第40話 祠にて
おはようございます。
投稿です。
「見知らぬ異世界で、お世話になりました」
一言告げるノーマルモード・ユウバ。
*旅人をもてなすは、この世界のしきたり、いや、何処の世界でも同じか?*
そう言って、白黒ネコを見る女神チャウ。
このユウバ一行が来るのを、楽しみに待っていたようである。
*全月世界、安心して旅が出来れば、どんなに素晴らしいことか*
女神シュウも白黒ネコを見る。
どうやら目が離せないようだ。
ごろごろ。
シャカカカカカッ!
耳の後ろを忙しくカリカリする白黒ネコ。
*ユン達は、殺伐とした世界はキライですの*
その言葉に魔女回路が反応する。
〔さて、本音か?カード化で支配しているが、この世界、どうするつもりだ?私の声は聞こえているはず……〕
*異界のゴーレム、マシンダガン・ユウバ、どう思う、この世界?*
女神チャウが問う。
「良い世界だと思います」
マシンダガン・ユウバはそう答えた。
*ふふっ*
*そうか?*
*そうですの?*
魔女回路はおもった。
女神を名乗っているが、やはり私と同じ魔女だな。
*よく見て、聞いて、旅して、その後でまた同じ質問がしたいですの*
感心して聞いているコジリン。
マシンダガン・ユウバもそうである。
良い世界では?と本気で思い始めているのだ。
この女神の世界構造を四月世界に持ち込めないか?とか考えている。
呪縛で各国が民を支配し、ここに比べれば地獄のような世界。
少なくとも、コジリンは健康で、元気の塊に見える。
国家による人体改造なんて、この世界では有り得ないであろう。
カード化はしているが、元の肉体を失ったわけではない。
そう、ユウバは元の肉体が恋しくなったのだ。
ベビィを抱く腕は金属で冷たい。
センサーでベビィの温もりは伝わるが、柔らかい自分の手で、ベビィや世界に触りたい、と思い始めたのだ。
しかし、同じ質問でも、魔女回路に伝わる言葉は真逆である。
コジリンやユウバとは受取り方がまったく違う。
挑戦、挑発と聞こえる。
〔見た目は良く感じるが、支配は支配だ。この世界しっかりと見せて頂こうか。お前達女神が支配しているこの世界をな……フフッ〕
女神シュウが尋ねる。
*ユウバよ、この世界、悪くないと思わぬか?*
「そうですね、この素晴らしき世界に……感謝を」
〔ああ、うまく支配している〕
(かあちゃん、オレも挨拶した方がいいかな?)
〔竜の血も入っているし、控えた方がいいか?いや、相手は女神だ、気づいておろう……さてどうしたものか〕
魔女回路が考えるよりも早く、バトルモード・ユウバが答えを出した。
《そうしなさい、ごはん、美味しかったでしょう?》
「ナァー」
白黒ネコから溢れ出す魔力!
*!?*
「えっ!?」
驚く女神達とコジリン!
*獣人族と思っていたが!?この魔力はなんだ!?*
*異質ですの!*
*これは……呪いか!?それも……!?*
*先の聖女の力といい、このヌッコは!?*
「ネ、ネコさんが!お、男の子にっ!?」
そこに現われる白い衣を纏った少年。
仮面に覆われた赤い眼。
「オ……僕はマシンダガン・ユウバの子、雷蛇。暖かい毛布と美味しいご飯、ありがとうございました」
〔……ん?〕←魔女回路。
《おや?》←バトルモード。
「え?でかくね?」←ノーマル。
《身長が伸びている!なんか立派に見えるぞ!》
我が子の成長に感動するバトルモード・ユウバ。
泣きそうである。
「……そうねぇ……じーっ……」
《……ど、どこを見て言っている?》
「いやぁねぇ、身長に決まっているでしょう!……ん?ベビィ?どうしたの?」
「いや、あと一人の女神さまは?」
***?***
「ベビィ、あの場にいた女神さまはぁ、このお三方だけよぉ?」
「違うよ、もう一人いたよ、名前の長い女神さま」
***!!!!!!!!!!!!!!!***
***誰!?**ですの!?*
今回はここまでです。
次回をお楽しみに!
次回サブタイトルは 第41話 フロランタン の予定です。




