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モニカ・ハーマン物語~虐げられた伯爵令嬢は、亡き母の秘密と金環眼に導かれて  作者: 紅しょうが


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第43話気になる令嬢 Part2 ―アダムSide―

 昼休み。


 アダムは教室の窓から、いつものように中庭を眺めていた。


 視線の先には、モニカ・ハーマン嬢。


 今日もリリア・ウェストン嬢と一緒に、ベンチで昼食を食べている。


 最近のモニカは、以前とは少し違って見えた。


 頬には血色があり、表情も明るい。


 以前よりも、ずっと健康的になったように感じる。


「……変わったな」


 アダムは小さく呟いた。


 けれど――。


 その姿を見ているうちに、ふと胸の奥に引っかかるものを感じた。


「……あれ?」


 アダムは目を細める。


 どこかで見たことがある。


 そう思った。


 けれど、誰に似ているのか分からない。


 モニカの顔をじっと見つめる。


 すると、不思議な感覚が胸の奥に広がった。


「……懐かしい?」


 自分でも、なぜそんな言葉が浮かんだのか分からない。


 モニカ・ハーマン嬢とは、同じ学園に通う令嬢。


 それだけのはずだ。


 それなのに――。


 なぜか、以前から気になってしまう。


 そして今は、ただ気になるだけではない。


 どこか懐かしい。


 まるで、昔から知っているような――。


「……変な感じだな」


 アダムは苦笑した。


 恋愛感情とは、少し違う。


 そもそも、そういう感情なのかすら分からない。


 ただ、なぜか目で追ってしまう。


 それだけだった。


 ◇◇◇


 その時、中庭からモニカの笑い声が聞こえた。


 アダムは再び窓の外を見る。


 リリアと何か話しているらしい。


 二人とも楽しそうだ。


「友人ができて、本当に変わったな」


 以前よりも笑うようになった。


 それを見ていると、なぜか安心する。


 アダムは自分でも不思議に思った。


「……私は、何を気にしているんだ?」


 そう呟きながらも、視線はモニカから離れなかった。


 ◇◇◇


 放課後。


 廊下を歩いていると、前方からモニカが歩いてくる。


 リリアと別れたのだろう。


 モニカはアダムに気づくと、足を止めた。


「アダム殿下」


「モニカ嬢」


 二人は軽く会釈を交わす。


「失礼いたします」


「ああ」


 モニカはそのまま歩いていく。


 アダムも歩き出した。


 だが――。


 すれ違った瞬間、また同じ感覚がした。


 懐かしい。


 どこかで見たことがあるような感覚。


 アダムは思わず振り返った。


 モニカの後ろ姿が、少しずつ遠ざかっていく。


「……何なんだろうな」


 答えは、まだ分からない。


 ただ――。


 気になる。


 その気持ちだけが、日に日に強くなっていた。

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