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もしも私が死んだなら、あなたは後悔してくれますか?  作者: 迦陵れん
第二章 現在

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セルディオの決意

 ニーナに別れを告げた僕は、自己嫌悪で俯きながら屋敷の廊下を歩いていた。


 本当は、あんなことを言うつもりなんてなかった。


 ただ、浮気のことを問い詰め、真実を話してもらいたかっただけなのに。


 結局、ニーナからは何も聞き出せなかった。


 浮気については何度も「違う」と否定していたのだから、本当に浮気などしていないのかもしれない。


 だったら、なぜ理由を話してくれないのだろう。


 それさえ分かれば、ニーナを許すこともできるかもしれないのに。


 あまりにも彼女が口を噤むものだから、腹が立って余計なことを言ってしまった。


「さよなら」なんて。


 そんなこと、本気で思っているはずがない。


 言った本人が一番分かっている。


 僕には、ニーナを離す気など──これっぽっちもないのだから。


 けれど、言ってしまった。今頃、ニーナはどうしているだろう。


 部屋で一人、泣いているだろうか。それとも、リシテアに慰められているのか。


 ……まあ、どちらでも構わない。


 問題は、その後だ。


 僕に嫌われたくない一心で真実を話すというのなら、それでいい。


 理由さえ分かれば、僕はいくらでも考え直してやれる。


 だが、夫婦関係を修復することを諦め、このまま部屋に閉じこもるつもりなら──その時は、こちらも手段を選ぶつもりはない。


 何が何でも、口を割らせる。


 ニーナが何を隠しているのか知らないが、夫である僕にさえ話せない理由など、あっていいはずがないのだから──。


「……そうだ。最初から、そうすればよかったんだ」


 その瞬間、目の前を覆っていた靄が晴れたような気がした。


 ニーナが自分から口を開くのを待とうとしたから、話がややこしくなったのだ。


 僕は何を遠慮していた?


 何を躊躇っていた?


 夫である僕にさえ打ち明けられない秘密など、認める必要はない。


 最初から、無理にでも真実を話させればよかったのだ。


 そうしていれば、ここまで僕たちの仲が拗れることもなかった。


 ニーナを傷つけたくない。嫌われたくない。


 そんな甘いことを考えていたから駄目だった。


 優しく待っていれば、いつか自分から話してくれると信じていたから、こんなことになった。


 もう、待つのはやめだ。


 ニーナがどれだけ口を閉ざそうと、逃がすつもりはない。


 泣こうが、怯えようが、嫌がろうが関係ない。


 ニーナのすべては、夫である僕のものだ。


 その心も、身体も、秘密も、何もかも。


 僕に隠し事をすることなんて許さない。


 誰にも渡さないし、誰の元へも行かせない。


 たとえニーナ自身が望んだとしても、手放してやるつもりはなかった。


 彼女が隠しているものも、抱え込んでいる苦しみも、全部暴いて、僕の手の中に取り戻してみせる。


 ──ニーナは、僕の妻なのだから。










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― 新着の感想 ―
セルディオ気持ち悪っ。 セルディオはリンカが張った蜘蛛の巣に絡め取られてさっさと破滅すればいいしニーナもさっさとセルディオ見限ればいいのに。
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