんか!え!?ネッコ!?」


 グリフォンから飛び降り、抱きつかんばかりに近寄る騎士団響弓の団長。

 士官学校時代、散々お世話になった恩人であり大好きな先輩。

 舞い降りたのはご存じ、メイグ姫だ。

 いや、騎士団響弓の団長メイグだ。


 頬を赤く染め、その潤んだ瞳がエリ・ナリお姉さまと、その腕に抱かれているネッコを捉える。


「シャアアアアアアアアアアアッ」


 白黒ネコは光の速さでエリ・ナリの腕から飛び出し、肩に陣取る!

 体毛は逆立ち、尻尾は三倍くらいの大きさになる!

 ブレス攻撃でもするのか?と思わせるとんでもない威嚇!


「え?」←エリ・ナリ。

「え?」←メグ。

「え?」←一の君。


「「メグ、なんかした?」」


 綺麗にハモる一の君とエリ・ナリ隊長。

 威嚇がショックだったのか、メグは涙目になる。


「な、何もしてませんっ!わ、私、小動物に酷いことなんてしません!できませんっ!ええっ!?どうしたの?ネッコ?私、優しいよ?何もしないよ?」


「グギャアアアアッ!」


(いいやっ、しましたね!やりましたね!蹴ったじゃん!すんげえええええ痛かったんだからっ!……うう、思い出しただけでも痛くなってきた!)


 ひらり、と肩から飛び降りると、猛ダッシュでその場から走り去る白黒ネコ!


(……)


(なんだよ?ゴンザ?)


(パーフェクトではありませんな、何故蹴られたか、をお考えください)


(うるせー!今から宿屋へ向う!)


(そのまま稽古ですか?防具は?)


(いらん!邪魔だ!魔力コントロールを覚えれば済むことだ!)


(マッパで稽古ですか?教えを請うならば、礼を尽くしてください!)


「お姉さま、ポッドに入られては?」


「やはり、わかるか?」


「はい、響弓が周囲を警戒、街や人々お守り致します」


「……メグ、ワシの護衛ではなかったか?」


「大お爺さまの護衛?皇帝騎士団をお連れとか聞きましたが?」


「はて?そうであったかな?」


「おとぼけを」


 冷ややかな目で一の君を見るメイグ団長。

 この曾お爺さん、ろくな思い出がないのだ。

 双子のシンクロを実験するとかいって、幼少の頃から散々な目に遭っている。


「まぁよい、勇者御一行の治療機材、持ってきたか?」


「はい、駐屯地に設置しましたが」


「では、ポッドを連れて参るとするか」


 そう言って、グリフォンを見る一の君。


「ふむ、メグよ、ワシが与えた飛行ゴーレムは使用しないのか?」


「あれは最高機密兵器です、おとうさ……国王陛下の許可なく使えません」


 最高機密兵器。

 その言葉にジーンとする一の君。

 かなり気を良くしたようである。


「ほう、最高機密兵器か、いい響きじゃ。レッド・ブーツ帝国からの侵略、今度はこちらから攻め入る、飛行ゴーレムの訓練、怠るなよ」


「戦を始めるのですか!?」


「仕掛けたのは向こうだ、呪符の解呪ができ次第攻める。そう時間は掛からないような気がする。第六国境警備隊、それまでに隊を立直せ、騎士団響弓、警備隊のフォローを」


 今回はここまでです。

 次回をお楽しみに。


次回投稿は遅れると思います。

バイトが忙しく……うう、私、凡ミスが多いんです!


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