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もしも私が死んだなら、あなたは後悔してくれますか?  作者: 迦陵れん
第一章 学園編

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セルディオの考え 2

 意外なところでニーナにやり返すチャンスを得た僕は、腹の底からじわじわと喜びがせり上がってくるのを感じていた。


 実際にやり返すべき相手はニーナではない。彼女の父親であるココット子爵だ。それは分かっていても、下手に子爵に手を出せばニーナの生活に影響を及ぼしてしまう可能性がある。


 だから申し訳ないが、彼女には父親の代わりに少しだけ報復を受けてもらうことにした。


 報復といっても、酷いものではない。ただ単に、普段の僕が感じている気持ちを、多少彼女にも味わってもらうだけのことだ。


 可愛いニーナ、ごめんよ。けれど僕もやられっぱなしというのは性に合わないんだ。


 心の中で彼女にそっと手を合わせ、気づかれないよう息を吐く。


 常々僕は考えていた。


 いつもは僕ばかりが彼女を狙う羽虫に気をつけ、僕以外の選択肢が彼女の頭に浮かぶことのないよう、気を遣いまくっている。しかし、彼女はどうだ? 


 ニーナは僕と同じように他の令嬢達にヤキモチを焼き、僕へ近づくことがないよう気を配ったことはあるのか?


 答えは恐らく──否、だ。


 彼女は僕と恋人になれただけで満足してしまい、他の令嬢達のことなど気にかけてもいない。それは良く言えば、僕自身が彼女に信頼されているということになるから、別に悪いわけではないのだが。


「少しぐらいはヤキモチや嫉妬をしてもらいたいと思うのは、悪いことなのだろうか……?」


 思わず声に出して呟くと、ニーナがきょとんとして首を傾げた。


「え? セルディオ様、今なにか仰いました?」


 ヤバい──と思い慌てて口を押さえるも、聞こえていなかったことを知り、安堵に胸を撫で下ろす。


 聞かれていなくて良かった……。思ったことをつい口に出してしまうだなんて、僕もまだまだだな……。


 自らの反省点を頭に浮かべつつ、ニーナに対しては何事かを考えるそぶりでもって、先ほどとは違う言葉を口にのせた。


「ああ……いや、僕への縁談だったら、確か有力貴族からのものが幾つか来ていたような気がするな……ってね」

「えええっ!?」


 叫んで顔色を青くするニーナを見て、内心でほくそ笑む。


 ああ、気分が良い。恋人に心配されるって、こんなにも気持ちの良いものだったんだな。


 それを今まで知らなかっただなんて、人生を損した気分だ。


 でも……そうだな。恋人からのヤキモチや嫉妬がこんなにも気分の良いものなら、今後はちょくちょくしてもらおうかな。


 何せ今までは、僕だけが一方的にヤキモチや嫉妬をしてきたのだから。少しぐらいニーナにしてもらったところで、罰は当たらないよね。


 僕ばかりが嫌な思いをして、ニーナは全く嫌な思いをしないというのは不公平だ。

 

 そんな考えが脳裏をよぎった。











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