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65話 新一年生についての復習をする件

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 俺の寮内。


 「’お兄さん。最近よく素振りしてるよね’」


 ソファに横たわっている狼形態のアカリが眠たそうに言った。


 「’サーシャに勝つためにね’」


 「’何で?サーシャはもう、暗殺者じゃないんでしょ?’」


 うーん。


 その言い方は、正確には違うんだよな。


 「もう、暗殺者じゃない」のではない。


 「そもそも、暗殺者にならなかった」のである。


 でも、そんな重箱の隅を突くようなことを言ってもな。


 興醒めするだけか。


 「’まあね。あくまで、二年生の目標って感じかな’」


 「’ふーん’」


 …………え?


 それだけ?

 

 「’ところでお兄さん。新入生についてどう思う?ほら、新入生の中にも重要人物がいるじゃん?’」


 急に話を変えてきたな。


 「’キース、リュカ、ユーゴ、ソフィア、アルバ辺りか?’」


 「’クロエは?’」


 「’あいつって、重要人物か?’」


 「’ギリギリそうじゃない?’」


 「’うーん。クロエも入れるか。キースからいくぞ?キースは問題児かな。でも、座学と武勇には優れているから、優秀な問題児ってところか?正直、関わりたくない’」 


 キース。


 新一年生の特待生である。


 こいつは剣術6段を持っている。


 そのため、自分が強いと過信しすぎており、上級生や教師に喧嘩を売ってボコボコにしまくった結果、一瞬で退学処分になる。


 まあ、教師にはサーシャがいるから、ある程度の抑止力にはなるだろうが。


 「’リュカは、出来るなら今すぐに対処しておきたいかな。寝首をかかれちゃたまらん’」


 リュカ=フォン=ウェッソン。


 ウェッソン公爵家の次男。


 コイツは、快楽殺人鬼と評価するのがいいだろうな。


 外面はいいんだよ。


 いつもニコニコしてるし、優しいし。


 だが、平民は貴族の玩具と考えているので、しょっちゅう平民を寮に攫っては、女は犯し、男は殺す。


 しかし、そんなやつでも公爵家の子供。


 軍事力はガーランド伯爵家に全く及ばなが、権力が強すぎるのである。


 「メモメモ」では、ルリアにも手を出そうとする。


 それを防ぐために、2年生になるまでにレオンの庇護下に入る必要がある。


 いくら公爵家の人間だからって、王族には刃向かえないからね。


 また、平民上がりの俺を殺そうとしてくる可能性がある。


 まぁ、剣の腕も魔法の腕も普通なので、簡単に殺されるつもりはないがな。


 「’ユーゴは、是非とも仲良くしたいところだね。優秀だし、性格もいいし、平民にも優しい。正直、理想の貴族って感じ’」


 ユーゴ=フォン=ヘッケラー


 ヘッケラー侯爵家の次男である。


 長男の性格は傲慢すぎるのだが、それを反面教師として育ってきた結果、いい子ちゃんになった。


 長男とユーゴを足して2で割ったら普通の人間が出来上がると思う。


 「’ソフィアは、全く警戒しないでいいと思う。俺はニックと仲良くできてると思うし’」


 ソフィア=フォン=ラザフォード


 ラザフォード家の長女。


 家名からわかるように、王族である。


 性格は冷酷&効率厨。


 成功するためには手段を選ばないし、損害も気にしない。


 例えば、多分1ヶ月後くらいに凶悪犯罪者の対処を王族として国王から命じられる。


 その犯罪者がデウロのメーア町というところにいるのはわかっている。


 なら、どうするか。


 コイツがとる行動は、町を兵士で囲い、町に火をつけ、町の中にいる人を皆殺しにするというものである。


 そのせいで大量の人間から恨みを買い、5年後に暗殺される。


 それほど冷酷なソフィアだが、「あるもの」を前にすると、猫撫で声に変わる。


 その「あるもの」というのがニックである。


 コイツは、極度のブラコンなんだよね。


 だから、ニックが嫌がるようなことは絶対にしない。


 そのため、ニックと仲がいいことは、非常にありがたいことなのである。


 え?


 俺がそのことを考えて、ニックと仲良くしたかって?


 いいや、全く。


 微塵もそんな事を考えてなかったよ?


 「’アルバは、猫みたいな存在だよね。こっちから接触するのではなく、放置でいいと思う’」


 アルバ=フォン=ベネリ。


 ベネリ伯爵家の三女である。


 俺は「猫みたい」と表現した。


 つまり、相当な気分屋である。


 そして、運動神経抜群である。


 コイツの厄介な点をあげるとするなら、行動が読めない点だろう。


 なぜか近寄ってきて、そのまま去っていくこともしばしば。


 「メモメモ」プレイ中では、キャラの行動一つ一つの意味を考える必要があるため、俺の思考にノイズを生む存在だった。


 「’クロエは………うーん……。変な人だよね。’」

 

 クロエ=フォン=ステン。


 ステン男爵家の確か次女。


 家の爵位が低めなだけあって、ストーリーの進行には全く関与しない。


 ただ、個性がつよい。


 学園に来る時は、目を怪我しているわけでもないのにいつも眼帯をしてるし、1人称は「我」。


 作中唯一の厨二病だ。


 「’えっ。それだけ?クロエ、お気に入りだったんだけどなあ。まあ、それだけ頭に入っているなら、新年度は安心できるね!お兄さんは厄介事に首を突っ込みすぎるから、心配だったんだ……’」


 心配してくれたのか。


 おかげで、「メモメモ」のいい復習になったよ。 


 「ありがとうよ」

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