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赤い目の少年冒険譚 (2025.05)  作者: MAYAKO
第二章 五月世界

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第102話 カブトムシ村長、祠にて     

おはようございます。

投稿です。


「異界の戦士、勇者とやらの会話はどうであったか?」


「内容はご存じでは?」


 相手は女神シュウ、見た目は勝気な女性に見えるが、それは見た目だけだ。

 ノーマルモード・ユウバはその魔力の高さに圧倒される。

 巨大な滝を下から見上げるような感じだろうか。


「ふん、どうであった?私の納める草原、虫達は?」


 そう言って、一同を見回す。

 眼に留った雷蛇は、そっとコジリンを大地に降ろすと、そのままコジリンの横に座り込む。

 その両手には、ドワーフ一族が鍛えたナックル。

 その様子を見ながらユウバが答える。


「草原は、良い世界だと思います、不調和もありますが、それはどこの世界でも同じでしょう」


「ああ、黒キノコか」


「敵意や悪意はもちろん存在しますが、希釈されているように感じます」


 バトルモード・ユウバの素直な感想である。


「まぁ、殺気はこの世界では禁忌に通じる、殺意に対しては世界意思が働いて無力化されるからな、注意するがいい」


 女神シュウの前に列ぶユウバ一行。

 後から、ゾロゾロと追いついて来るドワーフ一族のメンバー。


「ん?おい、村長、メンバー増えていないか?ドワーフ一族の村長も混じっているが?」


「はい」


「それにその武具はなんだ?ドラゴナイトの加工は容易ではないぞ」


「はい」


 何を思ったのか、雷蛇はネコバージョンに変態する。

 素早くそれに対応するナックル。


「かあちゃん、凄いよ!ネコバージョンにもちゃんと対応している!」


 ナックルは小さくなり、白黒ネコの手にぴったりフィットである。

 その様子をじっと見ている女神シュウ。


「さすがはドラゴナイト、鍛えたのは村長か?」


「はい、ナックルは特に力を使いました」


「ありがとう!村長!」


 人バージョンに戻った雷蛇が、ガツガツとナックルを両手でぶつけながら礼を言う。


「型、いいかな?かあちゃん、俺このナックル気に入った!」


「ああ、動いてみろ」


 すっ、と姿勢良く構える雷蛇。

 その立ち姿、足運び、に魅入る女神シュウと周囲の者達。


 ……なんという動きじゃ……

 ……リキミがない、脱力で舞っているぞ!……

 ……これは、いいモノを見せてもらった……


 動く度に、ナックルから銀の魔力が溢れ出ている。


「見事だ、まるで舞いだな、そうだろカブトムシ村長」


「……」


「村長!?」


 カブトムシ村長はその場にガクン、と倒れた。


 あっという間に、その外骨格が白く変色し始める。


「……ここまで……か……」


 ビキ、ピキッ、と亀裂が走り、関節が固まり始める。


「え?え?え?カ、カブトムシ村長!?」


 慌てて駆け寄る雷蛇。


「……わ、若武者よ……よい……舞いであっ……ワシへ……手向け……か」


 マシンダガン・ユウバが女神シュウを睨む。


「寿命か!?ど、どうにかできないのか?女神シュウ!女神であろう!この者達の守護者であろう!」


「……わ、私は万能では無い!寿命は変えられない」


 バキンッ!


 と、一際大きい音が響く!

 頭部が割れ、背部に亀裂が走る!


「カラビン……ワシが死んだら……妻の横に……埋めてくれ……」


「……分かった」


 ここで、ノーマルモード・ユウバは驚愕する。


 先程の滝のような魔力を、軽く上回る隕石のような魔力が現われたからだ!

 それは一瞬であり、気づいた者はノーマルだけである。

 女神シュウですら見逃しているのだ。

 女神シュウはカブトムシ村長に意識を向けすぎ、魔力に気がつかない。


「え?」


 女神の顔に驚きが走る!


 ぺろん。


「え?」


 驚くカブトムシ村長。


「は?」


 固まるカラビン村長。


 なんと、カブトムシ村長は脱皮した。

 外骨格が割れたのは、内側より溢れる魔力の影響。

 そう、その魔力は全てを癒やそうと日々苦悩する魔力、聖女の魔力だ。

次回投稿は未定です。

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