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赤い目の少年冒険譚 (2025.05)  作者: MAYAKO
第二章 五月世界

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第79話 それは面倒くさいか、可愛いか?     

おはようございます。

投稿です。

ちょっと遅れました。


「従者コジリン?どうした?」


 コジリンは座り込み、うっ、うっ、と泣いている。

 嗚咽で肩が揺れ、ユウバが近づくと激しく否定した。


「こ、こ、こ、ここないでくださっ!うっ」


《あ、お漏らしか》


「戦いでは稀におきる、村長に小川か水場に……」


 そこに駆けつける雷蛇。

 戦いの疲れなど、微塵もない。


「コジねぇ!?」


「ベビィ、止まれ!ここまでだ!」


「え?かあちゃん?でもコジねぇが!」


 ここでピンとくる雷蛇。


 獣人族の血が雷蛇の足を止める、そう獣人族は鼻がいいのだ。

 とんでもない嗅覚の持ち主。更に雷帝、雷蛇の本体は猫だ。

 呪われている、と言われているが、その嗅覚は軽く人族を超える。

 一の賢者や雷神王も同じく獣人族の血を引いているが、雷蛇ほどではない。


 嬉しいとき、悲しいとき、怒っているとき、感情で人は体臭が変わる。

 そう、口臭も変わる。

 会話中、雷帝はその臭いを判断出来るのだが、あえて沈黙している。

 それは、絶対に社外秘、表に出してはいけないとゴンザに言われているからだ。


 ……嫌われて、避けられますぞ!……

 ……そうなの?……

 ……この能力は決して口に出してはいけません、いいですな!……


 獣人族にとって、体臭はとても大事で健康状態、緊張状態、記憶、感情、敵味方の区別、行動全てに関わってくるのだ。

 雷帝や獣人族にとっては、この状態が日常なので気にしないが、周りは違う。


 身近な例は猫や犬であろうか、彼らはふんふん、と鼻を近づけて匂いで判断する。

 こいつはなんだ?安全か?と。


 だから基本、どんなポーカーフェイスでも雷帝の前では通用しない。

 発汗する生物は、全て判定する。


 目の前のコジリンは、戸惑いと悲しさ、そして怒りの匂いだった。


(カミナリ、突然使ったから、俺に対する怒りかな?お漏らしするとは思わなかった)


 雷帝が珍しく反省する。


(カミナリ、苦手な人多いよ、お漏らしはスルーしよう、誰だって触れられたくないよ!)


(案外、俺、嫌われ者かもなぁ)


 ……コジリン殿を助けるのが先ですぞ!パーフェクトではありませんな!……


「従者コジリン、気にするな……といっても無理か?四月世界でもよくあったことだ、大丈夫だ」


 ……恥ずかしいです……

 それはとても小さな声。


「コジねぇ?」


「……うっ……うっ……」


 顔色は悪く、小刻みに震えるコジリン。


「ベビィ、カブトムシ村長に身を整える場所を聞いてきておくれ」


「分かった!」


「い、行かないで!……うっ……」


「え?」


「ご、ご主人さま……うっ……雷くんが……いいです……」


 おいおい、普通、ベビィの方を気にしないか?と、考える魔女回路。


〔従者、めんどい〕


 ノーマルモード・ユウバも考える。


《え?私に対して恥ずかしいってことぉ!?ベビィはいいってどういうこと!?》


〔こやつ、ベビィに世話をさせるつもりか?ここいらの判断がこじらせの原因か?〕


 そこにブウン、と羽音が響く。


「小川の横に温泉がありまする、そこを使いなされ!」


 雷蛇はさっ、とコジリンの手を掴み「歩ける?」と優しく問い掛ける。


「……あ」


 振りほどこうとした手は、力無く握り返された。


 今回はここまでです。

次回サブタイトルは 第80話 異変 の予定です。

投稿は未定です。

毎回ご愛読ありがとうございます。


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