第74話 昆虫族の生態
おはようございます。
投稿です。
〔すれ違う昆虫族が、手に弓や槍を持っていたのはそのためか……しかし、これは?〕
魔女回路はすれ違う昆虫族の年齢が気になった。
「若い者達はバトルには積極的ですが、狩りには消極的でしてな」
「狩りは生活の一部であろう?バトルよりも狩りではないのか」
《どうかしらぁ?バトルだって、女神のため、生活向上には欠かせないわぁ》
「バトルでは落命しませんが、狩りは怪我をしたり、最悪落命します」
〔まぁ狩りは危険だ、相手によってはそうであろう、ワシらの四月世界でもそうじゃ〕
「だからといって、見回りは高齢の昆虫族ばかりではないか!」
「おや、お気づきでしたか、しかしそれは我々の生態に準じたものです」
〔ほう、聞きたいのう?〕
《え?虫の生態ぃ?ちょっとパスかもぉ》
「聞いてもいいか?」
「はい、我々の寿命は長くて5年、短い者は1年もない」
「《〔!〕》」
コジリンとのお話し?を中断し、駆け寄る雷蛇。
「え?カブトムシ村長!?どういうこと!?」
「デンくん私より長老を選んだ!ひどいっ!」
「従者コジリン、そこは言葉に出すな、呑み込んでおけ」
《ここらがこじらせの由来かも》
「先に戦った大きなカマキリがいたであろう?」
「うん」
「あの者達は今年の冬、大地に還る」
「え?」
「あの大きなカマキリ達、冬は越せない。まぁワシも5年目じゃ、脱皮も始まらんし、今年の冬は越せないであろうなぁ」
「死んじゃうの!?」
「そうだ」
「そ、そんなぁ!」
「何を嘆く?あのカマキリ、冬までの時間は、お前達の100年か80年に相当する。ワシも同じじゃ、ワシの5年間はお前達の80年くらいであろうなぁ、時間の捉え方が違う、流れがワシとお前とでは違うのじゃ」
「どうにかならないの?」
悲しそうな顔でカブトムシ村長に尋ねる雷蛇。
「こればかりはなぁ、死は避けられんよ、時間こそ短く感じるかもしれんが、お前達と同じじゃ」
種が違う、それだけで生き方が違う。
そうは言っても、簡単に納得できる話しではない。
同じ?雷蛇は自分と比べてみた。
(比べても、同じなのだろうか?いや、沢山経験して、いろんなことを知りたい!)
自分は呪いで、多くの命を持っている。膨大な時間がこの肉体に埋まっているのだ。
加えて獣人族の血が強く出ている、竜の血も混じっている、物理的に死は遠くにあった。
いや、遠くに感じた。
(カブトムシ村長と同じかな?俺はある意味、エルダーエルフ級に長寿だ、それこそ呪いか?祝福か?これは祝福ではないのか?)
雷蛇はカブトムシ村長から、命の時間について学び始めた。
(コジねぇは小さいとき、酷い目に遭った。その傷は呪符で抑えられているけど死は隣にいた。いや、今でも隣にいる!出来るなら、死は遠方にいてほしい)
(雷蛇、戦いに負け続ければ、俺だっていつかは死んでしまうぜ。それに俺は生れてすぐに異界に捨てられた、あの時点で本来は死んでいたんだ)
(そうなの?雷帝くん?)
(ゴンザが言ってた、こいつに勝ったヤツはいないって)
(不敗?)
(老いと死に勝てたヤツはいないんだとさ、戦い続けるしかないって言っていた)
マシンダガン・ユウバは別の視線で見ていた。
老体を戦いに向わせる?
「ならばこれは、年寄りを粗末にしているのか?周囲警戒は皆ご老体ばかりではないか!」
「ははっ、違う違う、これはワシらでないと務まらないのじゃ」
《務まらない?どういうことぉ?》
「若い者は外骨格が出来ていないのじゃ、柔らかく、強度が足りん、脱皮の回数が少ないんじゃ」
「外骨格?脱皮!?」
「脱皮すれば外骨格の強度が増す、ワシら5年生の外骨格は魔力を吸い続け、強度がかなり高い。それに比べ1年や2年生は柔らかく弱いのだ、狩りではすぐに命を落としてしまう。狩りはワシら年長者の仕事だ」
《バトルゥ、北から何か来る!結構デカイ影が3!》
すっ、と背を伸ばし、北方を見る雷蛇。
「……かあちゃん、影が3つ……デカイ!」
「ご主人さま!見えました!」
巨大な蜘蛛のような生き物。
草花を踏み荒らし、猛然と向っている!
どう見ても好意的には見えない。
「村長、こいつらが魔物か?」
「お客人、避難されよ!」
一斉に背中の羽を広げる昆虫族!
前羽が展開し、後羽が震え出す!
今回はここまでです。
次回投稿は未定です。




