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46話 vsドラゴン(inパーリェン)な件

 4日目。


 1日のほとんどを移動に費やしたおかげで、俺は今、1500km地点にやってきた。


 その地点の目印は、剣山のような岩山群。


 最短距離でプレデテーラ•ウォーエルがいる湖に行くには、ここをつっきるのが良い。


 しかし、俺はなるべくしたくない。


 最短距離であったとしても、最短時間ではないからだ。


 そこには、非常に獰猛な連中が住み着いている。


 ドラゴンである。


 プレデテーラ•ウォーエルほどの災厄でなかったとしても、十分化け物。


 対戦車ライフルを持ってきたとはいえ、弾丸に余裕はない。


 コンパウンドボウで仕留め切れるかも、怪しい。


 よし、廻り道をしよう。


 急がば回れ、という言葉もあるしな。


 『マスター。右側上空より、巨大な飛行生物。数は3』


 「爬虫類か!?」


 『まだこの距離だとわかりませんね。爬虫類なら、マスターが言っていたドラゴンということになりますね』


 「最悪だ………」


 ドドドドドドドドドドドド


 俺はソイツらから離れるためにスロットルを全開にするが、どうも道が悪い。


 時々タイヤが宙に浮く。


 アプテリギディーのサスは優秀ではあるが、振動を抑える事ができていない。

 

 そして、リアカーを引っ張りながらなので、小回りが効かない。


 キンコン


 キンコン


 突如、アプテリギディーから不快な音が流れ出す。


 不具合か?


 「ヴァント!何の音だ!」


 『時速200kmを超えたという合図です』


 昔の日本車みたいだな。


 「まだついてきてるか?」


 『はい。逆に距離を詰められています。敵の表面に鱗のようなものを確認。ドラゴンですね』


 ドラゴンか。


 流石の速さだな。


 応戦するしかないか。 


 「引き撃ちをする」

 

 『了解』


 「Gyaooooooooooooh!」


 どんどん迫り来る巨大な影。


 大きさは、どれも15m級。


 正直意味があるのかわからない翼を羽ばたかせながら、魔法で飛んできている。


 「始めるぞ!」


 ヒュンッ


 俺の腰に無茶をさせながら、後ろに一射。


 ………。


 「Gyorr!」


 『先頭の一体の額への貫通を確認。落下します』


 ドドン


 背後で砂埃が舞っている。


 『敵ドラゴンが魔法を使おうとしています。避けてください』


 「まじか!」


 後ろを見ると、2匹のドラゴンの口元が赤く光っている。


 「Guoooooooooh!」


 放たれたのは、魔導戦艦のよりも大きなファイヤーボール。


 『だんちゃーーーーく、……今!』


 ドドン


 …………。


 普通に避けれた。


 ドラゴンは偏差撃ちができないようだな。


 それなりの速度を出していれば、当たらないのか?


 『次、来ます!』


 「なっ、早っ!」


 「Guoooooooooh!」


 『だんちゃーーーーーーーーーーく、……今!』


 ドドン 


 近いな。


 修正してきてるな。


 これ、長期戦になったら不利だわ。

 

 「よっこいせっ!」


 ヒュンヒュン


 「drooorrrr!」


 「Gur?」


 『敵ドラゴンの額への貫通を確認。お見事です』


 我ながら、弓の扱いが上手くなったもんだ。


 ザザザザザンッ


 あ。


 ドラゴンが落ちた。


 魔石とらなきゃ。



 『本当に綺麗な死体ですね!』


 なんて恐ろしい事を言ってるんだ?


 額に撃ったから、損傷は地面に落ちた時の傷しかなく、綺麗ではあるだろう。


 言い方ってもんがあるだろう?


 「魔石とって、先に進むぞ」


 『もったいないですよ。魔石以外は私の方で回収してもよろしいですか?』


 「どうやって?」


 『マスターに反対されると思って言ってませんでしたが、実は、パーリェン上空に光学迷彩で姿を隠した500m級の輸送艦を待機させてあります。マスターの乗っていた魔導船のあとについていかせました』


 「……………え?マート星にコンテナ船なんてあったっけ?」


 『マスターが消えていた間に、暇つぶしで船を作ってました』

 

 暇つぶしで船って作れるんだな。


 規格外だわ。


 『ラムラダ級駆逐艦12隻、クラースヌイ・オクチャーブリ級重巡洋艦4隻、アーベントシュテルン級戦艦1隻、ル・スチアン級輸送艦5隻ほど作りましたね。上空で待機させているのは、ル・スチアン級の4番艦の……』


 なんか、聞いた事がない船がいっぱい出てきやがった。


 出てきた固有名詞の4分の3は知らない。


 「ちょ、ちょっと待てよ!ドラゴンの死体は持っていっていいんだけどさ、軍備増強しすぎじゃない?どっか国を滅ぼす気?」


 『いえ、ただの暇つぶしです』


 …………。


 コイツの前から姿を消さない方がいいな。


 「……まあいいや。俺は魔石を取るから」


 『了解』


 ドラゴンの死体に近づき、腰の剣を突き立てる。


 ギャギン


 ………。


 刃が通らない、だと?


 魔石回収できないじゃん。


 「ヴァント…………。その輸送艦の中で魔石って取り出せる?」

 

 『可能ですよ?』


 「頼む」


 『了解しました。私が輸送艦を連れてきたことに感謝してくださいね?』


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