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赤い目の少年冒険譚 (2025.05)  作者: MAYAKO
第二章 五月世界

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第29話 支配     

おはようございます。

投稿です。

新しい月です。


 村長が描いた勝利図はこうである。


 その1。

 まずは、SR槍のゴーレムのスキルは何も発動しない、HP1のC重騎士を撃破、勝利。


 勝利図2は、SR槍のゴーレムのスキル、『かばう』は発動、HP1のSR槍のゴーレムを撃破、チェンでHP1のC重騎士を撃破、勝利。


 勝利図3は、SR槍のゴーレムのスキル、『かばう』、『パリィ』発動、リリーアキビンサイドのターンになり、ここでSR槍のゴーレムは全体攻撃が出来ない、こいつは強すぎるのだ!全体攻撃すればまたHP1からのバトルであろう、そうなった場合、SR槍のゴーレムにペナルティがつく!


 だからC紙のゴーレムかCアックスの戦士のどちらかを狙うはず。


 どちらを狙っても、C紙のゴーレムのHPはMAXだ、一撃では倒せない。

 そしてCアックスの戦士のターン、再びC重騎士を狙う。


 二回連続で、『かばう』、『パリィ』は発動するか?


 ここが勝負であろう。


 SR槍のゴーレムのスキル『パリィ』さえ発動しなければ、スキル『かばう』でHP1が削られ、チェンが発動、次に無防備なC重騎士を撃破、これが村長の描いた勝利である。


「こっちはSR、それにレベルもターンで上がっている!あいつはCでレベル1だ!スキル発動の確立だって上がっているはず!」


《……相変わらず未表示よぅ!》


「チッ!」


 C紙のゴーレムが軽やかに動き出す!


「くっ、何だあの動きは!」


 その動きを見て、雷蛇は行動開始した。

 ああ、かあちゃんは負ける。

 確信である。

 ただ、カッコよく負けてほしいと思った。


 本当はゲスト枠に入って、応援したいのだが、あのイヤな男と楽しそうにバトルしているのが気に入らなかった。

 モゾモゾと動き、下に降りたい、と女神チャウにアピールする白黒ネコ。


「おや、行くのかい?」


 そう言って、あっさりと白黒ネコを降ろす。

 颯爽と立ち去る白黒ネコ。

 その姿を暖かい目で見送る女神チャウ。


「お、おい!?チャウ!?ネッコが!ネッコが逃げてるぞ!」


「ああああっ!?ユンのヌッコちゃんがっ!」


「ネコよ、ネコは束縛を嫌うの、私達みたいにね」


「「!」」


「自由にさせないと、嫌われるわよ」


 バトルに熱中しているドワーフ達に紛れるネコ。

 もうその姿は見えなくなった。


(さて、どうしようか?かあちゃんが負ける姿は見たくないけど、あいつと一緒に勝って、喜んでいる姿なんか絶対見たくないっ!)


 雷蛇は答えを出した。

 一回だけ、応援しようと。


 フィールドでは、巨大な腕が唸りC重騎士目掛けて、振り下ろされていた!


「……ううっ……うわああああっ!おねぇさまぁあああっ!」


 恐怖が迫ってきた。


 カードバトルとは言え、それは現実と何ら変わらない。

 痛いわけではない。だがそれでも、カードとして引き裂かれる時は、確実に死を感じた。


 撃破されることは何も、今回が始めてではない。

 現実世界に戻るだけだ。


 だが、それでも恐怖は確実に存在した。


 また、この時『死』を感じなければ、強くなれないのだ。

 この感覚を二度と味わいたくない、そう思い五月世界の住人達は、日々の鍛練の暮らしを続けている。


 撃破されるときの感覚、これこそこの五月世界の女神達が住人に刻み込んだ感情、この世界を支配するに必要とした、重要な感覚なのだ。


 住人に刻まれる感情。


 我らが五月世界の女神は、生と死を司り、それを与える存在。


 今回はここまでです。

 

次回サブタイトルは 第30話 奥義発動 です。

投稿時間は未定です。

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