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赤い目の少年冒険譚  作者: MAYAKO
第二章 五月世界

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第40話 祠にて     

おはようございます。

投稿です。


「見知らぬ異世界で、お世話になりました」


 一言告げるノーマルモード・ユウバ。


*旅人をもてなすは、この世界のしきたり、いや、何処の世界でも同じか?*


 そう言って、白黒ネコを見る女神チャウ。

このユウバ一行が来るのを、楽しみに待っていたようである。


*全月世界、安心して旅が出来れば、どんなに素晴らしいことか*


 女神シュウも白黒ネコを見る。

 どうやら目が離せないようだ。


 ごろごろ。

 シャカカカカカッ!

 耳の後ろを忙しくカリカリする白黒ネコ。


*ユン達は、殺伐とした世界はキライですの*


 その言葉に魔女回路が反応する。


〔さて、本音か?カード化で支配しているが、この世界、どうするつもりだ?私の声は聞こえているはず……〕


*異界のゴーレム、マシンダガン・ユウバ、どう思う、この世界?*


 女神チャウが問う。


「良い世界だと思います」


 マシンダガン・ユウバはそう答えた。


*ふふっ*

*そうか?*

*そうですの?*


 魔女回路はおもった。

 女神を名乗っているが、やはり私と同じ魔女だな。


*よく見て、聞いて、旅して、その後でまた同じ質問がしたいですの*


 感心して聞いているコジリン。

 マシンダガン・ユウバもそうである。


 良い世界では?と本気で思い始めているのだ。


 この女神の世界構造を四月世界に持ち込めないか?とか考えている。

 呪縛で各国が民を支配し、ここに比べれば地獄のような世界。

 少なくとも、コジリンは健康で、元気の塊に見える。

 国家による人体改造なんて、この世界では有り得ないであろう。


 カード化はしているが、元の肉体を失ったわけではない。


 そう、ユウバは元の肉体が恋しくなったのだ。

 ベビィを抱く腕は金属で冷たい。

 センサーでベビィの温もりは伝わるが、柔らかい自分の手で、ベビィや世界に触りたい、と思い始めたのだ。

 しかし、同じ質問でも、魔女回路に伝わる言葉は真逆である。

 コジリンやユウバとは受取り方がまったく違う。

 挑戦、挑発と聞こえる。


〔見た目は良く感じるが、支配は支配だ。この世界しっかりと見せて頂こうか。お前達女神が支配しているこの世界をな……フフッ〕


 女神シュウが尋ねる。


*ユウバよ、この世界、悪くないと思わぬか?*


「そうですね、この素晴らしき世界に……感謝を」


〔ああ、うまく支配している〕


(かあちゃん、オレも挨拶した方がいいかな?)


〔竜の血も入っているし、控えた方がいいか?いや、相手は女神だ、気づいておろう……さてどうしたものか〕


 魔女回路が考えるよりも早く、バトルモード・ユウバが答えを出した。


《そうしなさい、ごはん、美味しかったでしょう?》


「ナァー」


 白黒ネコから溢れ出す魔力!


*!?*


「えっ!?」


 驚く女神達とコジリン!


*獣人族と思っていたが!?この魔力はなんだ!?*


*異質ですの!*


*これは……呪いか!?それも……!?*


*先の聖女の力といい、このヌッコは!?*


「ネ、ネコさんが!お、男の子にっ!?」


 そこに現われる白い衣を纏った少年。

 仮面に覆われた赤い眼。


「オ……僕はマシンダガン・ユウバの子、雷蛇。暖かい毛布と美味しいご飯、ありがとうございました」


〔……ん?〕←魔女回路。

《おや?》←バトルモード。

「え?でかくね?」←ノーマル。


《身長が伸びている!なんか立派に見えるぞ!》


 我が子の成長に感動するバトルモード・ユウバ。

 泣きそうである。


「……そうねぇ……じーっ……」


《……ど、どこを見て言っている?》


「いやぁねぇ、身長に決まっているでしょう!……ん?ベビィ?どうしたの?」


「いや、あと一人の女神さまは?」


***?***


「ベビィ、あの場にいた女神さまはぁ、このお三方だけよぉ?」


「違うよ、もう一人いたよ、名前の長い女神さま」


***!!!!!!!!!!!!!!!***


***誰!?**ですの!?*


今回はここまでです。

次回をお楽しみに!

次回サブタイトルは 第41話 フロランタン の予定です。

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