↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤い目の少年冒険譚 (2025.05)  作者: MAYAKO
第二章 五月世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

184/246

第109話 記憶     

おはようございます。

投稿です。


「おい、副長、笑いを堪えているであろう?」


「そんなことはありませんよ、たとえそうだとしても嘲笑ではありません。ネコの治療はネコとして接したのでしょう?ならばそれでいいではありませんか」


 お前のようにあっさりと割り切れる性格ではないっ!

 と、言う言葉をググッ、と呑み込むエリ・ナリ隊長。

 いや、いっそぶちまけるか!?


「……あの時、薬を渡したのはお前だぞ」


 恨みのこもった目で射抜く。


「忘れたのか!?」


「はて?そうでしたか?」


 まったく覚えていない副長。


 副長の仕事は、多肢に渡りネコどころではないのだ。

 日常の細事など忘却の彼方である。


「過去に拘りすぎると、現在が疎かになりますよ、隊長」


「今の私は、過去の積み重ねだ」


 二人はそう言いながら、山のような書類をどんどん減らしていく。


「五月世界のコジリン殿は、女神による記憶操作を受けていますが」


「ああ、レッドブーツ帝国の呪符と同じ理論と聞いたが」


「元々は過去の耐えきれない記憶を緩和、消去することが発端とか」


「どこで手に入れたか知らぬが、女神の恩恵を悪用?恐ろしい国だな」


「記憶の消去は、人物にとっては救いになるかと」


 ジロリ、と副長を見る隊長。


「私のネコの記憶を消せとでも?」


「いえ、囚われて欲しくないだけです」


 手が止まり、ふと考える隊長。


「記憶を消す?それでいいのか?」


「隊長、パンクザスチーム共和国では記憶の操作、消去は当り前だったとか」


「ああ、そう聞いたな。マシンダガンか、記憶を数字に変換しているらしいが」


「はい、消したり、付け加えたり」


「それでいいのか?」


「為政者にとっては都合がいいのでしょう」


「そう言えば……前世の記憶がある人物が稀にいるらしいが、邪魔ではないのか?」


「邪魔でしょうな、私はそう判断します」


「副長は、今を大事にするのだな」


「はい、それしかありません……どうかされましたか?」


 それは深いため息だった。


「……私は、面倒くさい女だ」


「え?」


「いや、今のは聞かなかったことにしてくれ、さあ、仕事だ」


 細事だ、細事だ!


 そう言って、書類に目を通し始める。

 あの雷帝はっ!私達のパジャマ姿を見ているのだぞ!


 だから細事だって!


 私の寝所にぃ入っているのだぞっおおおおおお!

 それにアクシデントとはいえ、私の唇まで奪っているのだぞ!

 それも一回ではないっ!唇を舐めてもいるんだぞっ!


 コジリンッ!そいつはぁ私のネコだっ!


 雷帝っ!くそっ!なぜそんなにコジリンに優しくするっ!

 私のことなど、もう忘れたのかっ!

 どうでもいい過去の女なのかっ!?

 コジリンと親しくする雷帝を見ていると、何故か腹が立つ!


 私はプライドが高い女なのだろうか?

 そう、エリ・ナリ隊長はコジリンに激しく嫉妬していたのだ。


 雷帝やコジリン、さほど気にもしていなかったが、雷帝=白黒ネコ、となるとそうもいかない。


 私は遊ばれたのか!?

 そしてあきらめの気持ちも湧き上がる。


 ああ、もう私は雷帝にとって、忘れ去れてた存在なのだろう、と。

 この世界に帰ってきたら、一発ぶん殴ってやろう。


 軽くかわされるだろうが、副長の言うとおりだ、今を大事にしよう。

 私は国境警備隊の隊長なのだ!


 と、考えるが、気持ちはそうではない。


 人の心を弄びおって!

 責任をとらせたいっ!


 どのような責任かは分からないが、エリ・ナリ隊長はそう思った。


 今回はここまでです。


次回サブタイトルは 第110話 街の門 の予定です。

毎回ご愛読ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。