第110話 聖弓
おはようございます。
サブタイトル変わりました。
一夜明けた次の日、コジリンは元気になっていた。
そして目つきが少しだけ変わった。
目的、目標が決まったのか、コジリンは確かに変わったのだ。
「電くん、ご主人さま、看病して頂いてありがとうございます!」
《コジリン、変わった?》
怪しむノーマルモード・ユウバ。
《女王虫の羽で性格変わった?》
「看病?パーティー仲間として、当然だ」
「それでもお礼は言わせて下さい!」
ハキハキと大きな声で返答するコジリン。
「コジねぇが元気だと俺、うれしいよ!それに元々倒れたのは俺の方だよ!俺こそお礼を言わせてよ、コジねぇは命の恩人だ、ありがとうコジねぇ!」
そして北を目指しながら歩き始めると、早速カブトムシ村長ことガンジョが話し掛けてきた。
「ふふふっ、コジリン殿、盾役決めましょうぞ!」
ピタリと止まり、振り返るコジリン。
「この槍が欲しいと?」
「ふふっ、その槍、ワシに相応しと思われませぬか?」
「それはご主人さまが決めること。ご主人さま、どうでしょうか?」
コジリンの眼がギラギラし始める。
対戦モード・コジリンだ。
「その前に、コジリン」
「はい?」
「この弓、引いてみるがよい。引けるか?」
「弓ですか?」
それは言わずと知れたドラゴナイトの弓。
「まずは、私が引いてみせる、よく見ておけ」
ヒュン、と弓を引く。
矢は無い。
「従者コジリン、魔力の流れが見えるか?」
「え!?」
弓に魔力が集まり始め、バチバチと力が溢れ始める!
溢れた魔力は矢の形となり……バシュ!と音を立て弓から放たれる!
矢は魔力を撒き散らしながら弧を描き、消えていく。
「通常は魔力の拡散を抑えながら的を射抜く、どうだ?従者コジリンできるか?」
「ゆ、弓は引いたことありますが、私、眼鏡で眼が悪いんですぅ……」
申し訳なさそうに伝えるコジリン。
「その眼鏡、格好だけであろう?」
ぎくっ、と固まると同時に、つつっと額に流れる汗。
「あ、コジねぇ、動きが止まった?」
「お前の眼は、雷蛇の聖女の力で元に戻っているはず、いや、本来のドワーフ以上に五感が鋭くなっているはずだが?どうだ?」
「ど、ど、どうでしょう?」
《バレバレじゃね?》
「従者コジリン、本気を出してみろ!お前はカードバトルで勝利し、私の魔槍を高々と掲げたのだ!その力でこの弓、引いて見せよ!」
戸惑いながら弓を見て、コジリンは雷蛇を見た。
コジリンにとって、雷蛇はもう欠かせない人物なのだ。
マシンダガン・ユウバの問い掛けに、無言で頷くコジリン。
槍は雷蛇に渡され、コジリンはユウバからドラゴナイトの弓を受け取る。
「!!!!!!」
受け取った瞬間!
弓は形を変え、その一部がコジリンに巻き付く!
「っんきゃっ!?」
驚くコジリン!
弓の形は先端(末弭)が剣のようであり、明らかに異形だ!
「ひゃあああっ!?な、なんですぅ!?こ、この弓っ!?」
明らかに金属の動きではない!
それは生物、蛇のような動きである!
雷蛇は素早く魔力でコジリンを見る。
魔力で見たコジリンは聖女の力で満ちていた。
(俺の魔力が流れている!?))
雷帝は焦った。
(コジねぇと俺、繋がっている!?これ、心が繋がって……何だこの現象は!?)
「コジねぇ、矢は何本でも、思いのままに作れるよ」
雷帝は無視し、コジリンと話しを進める雷蛇。
「え?」
「その矢は、俺の母から受け継いだ魔力、聖女の矢だ」
今回はここまでです。
次回サブタイトル 第111話 街の門 です。
毎回ご愛読ありがとうございます。
バイト、酒屋さんにかわりました。
重いっす。




