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赤い目の少年冒険譚 (2025.05)  作者: MAYAKO
第二章 五月世界

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第64話 その頃、4月世界では…     

こんにちは。

今回はこの時間になりました。


「ふ、婦女子の飲みかけをっ!な、何たる破廉恥!パーフェクトではありませんな!」


 いつになく叫んでいるのは、ご存じ炎帝ことゴンザである。

 ここは4月世界、場所は若葉町、一の賢者の研究室。


「あの魔女、呪符の起源を5月世界の女神と見たようだが、ケンさん、どうお思いか?」


 ゴンザは女神グネが残した鏡を凝視しながら、一の賢者に質問をする。

 鏡には、雷帝とその周囲が映し出されていた。


「ワシは2月世界が起源と聞いたが、ゴンさん、これは問題じゃなぁ」


「そうですな、この呪符、各月世界に広まっているのでは?鍵は金剛とかいう女神」


 一の賢者は何やら巨大なモニターを製作中である。

 この二人、時が経つにつれ、あだ名で呼び合うようになっていた。


「若とユウバ殿には、どうしても女神3神の元へ行ってもらわねばなりませんなぁ」


「呪符の解析も進んだが、決め手がのう……」


「やはり女神の祝福か?5月世界から全月世界に向けて赤子を祝福している者がいそうだが……」


 レッド・ブーツ帝国の国民を支配する呪符。

 この呪符は血と骨と精神を支配する強力な呪符。

 だがこの呪符、遺伝しないのだ。

 呪われた血液は母親のへその緒を通ると、何故か浄化され、子供は呪符の影響を受けない。

 一の賢者と炎帝は、女神級の祝福が発生しているのではないか、と考えているのだ。


「さて、理論上ではこれに映るはずだが……繋いでくれ」


「繋ぐっすよ!」


 助手であろうか、小柄なゴーレムが手元の機械を操作する。

 鏡にツタのような物が巻き付き、周囲の機械が光り出す。


 ブウウウンッ!


 機械音が研究室に響き始める。


「モニター、ちゃんと映ってっすっか?」


「ああ、映っているぞ元四天王」


「……賢者さん、その元四天王はやめてくれないっすかねぇ」


「なんぞ言ったか?元四天王?」


「……いえ」


 黙り込む元四天王のリーダー。

 そう、この助手は元四天王のリーダーである。

 雷神王の一撃で死亡するはずだったが、辛うじて生きていたのだ。


 一の賢者の研究室は、電子機器で埋め尽くされていた。

 これらは、パンクザスチーム共和国から頂戴してきた機材と技術だ。

 ちなみにパンクザスチーム共和国はもうない。

 滅んでいる。

 炎帝と雷神王に滅ぼされたのだ。

 いや、この二人の戦いに巻き込まれたと言った方がいいのか。


 雷帝が5月世界に旅立った日、パンクザスチーム共和国の本格的侵略が始まった。

 雷帝の不在を好機と見たのだ。

 スノーホワイト国に雪崩れ込むマシンダガンの群れ。

 これを薙払ったのは炎帝である。


「若が不在で好機と見たか?愚かな、留守番人を甘く見てもらっては困る。若不在の今、手加減無しでお相手しようぞ」


 そう、炎帝は若の手前、手加減していたのだ。


「スノーホワイト国の城には何の魅力も感じないが、若の故郷、若のご母堂が休む国、若葉街の住人達、蹂躙させるわけにはいかぬ!覚悟なされよ!」


 単騎で、数十万のマシンダガンの群れに突っ込む炎帝!

 こうなると、もはや炎帝は自然災害と変わらない。

 人にはどうしようもないのだ。

 いくら魔科学が発達した国とはいえ、惑星規模の災害は止めようがない。

 数時間でパンクザスチーム共和国の最新兵器は動かなくなぅった。


 更に国境で待機しているパンクザスチーム共和国の軍隊。

 そこに炎帝より早く突撃した者がいた。

 雷神王である。


「炎帝!これは我が国の戦だ!でしゃばるな!控えとけ!」


「ふはははははっ!他国からの数々の侵入に後手の数々、パーフェクトではありませんなぁ?」


「んだと!ごらぁ!」


「若のために振るうこの太刀、止まらぬ!止めてみるか?愚な王よ!」


「メシ持ってきた、酒もある!これでも食っておけ!」


 お酒と聞いて、あっさり止まるゴンザの太刀。

 荒れた大地に積まれた食料。

 横に並ぶのは皇帝騎士団のメンバー12名。


「冷めないうちにどうぞ」


「お主らは戦わぬのか?」


「我らは邪魔でしかありませぬ、陛下の討ち漏らした者を倒すのが仕事です」


 今回はここまでです。

次回サブタイトルは 第65話 パンクザスチーム共和国、滅亡 の予定です。

毎回ご愛読ありがとうございます。

投稿は朝の定時を目指していますが、遅れるかも知れません。

毎回ご愛読ありがとうございます。

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