52話 星系を貰った件
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あれから、俺はデウロの王宮に呼ばれた。
本当は、3学期中はパーリェン外に行ってはいけないはずなのだが、国王命令だったそうだ。
王宮に到着するとすぐに面会室のような場所に連れていかれた。
そこにいたのは勿論国王。
「本当に、君という奴は。あんな大きさの魔石をどうやって手に入れたのかね?」
「……企業秘密です」
「……そうか。君があれを王国に譲渡するというのなら、流石に何か返さなければなるまい」
金がこれ以上必要ないから、王国に「譲渡」するって言ったのにな。
お返しなんて、求めてないのだが。
「…………陞爵なんてどうかね?」
「結構です」
もちろん即座に拒否。
この国王、妙に俺を昇進させたがるな。
貴族ライフは面倒くさそうで嫌なのだが。
「いやいや、そういう訳にはいかなくてね。王国のメンツというものがあるのだよ。………そうだ。君に、男爵位を与え、ナイトメア星系を任せよう。好きに開発してみるがよい」
勝手に決めないでほしいな。
ナイトメア星系?
何処だ?
ナイトメアって、悪夢って意味だろ?
「メモメモ」の製作陣のことだ。
そんな名前の星系がまともなわけがない。
「ああ、これを与えよう。男爵位の認定書だ」
「随分と、手際がいいっすね。まるで、最初から私を陞爵させることが確定していたみたいですよ」
「ははははははっ」
何で笑うんだろうね!
図星だからかな!
「で、ナイトメア星系なのだが……」
え?
俺の意思は?
俺が受けること前提で話が進んでいるな。
「恒星メタを中心として、ハビタブルゾーン内にある惑星アルプトラウムをはじめとした、全8つの惑星で構成されている。アルプトラウムの人口は80万〜140万ほどと推測されている」
人口は100万前後って感じか。
一惑星の人口にしては少ないな。
地球の歴史でいくと、農耕が始まる前くらいの人口か。
………。
ん?
「王国内の星系なのに、人口が『推測』されているってどういうことっすか?王国には戸籍はあるから、そこまで人口に振れ幅があるわけないでしょう?」
「気づいたか……」
これは、なんか裏があるな。
「ナイトメア星系はチュウコウの本拠地で、最近叩き潰したばかりなのだ」
チュウコウ?
なんだそれ。
チュウコウは叩き潰さなければいけない存在で、本拠地をもっていた……。
つまり、海賊のような存在……。
わかった。
チュウは「宙」で、コウは「寇」か。
「それで、宙寇どもは焦土作戦を実行して、土地が荒れ果てたのだ。人口が推測でしかないのは、そういう理由だ。まあ、安心してくれ。宙寇どもは壊滅させたからなあ」
………。
なるほどな。
こっちがゴミを押し付けるのと同じように、ゴミを押し付けてきたってことか。
「あー、はいはい。わかりましたよ。やればいいんでしょ?で、税とかその辺はどうしたらいいですか?やっぱり、王国に収める必要があるんですか?」
「流石に取れんよ。そうだな………10年間の免税でどうだ?」
「よし。わかりました。それでいきましょう!」
☆
俺は前世でメモメモ以外に、ある戦略ゲーもしていた。
戦国時代の日本の大名を操作して、天下をとるゲームである。
プレイスタイルは独特。
ひたすら内政。
ひたすら開墾。
ひたすらインフラ整備。
織田家プレイでは、外交を放置して領内を死ぬ気で発展させた結果、桶狭間の戦いの直前には、尾張内での兵数が15万を超えていた。
桶狭間の戦いでは、今川軍3万vs織田軍8万というただのイジメが起きていた。
今川義元も驚きである。
別のプレイでは、岩手県の人口を戦国時代なのに180万にしたこともあった。
そのくらい、俺は内政狂である。
……貴族として土地を持つのは嫌だが、星を好きに開発していいのは魅力だ。
なーんて思ってた時期もあった。
アルプトラウムに来て最初に直面した問題は、歩いていたら魔法が飛んでくるほど治安が悪いことだ。
国王にペットと言い張ってアカリを連れて来ていたため、対処することはできた。
流石、宙寇の元本拠地。
これからうまくやっていけるのだろうか。
ちなみに、今のナイトメア星系の惑星は9個ある。
1個多いと思うだろ?
理由は簡単。
マート星を星系間高速魔道路だのなんだのでナイトメア星系まで持って来て、メタを中心とする軌道にのせたからだ。
マート星の工場もアクセスしやすくなったので、色々便利になる筈である。
とりあえず、2年生が始まる前までに惑星統治を軌道に乗せたい所だな。




