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74話 パーティーの金髪ロールな件

目指せ!100話までに10000pv以上&100pt以上!!

 パーティー中盤。


 ラザフォード王国のパーティーでは、パーティーの開催費が全て主催者が払う代わりに、主催者に贈り物をしなければいけない。


 主催者よりも爵位が高かろうとだ。

 

 主催者への贈り物は、皆からの注目が集まる中で一貴族家ごとにしていく。


 つまり、贈り物のセンスが問われるし、財力を見せつける場にもなる。


 「ガーランド伯爵。この度はこの素晴らしいパーティーを開いて下さったことを、心から感謝しております。オルガン男爵家からの品は、領地で採れた葡萄を贅沢に使用したワインでございます」


 「有り難く頂かせてもらおう」


 最初にオルガン男爵家の当主がギュンターに贈り物をした。


 まあ、こんな感じだ。


 渡す順番は爵位の低い順。


 同じ爵位の家は、領地の惑星が少ない方から。


 それでも被る場合は、領地内のおおよその人口が少ない方からである。


 俺の場合は、男爵家であり、公には惑星は8個。


 人口は約100万。


 パーティーに来た15男爵家の中で、最後から三番目である。


 うちは人口が少ないからな。


 「ガーランド伯爵。この度はこの素晴らしいパーティーを開いて下さったことを、心から感謝しております。ヴィッテルスバッハ男爵家からの品は、マジノ星系で採掘した自慢の柔銀を含んだ釉薬を使用した、特産品の食器です。お納めください」


 「有り難く頂かせてもらおう」


 ………柔銀って、なんのことだと思う?


 鉛である。


 そう簡単に鉛は溶け出さないようになっているが、あるものと合わせると、まずいことが起きる。


 あるものとは、トマトである。


 トマトは酸性であり、鉛が溶け出してしまうのだ。


 「メモメモ」で、よく使ったなぁ。


 ストーリーには大きく関わらない少し邪魔な人間を始末する時に。


 懐かしい。


 ギュンターには、後でトマトをその食器で食べないように言っておかないとな。


 そうこうしている間に、俺の番が来てしまった。


 俺は贈り物が入った箱を抱えて、ギュンターの目の前に行く。


 「ガーランド伯爵。この度はこの素晴らしいパーティーを開いて下さったことを、心から感謝しております。ウッドペッカー家からの品は、『カタナ』と言われる、片刃の剣でございます。切れ味その切れ味をお見せしましょう!」


 こうすることで、他の家に、アルプトラウムの技術力を見せつけることができるのだ。


 実演販売みたいなもんだな。


 販売はしないが。


 俺は箱から刀とラザフォード王国軍の標準装備の鞘を取り出す。


 「ここに、よく見かける鞘がありますね?」


 俺は鞘を上に投げる。


 そして、刀を抜いて、構える。


 ヒンッ


 「なっ!」


 王国軍標準装備の剣では鞘は全く切れず、鞘を弾き飛ばしてしまう。


 しかし、鞘は真っ二つに切れてしまった。


 アルプトラウムの技術力が伝わったのだろう。


 ギュンターだけではなく、他の貴族家の人間たちも呆然としている。


 「どうぞ、お納め下さい」


 「あ、ああ………」


 いやー。

 

 俺、なんかやっちゃいましたかね。


 贈り物を出席している全ての貴族家が渡し終わった後もパーティーは続けられたのだが、周りに全く人が寄り付かない。


 アルフォンスは、他の貴族家の人達と話している。


 仕方がないな。


 うちだけに釘付けになるのは、よくないからな。


 あー。


 暇だなあ。


 ワインでも飲むか。


 うまいんだよなあ。


 「失礼しますわ」


 後ろから声がする。


 若い女性の声だな。


 どこかの夫人かな。


 振り返ると、真っ先に目に入ったのは、金色なロールの髪型。


 金色の髪に、赤いドレスがよく似合っている。


 「ウッドペッカー男爵、ご機嫌麗しゅうございます。お顔を拝見できて、嬉しゅうございますわ。今日はお話ししたいことがたくさんありましたの」


 ………。


 シャルロッテだよな?


 これはガーランド伯爵家のパーティーだから、いるのは当然ではあるが……。


 「誰だお前?」


 おっと。


 思わず本音が出てしまったな。


 「なっ!………本日はお疲れのようでございますね。どうかご無理をなさらず、少しお休みになられてはいかがでしょうか?」


 一瞬動揺したな。


 「お話したい」のに「お休みになられてはいかがでしょうか」だぁ?


 言ってること、おかしくないか?


 「これはこれはシャルロッテ嬢。私如きの健康を気にしてくださるなぞ、慈悲深いですなあ」


 「いえいえ。伯爵家の人間として、当然のことですわ」


 ……っ。


 あぶないあぶない。


 吹き出しそうになってしまった。


 そこまで全肯定してくるとは。


 うーん。


 誰も話かけてくれなかったのは少し寂しい気もしたが、こいつと話すくらいなら、1人で料理を堪能した方がマシな気がするんだよな。


 しかも、いつもと違って違和感しかないし。


 弱みのネタはまだまだあるのだが………。


 ここでシャルロッテの顔を涙目にさせると、色々きついんだよなぁ。


 確実に、うちの評判が落ちる。


 どうしたものか。


 「いかがいたしました?」


 「いえいえ。お嬢様の美しさに見惚れていたのですよ。その完璧に巻かれた黄金の髪は、まるで祝福の光を編み込んだかのように眩しく、身に纏われた真紅のドレスは、咲き誇る大輪の薔薇さえも嫉妬のあまり色褪せるほどの美しさ……。誰もがあなた様の姿に息を呑み、目を奪われております。この場にいるすべての者が、あなた様の引き立て役でしかありません」 


 『ぶっ(笑)!』


 ………。


 わかるぞ、ヴァント。


 俺も笑いそうなのを抑えている。


 明らかに、俺の言うセリフではない。


 「ふぇ?わわぁぁぁぁっ」


 ん?


 「お嬢様?どうなさいました?おーい?」


 「うーーっ」


 バタバタバタ


 シャルロッテは、真っ赤な顔を手で隠しながら、涙目でどこかに走り去ってしまった。


 周りの人間が皆こちらを見ている。


 やべえ。


 やっちまった。


 俺が泣かせたみたいになってしまった。


 またかよ。


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