25話 セーンドイル宙域での戦闘な件
艦隊決戦は書くの初めてなので、下手ですいません。
☆
俺が国の主要人物と学園長室で話したあの週の休日。
俺は、戦艦ヴァントに帰っている。
そして、「ラムラダ」に乗り込む。
ヴァントよりは狭いが、それでも1人には広すぎる。
『マスター。セーンドイル宙域で両軍の布陣が完了したそうです』
ヴァントが出したホログラムウィンドウには、両軍の船が点となり、それが固まってそれぞれ図形を作り出していた。
ラザフォード王国側は歩兵の陣形で言うところの「雁行の陣」の形。
陣の左前側と中央に戦艦と対結界船を集めており、艦隊陣の周りに満遍なくミャーチ。
レンツ王国側は「鶴翼の陣」の形。
翼の両先に1000m級、陣の中心に900m級を配置している。
「メモメモ」では、両方横陣からのスタートだったから、こういうのは新鮮である。
ただし、問題がある。
鶴翼の陣は、中央をに攻撃を加えられるのに異常な強さを発揮する。
ということは、旗艦を狙ったラムアタックは不可能ということ。
どうやって戦うのかな?
☆
『マスター。戦闘が開始しました』
両軍が動き始める。
ラザフォード側は前進。
レンツ側は翼を閉じる。
『マスター。援護しますか?』
「いや。まだいい」
このままいけば、レンツの右翼とラザフォードの左前が接触する。
左前に戦力を集めたため善戦は出来るだろうが、どうだろうか。
………。
圧倒してる?
ラザフォード王国軍って、こんな強かったっけ?
何で、この5倍の射程差の中で圧倒できる?
「ヴァント、戦況は?」
『ラザフォードの左翼は圧倒的に優勢ですね』
「理由わかる?」
『ラザフォードのミャーチの減りがすごいです。ミャーチの反応が消えると同時に敵艦も反応がなくなっていることが多いので、特攻していると考えられます』
………。
たしかに、ミャーチはそこそこ速くて、そこそこ小回りが効き、そこそこ小さい。
そのため、敵の攻撃を回避しやすい。
回避盾にもなるし、もちろん特攻機にもなる。
なるのだが……。
「よくミャーチのパイロットが特攻しようと思うよね」
『そうですね。愛国心というやつでしょうか』
大日本帝国かな?
「でもさ、ミャーチ如きが艦艇にぶつかって、艦艇を破壊できるもんなのか?」
『ミャーチの反応が消えると同時に、大量の魔力が放出されています。おそらく、わざと不完全
な魔法陣を積み、衝突と同時に魔力爆発を起こさせているのでしょう』
………。
爆弾積んでるようなものじゃん。
桜花じゃん。
特攻前提じゃん。
『マスター、ラザフォード左翼がレンツの右翼を突破。それと同時にレンツ中央が前進を開始』
後ろからの挟撃を警戒してだろうな。
しかも、v字がwの形になることで、後ろ対策の鶴翼も組める。
そうなると、鶴翼に挟まれているラザフォード王国軍がどれだけ生き残れるかが勝負だな。
しかも、敵中央が前進したから、ラザフォード中央に配置した戦艦で今ならラムアタックもいける。
「ヴァント。ラムラダをラザフォードの右翼側に向かわせろ」
『了解』
ラザフォードが負けたら負けたで困るから、一応行くか。
『マスター。とてつもない速度でラザフォード軍が潰されています』
「何があった?」
『わかりません。ただひとつ言えるのは、ラザフォードの対結界船の攻撃を、レンツの艦艇が弾いていることです』
結界が異常に強力だな。
これは厳しいな。
「あとどのくらいで駆けつけられる?」
「あと1時間」
保つかな。
☆
『レンツ艦隊、残り約18000。ラザフォード艦隊、残り11000』
「何とか間に合ったな」
『マスター。敵ミャーチ、約300が接近中』
「気づかれたか。対空砲火!」
『対空砲火〜』
パパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパ
………。
『殲滅完了』
7秒で?
7秒で300機を?
やばい。
200m級のラムラダでこれ?
ヴァントはどうなるのさ。
『敵が集まってきました』
「そりゃそうだろ。敵がいないはずの場所でいきなり300機のミャーチが消えたんだからさ。敵が射程に入ったら対空砲火」
『了解しました』
一分後。
『対空砲火〜』
パパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパ
…………。
これはチートだわ。
悪いことしてる気分だわ。
圧倒的な力による蹂躙。
…………。
俺は自然と敵に対して敬礼をしていた。
『敵艦隊、1000m級がミサイルの射程に入りました』
「3発撃って」
『通常弾頭にしますか?』
「通常じゃない弾頭ってなに?」
『核弾頭です。16発中8発は核弾頭ですよ?』
「やっぱり撃たんでいい」
『………了解』
撃ってしまうと、流石に後には引けなくなる気がするのだ。
核で散った人間のためにも、俺は、名乗り出る必要が出てくる。
彼らの死が誰かの礎になったことを示すために。
彼らの死を無駄にしないように。
『敵ミャーチ、射程に入りました。数2000』
「対空砲火」
『対空砲火〜〜』
………。
辛いな。
『殲滅完了。敵艦隊の一部が射程に入りました』
「主砲、一斉射……撃ち続けろ。対空砲火も……」
『一斉射〜〜』
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
………。
敵の船の反応が消える。
どんどん消えていく。
ホログラムウィンドウでは1つの点でも、中には数千の人間がいる。
俺は、大虐殺者だ。
『敵1000m級10隻、700m級24隻、500m級40隻、400m級74隻、200m級160隻、150m級397隻の撃沈を確認。また、駆動中ミャーチ3407機、1000m級に待機中のミャーチ5843機の撃破を確認。ラザフォード右翼がもちなおしました』
これだけで、何人死んだ?
確実に、10万は超えてる。
………。
俺は、東京大空襲の死者と同等以上な人数を、指示するだけで一瞬で消してしまった。
………。
「メモメモ」後半で、ヴァントを使って無双してた時は、これ以上の虐殺が行われていたのか………。
『マスター、どうしますか?苦しいですか?撤退しますか?』
「………いいや」
ラザフォード右翼が持ち直した?
それでも、まだ、ラザフォードは勝てないだろう。
これで俺が逃げたら、さっき死んだ連中は何のために死んだんだ?
彼らは、レンツのために戦って死んだのではない。
一方的に殺された。
本当なら、生き残ってたはずの連中。
それを、亡き者にしたのは俺。
『マスター、目立ちたくないなんて考えずに、敵中央をラムラダで潰せば、あなたが敵に与える被害は少なくなりますよ?』
…………。
「取舵いっぱい最大船速。敵中央に迎え」
『とーりかーじ』
☆
『敵中央、ミサイルの射程に入りました』
「900m級以外を叩き潰せ。通常弾道を使え」
『発射〜〜』
シャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ
ラムラダが船体の向きを変えて、もう一度、ミサイルを撃つ。
シャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ
閃光が見える。
………。
『敵700m級8隻の撃沈を確認。敵艦が大量に接近してきます』
「射程に入り次第、やれ………」
『了解』
………。
俺が出てこなかったら、多分この決戦はラザフォードが負けてた。
でも、俺が出たから、俺が大量に殺すことになってしまった……。
俺は、これが終わったら、何万人の、何十万人の死を背負わなければいけないのだろう。
俺はまた、笑えるのかな。
こんなことをして、学園生活にもどってもいいだろうか。
大量殺人鬼の居場所はあるのだろうか。
『一斉射〜〜』
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
『敵900m級の孤立を確認。敵ミャーチの接近を確認。対空砲火〜〜〜』
パパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパ
………。
俺はルリアを嫌っていたな。
俺を刺そうとしていたから。
ご丁寧に、いつも毒まで塗って。
でも、俺は大量殺人鬼になってしまった。
大規模な虐殺をした人間が、刺されそうになったことで、他人を恨んでもいいのだろうか。
『ラザフォードの左翼が大回りして中央の背後に到着しました。これで、ラザフォードの勝利は確実でしょう。マスター、撤退しますか?それとも、続けますか?』
「………撤退する」




