第93話 更に、きまずっ!
おはようございます。
どうにか、間に合いました。
「……」
(雷蛇、状況は分かっているだろ?コジねぇは薬を飲ませただけだ)
(……え?雷帝くん?コジねぇが薬を揉ませた?……)
(揉んだんじゃねー!の・ま・せ・た・の!お前、動揺しているだろ!)
(……うっ……)
(ん?どうした?)
(…………)
沈黙する雷蛇。
(おい!?雷蛇!?)
焦り出す雷帝。
何か異常なのだ。
雷蛇を氷漬けにした時、感覚を遮断しているので今、雷蛇がどうなっているのか分からないのだ。
雷蛇が見ているのはコジリン。
コジリンの綺麗な大きな目。
眼鏡の奥で、こっちを見ている。
その目に膨れ上がる涙。
最初、コジリンは思った。
(電くんの唇、プルプル!なに?唇キューテクル!?)
目覚めた雷蛇は思った。
(え?コジねぇ!?コジねぇの唇、しっとりして暖かい!)
そう思ったのは最初だけ。
雷蛇の目にも膨れ上がる大粒の涙。
そう、この煎じられた羽湯、最初は無味だが暫くすると、劇マズになるのだ。
実は無味に感じるのは、舌が麻痺しているのであって、暫くすると麻痺させた成分が口腔内全体に、しいては身体中に広がる!
「おい?いつまでっ!そうしているのだ!?」
凄まじい目で二人を見るマシンダガン・ユウバ。
《そ、そうよ!もう離れなさいよっ!》
大事かつ大切な子、ベビィ。そのキスシーンはユウバズとしては気に入らない!
〔流し終ったらさっさと離れろ!発情でもしたかっ!コジリンッ!〕
魔女回路も不機嫌である。
……勇者さま、生ちゅーですよ……
……なに?見るの初めて?
……はい……私も経験してみたいです……
そう言ってマシンダガン・ユウバを見るレイトル。
さて当の二人はそれどこれではない。
お互い嘔吐寸前である!
顔色は青ざめ、次に青白くなり、真っ白になった。
そして段々と黄緑色になって行くコジリン。
目で合図する雷蛇。
雷蛇の目が左を向きコジリンの眼が右を向く。
(コ、コジねぇにゲロブレスはダメだ!僕は左に走るぅ!)
頷くコジリン。
(電くん、に……ぶちまける!?ダメよダメ……そんなの耐えられないっ!)
((もう溢れそう!))
器用に頷き合う二人、唇は繋がったままだ。
そして二人は息ぴったりに、左右に向って全力疾走した!
オロロロロロロロロロロッ!
モザイクです。
お食事中の方、すみません。
噴水状態の二人。
コジリンは胃の中のモノ全てをリバースした。
それでも止まらず、胃液も大量の水分もリバース。
雷蛇は黒い粒を吐き出した。
どうやら小さな黒いキノコのようである。
左右に遠く離れた二人。
お互いの目が合う。
(……そんなぁ、電くんとの最初のキスがゲロ味なんて……しくしく……ごめんね、ごめんね、電くん……)
泣きだすコジリン。
(コジねぇと……キス?……忘れられないキスだよ、これ!そんなぁ最初のキスがゲロ味なんて……せっかく助けてくれたのに……コジねぇに申し訳ないよう……)
悲しくなる雷蛇。
「勇者さま、キスとは?」
「いや、これはどう見ても羽湯が原因だろう」
今回はここまでです。
次回投稿は未定です。




