第50話 切り札
おはようございます。
投稿です。
……そう、私は……ご主人さまの……騎士……
フェイスガードの奥の目に、光りが宿る。
その時、カランと軽い音を立て、腕から針が抜け落ちた。
……解毒?……毒が?……
(うん、かあちゃんが解毒しろって!)
……ご主人さまが?……
ヨロヨロと立ち上がるC重騎士。
周囲は電くんの魔力が包み、漂っている。
……電くんの魔力……私の……可愛い弟……
(コジねぇ、止まったらそこまでだ!その先にはいけない!バトルはまだ続いているんだから!)
そう、まだ終りじゃないのだ!
このまま終ってたまるか!
「そ、そうよ、まだ……バトルは……終っていない……泣いてなんかいられない!」
魔槍が雷蛇の魔力に共鳴し始める。
魔力が満ち、バチバチと余剰エネルギーが放出される!
「こんなの私じゃない!今の私は!マシンダガン・ユウバさまの盾であり剣!」
(そうだよ!コジねぇ!)
「泣く前にすることがあるっ!」
(おお、コジねぇ復活っ!)
「……そして勝っ!……負けても……あああんっ!ご褒美がぁあるっのおおおっ!」
《……え?そこぉ?》
カードが震え始め、ド派手なエフェクトが!
ゴオオオオオオオオオオッ!
炎のような魔力が吹き上がる!
*C重騎士、聖女の祝福により、C+重騎士へ進化*
……なっ!?……
……フィールドで進化だと……
……卑怯な!……
「ど」
一言呟くC+重騎士。
「ど?な、なにコジねぇ!?」
「どんなぁご褒美かしらあああっ!あああああああんっ!」
*C+重騎士、コマンダーユウバへの恋慕によりR重騎士へ進化*
絶句するインセクトサイド。
それはゴーレムサイドも同じようであり。
「……か、かあちゃん?」
「……なんだい?ベビィ?」
味方であるゴーレムサイドも、かなり引いている感じだ。
「あの、さ、レンボってなに?」
「……それは」
「あ、聞いちゃいけない大人の言葉?」
《ど、どこで覚えたのよぉ!そんなセリフ!》
「……大好きということだ……それも……とても、な(おそらく一方的に)」
そんな二人の会話を余所に、周囲はザワつき始め、怒声が飛び交い始める!
……不正だ!……
……あり得ない!今すぐ中止だ!……
……R判定!?ありえん!……
そう、こじらせコジリンがRカード進化など許せないのだ!
まぁある意味、昆虫族サイドにとってはコジリン、このバトルをこじらせている。
ここでインセクトサイドが動いた。
「レイドだ!レイドカードを使え!」
そう叫ぶあの、大きめの昆虫族。
〔やはり、こいつがリーダーか?〕
《レイドカードぉ?》
「し、しかしそれはあまりにも……」
戸惑うコマンダーマイツ。
……おいおい、レイドカードだと……
……それは……
周囲が静まり始め、イヤな沈黙が広がる。
「躊躇うな!勝利こそ正義だぞ!負けたらそこまでだ!勝つために全てを利用しろ!情無用だぁ!」
「……し、しかし……」
「何枚用意している?」
「……剣士と弓を各50名、2枚ですが」
「使え!」
「し、しかし、ここにいる者は訓練が……」
「かまわん!ドワーフ村、女神チャウさまの眷属に負けるわけにはいかんっ!それにあの異界の者共は、北の村、女神グネさまの眷属だぞ!」
「!」
「負けるなど、あってはならん!我らの草原の花、女神シュウさまに勝利を捧げるのだ!」
「!……分かりました……」
コマンダーマイツは、ゆっくりと振り向き、大勢の昆虫族を眺める。
「草原の花、女神シュウさまに勝利を!」
……勝利を!……勝利を!……勝利を……
大勢の群衆が一斉にカード化し始める!
そしてコマンダーであるマイツの指先には、異様な魔力の2枚のカード。
カード化した群衆は次々にその2枚のカードに吸い込まれていく。
〔なんじゃ、あの呪符は!?〕
《バトルゥ、やばくね?》
「……大規模戦闘……集団戦用の……カードだと?」
その光るカードの乱舞は異様に美しかった。
次回サブタイトルは 第51話 レイドカード の予定です
毎回ご愛読ありがとうございます。
誤字脱字、変換ミス多いんですよねぇ、私。
注意はしているのですが、ご勘弁の程を。
毎回ご愛読ありがとうございます。




