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37話 vsサーシャな件

 最終日である。


 この日のカイロネイア、ネルソンの試合は、特に見どころという見どころはなかった。


 まあまあ腕がたつだけだった。


 そのため、瞬殺した。


 そして今から、サーシャとの試合である。


 『35試合目は、これまで全勝してきた2人による対戦です。北門から出てきたのは、これまで全ての対戦者をスピードと剣術で叩き潰してきた、最強の女剣士サーシャァァァァァァァァァァ!南門から出てきたのは、これまで全ての剣士のプライドを叩き折ってきた、最凶の蛮族王バロイィィィィィィィィィ!』


 俺の説明が、明らかに悪役のソレなんだよね。


 サーシャ贔屓だな。


 『それでは、両者構えて下さい』


 どうやって構えようか。


 いや、中段でいいな。


 サーシャは、逆手か。


 『オッズは、サーシャ選手が1.33倍、バロイ選手が4.02倍です』


 サーシャに賭けている人が多いのか。


 納得だな。


 正直、パワーとスピードを兼ね備えたサーシャに勝てるか怪しい。

 

 負けるなら、本気で勝負して負けたい。


 『コングがなったらスタートです!…………』


 カーン


 サーシャが突っ込んできた。


 あいつが、そのまま俺に突進することはない。


 どこかで向きを変える。


 それに合わせて一振りしよう。


 「そこっ!」


 避けたか!


 ここで一旦飛んで後退。


 「それを待ってましたよ!エルンストさん!」


 「なに?」


 ここで、サーシャが俺の背後に回る。


 俺はサーシャほど素早く向きを変えれない。


 それを狙われたか?


 右から突きが来る。


 これを弾くも、サーシャは短剣2本持ち。


 2回目の突きが来る。


 これは………肩当てでで受ける!


 そして、サーシャに一振り。


 サーシャは当然避ける。


 これで、距離が空いた。


 これでサーシャのリズムをぶち壊せた。


 ………実質振り出しである。


 「サーシャ!いつもより、速くないか?」

 

 「本気なので!」


 今までは本気じゃなかったと?


 左から、広範囲の斬撃。


 これを弾く。


 そして、短剣に突きを一回。


 サーシャを少し後ろに飛ばす。


 サーシャはもちろん着地し、全身。


 「公爵、アンタの技を借りるぞ!」


 ブレイド部分を持って、サーシャの短剣にガードを引っ掛ける。


 ピッケルのような使い方ではなく、十手代わりにする。


 だが、短剣をガードで引っ掛けても、すぐにサーシャは対応した。


 流石である。

 

 「もう一段階スピードを上げますよ!」


 「まじかよ!」


 ………どこ行った?


 肌で風を感じろ!


 俺は何のために皮膚を晒してるんだ!


 ……後ろか!


 これは……バランス感覚に自信がないけどやるしかねえ!


 ○ョ○ョ立ちの体勢で、後ろに振り上げ斬撃。


 そのまま剣を地面に刺し、支えにする。


 もちろん、サーシャは斬撃を避ける。


 俺はこのままだと、隙だらけだ。


 すぐにでも、身体の向きと体勢を立て直す必要がある。


 剣で地面を支えた状態で剣を軸とし、両足で全力で地面を蹴り、身体の向きを変える。


 バランスが取れなかったら横に倒れるが……ギリギリ大丈夫だった。


 そして、支えになっていた剣に力を入れて地面を押して体勢を立て直し、サーシャのいる方向に振り下ろす。


 これも避けられる。


 もう、実況なんて聞こえない。


 聞こえるのは、風と、自分の笑い声だけ。 


 体感10分以上後。


 サーシャが突っ込んできたところに、伸びる横薙ぎ。


 それをサーシャは短剣で受ける。


 サーシャはその反動で一回転し、そのまま突きに繋げる。


 それを、俺はしゃがんで避ける!


 バキッ


 頭上で何かが割れる音。


 …………避けきれなかった。


 サーシャの突きは、俺が被っている牛の頭骨の額に突き刺さる。


 …………俺が先に剣をくらった。


 これが真剣勝負で、俺が牛の頭骨を被っていなければ、俺は死んでいた。


 「降参だ……」


 『第243回ドラグーン剣術大会は、1位がサーシャ選手、2位がバロイ選手、3位がアルフ選手という結果に終わりました!いやー、今回はレベルが以上に高かったですよね、ランヤード様!」


 『いつもがどれくらいのレベルかわからないが、非常にレベルが高かった。サーシャ選手とバロイ選手に勝てる自信はないな』


 『あの2人は別格でしたね!』


 『ああ、今のラザフォードで、1、2を争うレベルの剣の腕だ』


 『やはりそうでしたか、アルフ選………』


 長い。


 早く終わってくれないかな。


 ちなみに、牛の頭骨は、短剣が刺さったままである。


 ユニコーンみたいでカッコいいだろう?


 まあ、牛なのだが。


 短剣含めると、ツノは3本目なのだが。


 『優勝したサーシャ選手、こちらにお越し下さい!』


 サーシャが実況席へ階段を登って行く。


 実況席には、いつのまにか国王がいた。


 『おめでとう』


 『あ、ありがとうございます!』


 国王とサーシャが握手をする。


 そして、会場が湧き上がる。


 ………おめでとう。


 『この後、サーシャ選手にはラザフォード学園の生徒からのインタビューを受けていただきます!』


 可哀想だな。


 また、あのお嬢様たちに色々言われるだろうな。


 『これで、第243回ドラグーン剣術大会の全てを終わります!ありがとうございました!』


 その言葉が聞こえたことを確認して、俺はすぐに宿に戻った。


 ダッシュで。


 なるべく陰を通って。


 誰も追いかけてこれないように。

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