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赤い目の少年冒険譚 (2025.05)  作者: MAYAKO
第一章 四月世界

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第35話 名コンビ      

おはようございます。

投稿です。


(若、これは三月世界での禁呪ですぞ)


(……)


(人や妖精の式神化、いや、この場合は奴隷化でしょうな。明らかに三月と違う!この四月世界独自の術でしょうかな?)


(どちらにしろダメだろう?ゴンザ、他にも何か知っているな?全部話せ!一体どこで仕入れたんだ!こんな情報!)


(商人は情報収集が命。物品を動かす、それは人、物、金、知識、世界が動くということです。要はそれに気づくか素通りするか、ですじゃ)


 雷神王は何をしているのだ?

 いや、イッカイみたいな戦士もいる!

 この世界、捨てたもんじゃねぇ!でも……このままじゃ……若なりに考え始める。


 そう、四月世界は混沌とした世界なのだ。


(このままでは……そのためのオレ達か?)


(ですよね、若。だがこの判断は四月世界の魔法意思の判断です、基準は我々では図りかねます。それに意思とは言っても明確な意思ではありません、不確かな方向性のようなものとか)


(う・そ・だね!そんなあやふやなモノが、明らかにオレの回復力、封印するわけねーだろ!)


 白黒ネコの体毛が一気に逆立つ!


(他にも仮説がございますぞ)


(どんな?)


(お互い、信頼関係が成り立つと魔力がより強く働くとか)


(なんだよ?それ?)


(これも勉強したはずですが?)


(……だったかな?)


(お互いをより強く結びつけるために、魔法意思が動くとか)


(はぁ?オレのタマキン蹴って、何が結びつくんだよっ!御免被る!……!!)


(どうされました?若?)


(チビが壁を昇り始めた!ゴンザ!落ちるかも!チビを止めろ!)


「クロちゃん?どぉしたの?毛がバサバサだよ?グスッ……こっちおいで?怪我しているの?痛いの?……!?」


 ズルッ!


 何かが滑る音!

 慌てて店から出てきたゴンザ!


 上から、黒い影が降ってくる!


「つっ!」


 がしっ、とキャッチしたのはエリ・ナリ隊長。

 キャッチと同時に激痛が全身を貫く!


「ぐっ!」


 子供をキャッチしたのはいいが、体調が悪すぎた。

 骨折やら打撲やら切り傷、魔力補正で辛うじて歩いている状態なのだ。


(さすがに子供のキャッチは無理があったか!?)


 かといって、見過ごすことなど絶対にできない。

 そのまま後ろにぶっ倒れるエリ・ナリ隊長!


 そして、光りの速さで大地と隊長の間に身体を滑り込ませる副長!


 どしーん!


 ボキッ。


「え?……ふ、副長!?」


「……お怪我は?……ございませんか?」


 その問い掛けが、何故かおかしく一瞬、二人とも笑顔になる。

 怪我?元より二人とも重傷の大怪我だ!

 やせ我慢、見栄、根性、気力で動いているのだ!


「……副長!?い、今、ボキッて?」


 慌てて身を起こそうとするが、エリ・ナリ隊長も元々重傷者、身体が思うように動かない。


「……い……っ……」


 思わず声が出る。

 そこに手を差し伸べるゴンザ。


 まずは子供を優しく抱き起こし、エリ・ナリを横に動かす。


 現れた副長は顔面蒼白である。

 足が?変な方向に曲がってないか?


「あ、あれ?足が動かない?……いや、魔力補正で……おや?」


「ん?……これは……副長さま、大腿骨が折れてますぞ」


 ゴンザが鑑定眼を使う。医療にも十分に使えるのだ。

 そして、ゴンザの鑑定に間違いはない。


「「え゛」」


 同時に声を上げる隊長と副長。


「な、何故庇った!?」


「あのままでは後頭部直撃でしたよ」


「!」


 後頭部への衝撃はよくない。

 死を招く恐れがあるのだ。


「……しゃい……」


「ん?」


 ゴンザの腕の中で小さく呟くチビちゃん。


「ご、ごねんなしゃい……ううっ……」


 目を真っ赤にし、ポロポロと涙を零す。


「クロちゃん、し、心配だったの……お、お兄ちゃん、痛い?隊長しゃん、あ、ありがとう……ごじゃます……うっく……」


 どうにか謝罪の言葉を絞り出すチビちゃん。


「もう、危ないことはするな、人に頼むのも選択の一つだ」


「しぇんたく?」


 そう言いながら副長の足を見るエリ・ナリ。


「すまん、ポッドを用意させる!」


「……これもお役目ですよ、お気になさらずに」


「お役目だと!?」


「はい」


 ここで隊長は考えた。

 これをお役目というのなら、否定してはいけない。

 こいつは必死だったんだ、瞬時の選択で私を助けたのだ。


「お役目、ご苦労……助けてくれて、ありがとう。次も頼む」


「はっ!!」


 ニッコリと喜んでみせる副長。


 さて、ここで隊長はちょっとだけ個人的なことを考える。


 ……私って、そんなに重いのか?

 平均よりちょっとだけ重いと思っていたのだが。


「ナーォ」(大丈夫か?)


 どうにか身を乗り出し、下を見る白黒ネコ。


「アーォ、ナァーオ」(凄い音がしたけど、チビは無事か?)


「クロちゃん、大丈夫だよ!隊長さんとお兄ちゃんが助けてくれての!」


「……どうした?副長?何をニヤニヤしている?」


 どこか打ち所が悪かったか?などと考える隊長。


「……いや、周囲からは『おじさん』と呼ばれていましたので、お兄ちゃんと呼ばれると……」


 副長は『お兄ちゃん』という呼び名にデレた。


「おい、副長、元気そうだな?」


「……そりゃもう、私は単純なんで」


 今回はここまでです。

 次回をお楽しみに!

次回投稿は未定です。

かなり遅れるかも知れません。

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