第72話 居酒屋四天王3
おはようございます。
投稿です。
がしっ、とイッカイのバカでかい腕を両手で掴むニャオ先生。
「さ、さ!イッ、イッカイさん!席に戻りましょう!」
小さいなニャオ先生、掴むというより、ぶら下がる感じである。
(ううっ、男の人、怖いようっ……なんて大きな腕!?)
ニャオ先生、腕は諦め、イッカイの指を握り直す。
すかさず駆け寄る村長ピノとゴンザ。
「一の賢者さま、続きを!」
「イッカイさん、呑もう!サダちゃん!酒!」
サダちゃんはイッカイさんお気に入りの店員さんである。
「イッカイさん、こっちこっち!」
身長180センチのサダちゃんが、大きな胸を揺らしながら手を振る!
しかたねぇなぁ、という感じで席に戻っていくイッカイ。
……イッカイさん、やべぇよ、相手が相手だし……
……あんたが暴れたら、誰も止められねぇぜ?まぁこれ食えよ……
……よう、サダちゃんが胸押しつけたら、止まるんじゃね?……
その風景を、眼を細めて見ている一の賢者。
(あやつ、どこへ行っても人気者だな、どこがいいのか……ゴンさんに村長のピノ、希少種ニャオ、流れ者イッカイか、ふふっこの4人、この街の要か)
ピッ、と電子音が小さく鳴る。
それと同時に動き出すモニター内の人物達。
「これは異界に渡った雷帝の記録だ、いまだかの者は帰ってこぬ」
画面には女神の姿、異界の住人達が映し出される。
……オーク?……
……オレ達の世界のオークより小さいな……
……これは本物か?……
「雷帝が五月世界に渡ったのは、母親の呪いを解く者が五月世界にしかかいないためだ、これから定期的にこの異界の記録をこの場にて流す」
……!?……
……お、おいっ!見ろ!
……なんだあれは!?……
「ふ、副長!?」
……カード……
……カードになったぞ!……
騒然となる周囲!
(なんだこの記録は!?ほ、本国に!)
(この情報、必ず持ち帰らねば!)
カードバトルの記録に釘付けになる若葉街の住人達+間者。
一番食い付いたのがちびっ子達であった。
……行ってみたい!……
……俺もカードになって戦ってみたい……
……んじゃ、おりがコマンダー!……
キラキラする目で記録を見つめる子供達。
……いや、そこは弓じゃないだろ?弓は後だ……
……反撃、カウンターがあれば有利では……
……どのタイミングで発動するのだ?……
大人達も記録から眼が離せない。
そして登場、コジリン。
……な、なにあのお姉ちゃん!?……
……ガンバレ!お姉ちゃん!……
画面の中のコジリンが泣き出すと、なんと子供達まで泣き出した。
ダイジェスト版なのだが、雷蛇一行のストーリーが分かるように編集してある。
……ユウバさま格好いい!……
……俺、あの虫、キライ!……
……ひどい、あの虫達……
手応えを十分に感じた一の賢者。
(まぁ、成功かの、情報が行き渡った時点で販売するか、ひひっ)
「さて、今回はここまでじゃ、今夜はこれを閉店まで繰り返し流す、大いに呑んで騒いでくれ!」
売り上げが爆伸びで嬉しそうな店主。
最初は迷惑そうな感じだったが、そこは一の賢者、スルーである。
(売り上げが伸びればまぁ、嬉しいよな)
ここで興奮した子供達が一の賢者の元に駆け寄った。
止めようとするマシンダガン・トッチを眼で制する。
「どうした?」
「あのね、コジリンお姉ちゃんに頑張って欲しいの」
「おお、そうか」
「雷蛇くんって、雷帝さまなの?」
「さぁ、どうであろうか?自分で見極めるがよい」
「雷蛇くんどこに行くの?」
「え?ちゃんと見ろよ、雷蛇は北を目指すって、言ってたじゃん!」
「そうなの?」
「ねぇ一の賢者さま、次のお話しはいつなの?」
トッチをチラ見する一の賢者。
そう、編集はマシンダガン・トッチの体内工場と女神の鏡を使って行なわれている。
瞬きを3回するトッチ。
「三日後じゃ」
「分かった!さんにちだね!」
「……このお話し、次も見れるの!?」
しきりに聞いてくる子供達。
その後ろで聞き耳を高層ビルのように立てている大人達+間者。
「ああ、見れるぞ」
「活躍コジリン?」
「?」
ここで固まる一の賢者。
このちびっ子達は何を言っているのだ?
「ええ?おれ『進めユウバさま』がいい」
「違うよ、主人公は雷蛇くんだよ、『がんばれ雷蛇くん』にしよう!」
「お話しの……タイトルか?」
ああ、絵本の感覚か?
「そう!」
「そうだよ!」
「このお話しは……そう、『赤い眼の少年冒険譚』じゃ!」
今回はここまでです。
次回投稿は未定です。
毎回ご愛読ありがとうございます。




