第89話 それは銀の二等変三角
おはようございます。
投稿です。
〔……ワシが出るか?ワシならば閉所恐怖症ではないし行けるか?〕
魔女回路はダンジョンをスキャンしていた。
地下は3階から人工物だ。
年代は不明だが、かなり古いようだ。
いくつもの大小様々な石が組まれ、迷路のようになっている。
〔虫どもは、この遺跡を巣として利用しているのだな、おい、ベビィ……雷帝、聞こえるか?〕
(ああ、聞こえるけど)
〔どのくらい保つ?〕
(どのくらいとは?)
〔氷漬けの本体、お前の命じゃ〕
(二日かな?思ったより菌の育ちが速い)
〔はぁ!?たった二日か!?〕
(ああ、頑張って三日?)
〔氷漬けだから半年は持つかと思ったが、そんなに速いのか!〕
(ああ、まるでこの世界が、俺を排除しようとしているみたいだな、獣人族の血もドラゴンの血もまるで役に立たん、なんだこのキノコは!)
〔世界の防衛システムか?〕
(魔女母ちゃん、母ちゃんならあのダンジョン、クリアできるんじゃね?)
〔……〕
(どしたん?)
ここで、魔女回路がひた隠しにしていた事実が曝される。
そう、最初から魔女回路が、マシンダガン・ユウバの人格をデリートすればこの異界で自由に動けたのだ。
調査、記録などと言っているが、この魔女回路、実は魔法専門で、それも書記タイプ。
記録、調査がメインの魔法使いなのだ。
はい、陰謀、謀は得意なのですが、バトルは至って普通、相手によっては力を発揮できず、格下にも負けます。
バトルセンスが普通なのだ。
同じボディでも、バトルモード・ユウバほどこのボディを使えないのだ。
その点、マシンダガン・ユウバは格上相手にも勝利できるバトルセンスの持ち主。
そのバトルセンスは、雷神王も認めている。
ただし重度の閉所恐怖症。
〔ダメだ、ワシではこいつらより悪い結果になる〕
素直に自己評価する魔女回路。
(なんで?)
〔……バトルが苦手なのじゃ〕
(はい?え?でも今まで結構いい判断してきたじゃん!)
〔それは客観視しての判断じゃ、自ら戦うとなると、また違う〕
(んじゃさ、俺が指導する、どう?)
〔今からか修行か?間に合うのか?〕
(……とても間に合わねーな)
現状は悲惨であった。
魔女回路と雷帝の会話中、ユウバとコジリンは逃げ回っていたのだ。
再びアタックするも、前回と同じ結果、巣山を吹飛ばし走り回って逃げる。
この繰り返しなのだ。
「……ご、ご主人さま……はぁ、はぁ、わ、私もうダメです、これ以上無理です……ぜぇぜぇ」
何故かコジリンに向って逃げてくるマシンダガン・ユウバ。
バトルモード・ユウバは全装甲を解放し、放熱中である。
高速移動出来るのだが、パニックを起こし移動選択が何故か蛇行になる。
そして段々と明るくなってくる周囲。
夜明けである。
〔日中アタックするか?いや、結果は同じだ、ダンジョン内に光は差し込まぬ、虫の生態を調べるか?いや、それでは間に合わぬ〕
(魔女母ちゃん、ドワーフに応援頼む?)
〔ドワーフの応援で、攻略出来るか?〕
(……だね、俺ピンチじゃん!……ん?魔女母ちゃん、なんか変な音、しないか?)
〔音?〕
……イイイイイイイイイイイッ……
(東の方から、空気が、大気が振動していないか?)
……キイイイイイイイイイイッ……
段々と大きくなってくる音。
《バ、バ、バトルッ!》
「ご、ご主人さま!?何か来ますっ!いやああん耳鳴りがっ!」
「なんだ!?この音!?コジリン、来いっ!結界を張る!耳を押さえろ!」
……ギギイイイイイイイイッン……
「この音……この音、どこかで?ノーマルッ!」
《この駆動音ッ!何でこの駆動音がこの世界にっ!》
日の出とともに現われたのは、銀色に輝く二等辺三角形。
大空を斬り裂くように飛んでくる。
「ノーマルあれは……極秘資料で見たことがあるぞ!」
〔なんであの機体がここに!?〕
《あれはっ!スノーホワイト国の決戦兵器と言われている……!》
銀の二等辺三角形は大きく弧を描き、氷漬けの雷蛇の前に降り立った。
ドゴオオオオオオオオオオンッ!
容赦無く吹飛ぶ大地!
粉塵の中で、銀の二等辺三角形は異形の人型に変形する。
「よう!雷帝くん!助けに来たぜ!」
フル装備の戦闘用医療ポッドと勇者が四月世界に降臨した。
今回はここまでです。
次回投稿は未定です。
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