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赤い目の少年冒険譚 (2025.05)  作者: MAYAKO
第二章 五月世界

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第106話 自覚     

おはようございます。

投稿です。


 その様子をじっと見ているユウバ。

 その目は段々と青い炎を宿していく。


 そう、嫉妬の炎だ。


 甲斐甲斐しくコジリンの世話をする雷蛇。

 それはもう見ていて、そこまでする?という手の届きようなのだ。

 それはまるで……。


《ベビィさぁ、コジリンをベビィ扱いしていないか?》


 そう、子供を気遣う母親に見える。


(母性に目覚めたか?)


《ベビィは男の子だよ?》


(もともと聖女の力を行使する異能の戦士だ、母性も父性も、かなり強めのように見える)


《……妬ける……私のベビィなのにぃ……》


(……)


《同意しなさいよぉ!》


 バトルモード・ユウバは言葉ではなく行動で示した。

 スルスルと雷蛇に近づき、言葉を掛ける。


「あー……ベビィ?代わろうか?ベビィもお腹が減っているだろう?」


 これが精一杯であった。


《ち、ちょっとぉ!もうちょっと言葉ないのぉ?》


 同じ自分としては、もう少し増しな言葉は無いのかと?


(うるさい、ノーマルモード、黙れ!)


《……ん?どしたん?》


(……返事を聞くのが怖くなってきた)


《いまさらぁ!?》


 ここでこの様子を俯瞰していた雷帝が雷蛇に耳打ちする。

 ユウバの視線に気が付いていたからだ。


(おい、雷蛇、かあちゃん焼餅焼いているぞ)


(なんだよ、それ?おいしいの?)


 ホントのこいつ、同じ俺か?とか思っている雷帝。


(……いや食い物ではなくて、お前がコジリンばっかり構(かま)っているから、寂しいんだと)


(え?えええっ!?)


(ここは、かあちゃんの言うこと聞いて、ご飯食べな)


(でも、コジねぇが……)


(かあちゃんに任せな)


(……わかった)


 こいつホント素直だなぁ、同じ俺か?再び思う雷帝。


 ……え?ご、ご主人さま?……


「さぁ、コジリン、食らうがよい」


 ……なんか目が怖いんですけどぉ……


「……気のせいだ」


 コジリンを抱き寄せ、その口元にスープを当てるユウバ。

 弱々しいコジリンはユウバを見つめながら、スープをゆっくりと飲み込む


 ……んく……んく……おいしいですぅ……


「そ、そうか」


《ちょっとバトルッ!今、トゥンクしたでしょう!?》


(はぁ?何を言っている!?ノーマル!ゴーレム私がトキメク!?するか!そんなこと!)


《いいえ、しましたねぇ!エンジンの回転数、上がってるもん!》


 その様子を見て、項垂れる者がいた。

 カラビン村長だ。


 ……コジリンは……愛されているのだな……我が村では……許せ、コジリン……


 微かな声で呟いた。

 その声を聞き逃さなかったノーマルモード・ユウバ。


《え?なにぃ?》


(おそらくだが……心配していたのではないか?)


《何よそれぇ?私達がいじめているとでも?》


(コジリンは忌み子だ……ドワーフの村では酷い目に遭っている)


《失礼なぁ!私は四天王よぉ!戦士に対して敬意は払う!》


(元な、もと)


《……ならさぁ、カラビン村長はゴーレムの私や武具の調整とか言いながら、実はコジリンが心配で?》


(さて、どうであろうか、負い目はあるだろうな、引き取ったとは言え忌み子扱いだ)


 その会話を黙して聞いている雷帝。


(……まぁ俺も忌み子だ。だが俺は恵まれていた、ゴンザにレンデール、グレイトール……)


 そして、その声はコジリンにも届いていた。


 私は愛されているんだ。

 ……このままではいけない!

 私も、愛情を分け与える存在いになるんだ!

 ご主人さまのように!電くんのように!


 そう思った瞬間、本来のコジリンが目覚め始めた。


 今回はここまでです。

次回サブタイトルは 第107話 理想 です。

……現在、出来ているのはサブタイトルだけなんです。

毎回ご愛読ありがとうございます。

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