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75話 初社交パーティー終了な件

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 「皆、楽しんで頂けたかな?そろそろ、このパーティーを閉じる時間になった。本日、このパーティーに出席いただいたことを心からする」


 パチパチパチ


 出席者の拍手でこのパーティーは幕を閉じた。


 これから、自主的にパーティーに出席するのはアリかもしれない。


 俺は、このパーティーで基本的に1人だったため、他の貴族たちとの繋がりを作ることがなかった。


 つまり、面倒くさくなかったのである。


 終始、テーブルの上に置いてある食べ物を食べ漁っていた。


 美味しかった。


 ただ、やっぱり物足りないところがあったので、今度、ギュンターに調味料を分けてやろう。


 料理人の腕は良さそうだから、美味しいものができるだろうな。


 一応、国王からの任務は達成したと思う。


 刀で技術力を、服で財力を、公爵に話しかけられることで権力の強さを、そして、これは完全に予定外だったが、伯爵令嬢であろうと沢山の貴族の前で涙目にさせるほどの傲慢さを見せつけることになった。


 ………技術があって、そこそこに金があって、権力が強くて、傲慢って、最悪だな。


 俺なら、絶対に関わらないな。


 まあ、力は示したぞ?


 力はな。


 「ウッドペッカー男爵。こっちにきてもらえるか?」


 パーティーが終わって、今にもパーティー会場を出ようとした時、ギュンターに呼ばれた。


 ………シャルロッテを涙目にさせたことかな?


 もしそうなら、俺、斬り殺されるかもしれん。


 こんな状況も、二回目だな。


 「なんでしょうか、ガーランド伯爵」


 「もう少し、ラフにしてくれるとありがたいのだが」


 ラフねぇ。


 どのくらいまで許容範囲なのかな。


 相手は俺より位が上だからな。


 一般的に後輩が先輩に話しかけるくらいのラフさでいくか。


 国王と話す時と同じくらいのラフさで。


 「なんすか、伯爵」


 「だいぶラフになったな」


 そりゃあ、ラフにしろって言われたからな。


 「パーティーはどうだったか?初めてだったのだろう?」


 「そこそこ楽しめましたよ。料理も美味いし、何より、大多数の貴族が俺に話かけて来なかったのが最高でしたね」


 「ははっ!流石だな!貴族のパーティーで孤独なことは、普通は起こり得ないことなんだぞ?皆、家同士の繋がりを持ちたがるからな」


 「そんなん、面倒くさいですもん。パーティーは、楽しんでなんぼでしょうよ」


 「楽しい社交パーティーなんて、存在しないからなぁ。いつか、やってみたいものだ」


 「無理だと思いますよ?伯爵が貴族である限りは」


 貴族は、どうしても身分とか爵位とかでパーティー内での自分の立ち位置が顕著に現れるからな。


 謙遜祭りとか、媚び売り祭りになってしまうのは避けられない。


 「そうか……。貴族とは、面白みのないものだな」


 「本当ですね………。で、話したいことは他にもあるんではないでしょうか?」

 

 「よくわかったな」


 パーティーが楽しいか否かを聞くくらいなら、パーティーの途中でもいいからな。


 わざわざパーティーが終わった後に俺を読んだんだ。


 これで終わりなわけがない。


 「娘について聞きたいのだが……」


 ………。


 さっき涙目にさせたわ。


 死んだな。


 「あの子は、学園では元気にやっているか?」


 なんだ。


 そんなことか。


 「ああ、元気だと思いますよ」


 寧ろ、元気すぎるかもしれないが。


 あいつが元気じゃないなんて、想像できないんだよなぁ。


 「なんで本人に聞かないんすか?」


 「いや、それがな。最近、あの子は私に冷たくなってしまったのだ。一昔前まで、『将来はパパと結婚する!』とか言っていたのだが、最近は近づくだけで怒るし。どうしたことやら」


 ………。


 一昔前までだぁ?


 ファザコンが過ぎるな。


 ソフィアのニックへの想いよりはマシだが。


 「それは、二つ可能性がありますね」


 「一つ目は?」


 「多分、シャルロッテは相変わらず伯爵が大好きなんですが、それを周りの人、伯爵にでさえも知られるのが恥ずかしくなって、逆の行動をとってしまうというものです」


 いわゆる、照れ隠しだ。


 「なるほど。二つ目は?」


 「伯爵よりも好きな人間ができたというものです」


 「なっ……。それは、本当か?」


 ギュンターの顔が険しくなる。


 「うちの娘は渡さん!」ってやつだな。


 「あくまで可能性ですよ」 


 「……そうか。今から娘を探して、聞いてくる」


 「探す必要はないかと」


 近くの柱から顔を出して、こちらの様子を伺っている金髪ロールがいるんだよな。


 伯爵は気づいてるのかな?


 一応、教えといてあげるか。


 「あそこに本人がいるんすよ」


 「何っ?どこだ?」

 

 俺は指をさす。


 それに気づいたのか、シャルロッテは柱に隠れてしまった。


 しかし、髪が隠れきっていない。

 

 「あ、本当だ。おーい、シャルロッテ!思い人が出来たって、本当か!?」


 そんな大声で叫ぶことあるかね。


 シャルロッテが可哀想だぞ?


 「な!うっ、うるさいわね!別にいいじゃない!なんでそんなに大声なのよ!もぉぉぉぉぉ!」


 ドタドタドタ


 また走り去っていくシャルロッテ。


 「別にいいじゃない!」ってことは、いるってことだな。


 「まあ、なんと言うか………。ご愁傷様です」


 「あ、ああ」

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