表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もしも私が死んだなら、あなたは後悔してくれますか?  作者: 迦陵れん
第一章 学園編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
15/72

傍にいる女性

 そんな、どうしよう、やっぱりセルディオ様にも縁談は来ていたんだわ。


 本人の口から聞いたことにより、急に焦りと不安が生まれ、私はつい彼の服を握りしめてしまう。


 そもそも悪いのは、父に縁談の話をされるまでその心配を全くしていなかった私だけれど、セルディオ様はどうして自分に来ている縁談の話をしてくれなかったんだろう? 少なくとも最初の縁談が来た時に私にその話をしてくれていれば、今更こんな風に慌てることもなかったような気がするのに。


 その疑問をそのままセルディオ様へとぶつけると、彼はぽん──と私の頭に手を置いて、「君に余計な心配をかけたくなかったんだ」と言った。


「僕に来た縁談の話は、僕自身でどうにかするつもりだったし、君には僕との結婚のことだけを考えていてもらいたかったからね」


 と──。


 そう言われてしまえば、もうそれ以上彼を責めることはできなくて。


「分かりました……。けれど一つだけ聞かせてください。セルディオ様は、私以外の方と結婚するつもりはありませんよね? 家のための政略結婚をどうしても断りきれず……なんて事はありませんよね?」


 不安を隠しきれずに尋ねると、眩しいほどの笑顔が返された。


「当然じゃないか。僕の妻になる人は君以外にいない。僕にとって君以外の存在は、全て取るに足らないものでしかないのだからね」

「セルディオ様……!」


 言い終わると同時に抱きしめられ、幸せを噛み締める。


 彼を好きになって良かった。こんなにも素敵な人、絶対に他にはいない。


 平凡な子爵令嬢の私が、誰もが羨む公爵令息であるセルディオ様と結ばれることができるなんて。


 その時の私は、自分が世界一幸せな女性なんだと信じて疑いもしていなかった。




⭐︎ ⭐︎ ⭐︎ ⭐︎




 そして現在──。


 学園でのあの言葉は嘘であったかのように、セルディオ様は私以外の女性へと優しい眼差しを向けている。


 たった半月──二週間と少しの間すれ違いが続いただけで、彼がこうも簡単に他の女性へと心変わりし、私から離れていくなんて思いもしていなかった。


 私だけを愛してくれると言ったのに。私以外の存在は、取るに足らないと言っていたのに、あの言葉は嘘だったのだろうか。


「もう……無理……」


 夫とリンカ様を見ているのが辛くなり、私は涙を堪えて背を向ける。


 学園生であった頃は、今よりもっと酷い喧嘩をしても、心がすれ違っても、彼が私以外の女性を傍に置くことはなかった。


 でも、今は──。


 結婚して一年経った今は、こうも簡単に他の女性を傍に置くなんて。


 どうしてなんだろう。


 私には、彼の心の内が全く分からなかった。







 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ