第29話 支配
おはようございます。
投稿です。
新しい月です。
村長が描いた勝利図はこうである。
その1。
まずは、SR槍のゴーレムのスキルは何も発動しない、HP1のC重騎士を撃破、勝利。
勝利図2は、SR槍のゴーレムのスキル、『かばう』は発動、HP1のSR槍のゴーレムを撃破、チェンでHP1のC重騎士を撃破、勝利。
勝利図3は、SR槍のゴーレムのスキル、『かばう』、『パリィ』発動、リリーアキビンサイドのターンになり、ここでSR槍のゴーレムは全体攻撃が出来ない、こいつは強すぎるのだ!全体攻撃すればまたHP1からのバトルであろう、そうなった場合、SR槍のゴーレムにペナルティがつく!
だからC紙のゴーレムかCアックスの戦士のどちらかを狙うはず。
どちらを狙っても、C紙のゴーレムのHPはMAXだ、一撃では倒せない。
そしてCアックスの戦士のターン、再びC重騎士を狙う。
二回連続で、『かばう』、『パリィ』は発動するか?
ここが勝負であろう。
SR槍のゴーレムのスキル『パリィ』さえ発動しなければ、スキル『かばう』でHP1が削られ、チェンが発動、次に無防備なC重騎士を撃破、これが村長の描いた勝利である。
「こっちはSR、それにレベルもターンで上がっている!あいつはCでレベル1だ!スキル発動の確立だって上がっているはず!」
《……相変わらず未表示よぅ!》
「チッ!」
C紙のゴーレムが軽やかに動き出す!
「くっ、何だあの動きは!」
その動きを見て、雷蛇は行動開始した。
ああ、かあちゃんは負ける。
確信である。
ただ、カッコよく負けてほしいと思った。
本当はゲスト枠に入って、応援したいのだが、あのイヤな男と楽しそうにバトルしているのが気に入らなかった。
モゾモゾと動き、下に降りたい、と女神チャウにアピールする白黒ネコ。
「おや、行くのかい?」
そう言って、あっさりと白黒ネコを降ろす。
颯爽と立ち去る白黒ネコ。
その姿を暖かい目で見送る女神チャウ。
「お、おい!?チャウ!?ネッコが!ネッコが逃げてるぞ!」
「ああああっ!?ユンのヌッコちゃんがっ!」
「ネコよ、ネコは束縛を嫌うの、私達みたいにね」
「「!」」
「自由にさせないと、嫌われるわよ」
バトルに熱中しているドワーフ達に紛れるネコ。
もうその姿は見えなくなった。
(さて、どうしようか?かあちゃんが負ける姿は見たくないけど、あいつと一緒に勝って、喜んでいる姿なんか絶対見たくないっ!)
雷蛇は答えを出した。
一回だけ、応援しようと。
フィールドでは、巨大な腕が唸りC重騎士目掛けて、振り下ろされていた!
「……ううっ……うわああああっ!おねぇさまぁあああっ!」
恐怖が迫ってきた。
カードバトルとは言え、それは現実と何ら変わらない。
痛いわけではない。だがそれでも、カードとして引き裂かれる時は、確実に死を感じた。
撃破されることは何も、今回が始めてではない。
現実世界に戻るだけだ。
だが、それでも恐怖は確実に存在した。
また、この時『死』を感じなければ、強くなれないのだ。
この感覚を二度と味わいたくない、そう思い五月世界の住人達は、日々の鍛練の暮らしを続けている。
撃破されるときの感覚、これこそこの五月世界の女神達が住人に刻み込んだ感情、この世界を支配するに必要とした、重要な感覚なのだ。
住人に刻まれる感情。
我らが五月世界の女神は、生と死を司り、それを与える存在。
今回はここまでです。
次回サブタイトルは 第30話 奥義発動 です。
投稿時間は未定です。




