表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/112

68話 悲鳴で目覚めるメーアの朝な件

目指せ!100話までに、一万pv以上&100pt以上!

 「キャァァァァァァァ!」


 早朝。


 俺は悲鳴で目を覚ました。


 多分、その悲鳴の主は女。


 声が高い。


 悲鳴が発せられた場所は大体推測できる。


 「’お兄さん!聞こえた?’」


 俺の部屋の外から声がする。


 「’ああ。行くぞ!ソフィアは無理にでも連れてこい!’」


 「’うん!’」


 俺はベッド下に置いておいた剣を手に取り、外を目指す。


 なんだかんだ言って、メーア町は人口密集地。


 建物同士の間隔があまりない。


 つまり、隠れられやすい。


 早く向かわないと、手がかりすら隠されてしまう。


 「’お兄さん!二手に別れよう!ボクは右からいくね!’」


 強力な敵に対して戦力を分けるのは、普通なら非常に悪手。


 ただ、アカリなら大丈夫だろう。


 「’了解!’」


 俺は左回りでその場所に向かう。


 町人は誰も建物から出ていない。


 当たり前か。


 悲鳴が聞こえたのに、誰が建物から出ようか。


 俺にとっては、もし戦闘になっても見られることがないのは好都合だな。


 俺は悲鳴が発せられたと思われる場所に到着した。


 しかし、そこには人はいなかった。


 逃げたのだろう。


 地面には、吹き出したように見える少量の血痕。


 刺されたのか?


 ただ、俺にはよく分からない点がある。


 刺されたのにしては、血の量が少なすぎる。


 そして、被害者がいない。


 つまり、なんらかの怪我をさせて連れ去ったと見るのが妥当だろう。


 ん?


 おかしくないか?


 もしも俺が同じように人を連れ去るのだとしたら、相手にバレないように近づき、布を口に噛ませる。


 何で被害者は悲鳴をあげたんだ?


 いや、なんで被害者は悲鳴をあげれたんだ?


 「切り裂きジョージ」は殺しのプロ。


 一般人ごときが接近に気づくわけがない。


 もし被害者に武芸の試みがあったとしても、悲鳴をあげずに冷静に対処しようとするはずだ。


 「’お兄さん!怪しい人はいた?’」


 アカリも到着した。


 ソフィアの背中にくくりつけられているソフィアは熟睡している。


 呑気なもんだな。


 「’いや、全然。人っこ1人見なかったぞ?’」


 陽の光はあるのだ。


 外に出ているなら、目視できるはず。


 …………。


 なぜ、「切り裂きジョージ」は早朝に犯行に及んだんだ?


 真夜中の方が気づかれないじゃないか。


 奴の考えが読めない。


 「お前ら!何をしている!」


 衛兵が大量に向かってきた。


 流石衛兵だな。


 悲鳴が聞こえた中でも、外に出て、原因を突き止めようとするのだ。


 「悲鳴が聞こえたもんで。様子をみにきたんですよ」


 「しらばっくれるな!アイツらを捕まえろ!」


 衛兵は槍を構え、俺らに近づいてきている。


 俺らがやったと思われてる?


 「俺たちは何もしてません!」


 「うるさい!そこの少女を開放しろ!」

 

 ん?


 少女?


 ……………。


 あ。


 わかった。


 「’逃げるぞ!アカリ!’」

 

 「’え?う、うん!’」


 確かに、誘拐しているように見えるか。


 アカリの背中にソフィアをくくりつけたのは失敗だったな。

  

 何で逃げたかって?


 側から見たら、俺らは明らかに誘拐犯と被害者。


 逮捕されるのは確定だからな。


 俺らは急いで町から出た。


 流石に、衛兵は追ってきていない。


 「ん?エルン、ここどこ?」


 やっとソフィアは目を覚ましたようだ。


 もしもソフィアが悲鳴と共に目を覚まし、アカリに跨っていたなら、状況はだいぶ変わっただろう。


 ………いや、それは違うな。


 ソフィアを無理矢理連れ出した俺のせいでもある。


 このことを全て熟睡していたソフィアのせいにするのは、間違っている。


 「メーアの外です」


 「なんで?『切り裂きジョージ』は?もう殺したの?」


 捕まえるっていう選択肢はないんだな。


 「まだです。私たちは、今、衛兵に追われています」


 「なんで追われているの?エルン、あなたなら衛兵は全て倒せたはず」


 「倒したら倒したで厄介なんですよ」


 衛兵に対して実力を見せつけることになるからな。


 俺らへの疑いは、より一層強くなっていただろう。


 「私は王族。そのことを明かせばよかったでしょ?」


 「私たちが王族誘拐していることになるので、ダメです」


 そもそも、こんな辺境に王女がいるということ自体、信じられるのか分からない。


 「どうするの?帰るの?」


 「帰るわけにはいかんでしょう」


 もし、このまま何の手柄もなしに帰ったら、あの国王になんて言われるだろうか。


 想像しただけで悍ましい。

 

 …………。


 火をつけたくなってきたな。


 おっと。


 我慢、我慢。


 しかも、そもそも俺は関係のない人間を殺せないだろう。


 あの戦いの時は、相手は軍人。


 死ぬ覚悟はあったはずの人間たちだからな。


 「エルン。火をつけるのはダメ。兄様に恨まれる」


 どうしたもんか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ