表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/49

18話 身バレしてしまった件

 「本当にすまないっ!私が殿下を止めれたら!」

 

 そう言って、相変わらず半泣きなエリカ。


 やはり、こいつは悪役ではない。


 いや、どっかの誰かさんみたいにいい子ぶってるだけだとしたら?


 某ピンク髪のことを考えると、だんだん人間を信じられなくなってくる。


 「まあ仕方ないよね!殿下に嫌われたくないもんね!で、そんなに同情誘ってどうするつもり?『私は助ける気はあったんです〜。でも、助けれなかったんです〜』みたいに装って、俺の同情を誘おうってか?何が目的だ?」


 「そっ、そんなつもりはっ!」


 そんなつもり、あるんだろう?


 「だって、そうだよなあ!公爵様の娘が無償で平民に優しくするはずないもんなあ!」


 「ううぅっ」


 ついに、エリカは泣き出した。


 勝手に泣いとけ。


 貴族の世界って、必ず何か目的があって嫌いだ。


 『マスター、マスター』


 「あ゛あ゛?」

 

 『動画の音声データを解析していたら、次のようなデータが見つかりました』


 まーたホログラムウィンドウが出てきた。


 場面は、俺をレオンが最初に蹴ったところ。


 『えっ。殿下が、こんな人だったなんて………』


 ………。


 「いや、これはあれだろ。ハンスやカインみたいな俺側の人間が他にもいたら、『自分は悪くないよ〜』っていうアピールになるからだろ」


 『明らかに王子の批判をしてるのを周りの人間に聞かれる方がリスキーなのでは?ストックを除いて』


 「………なるほどな!あの3人以外は全員グルだったんだな!いやー、よかったねーエリカさん。嫌われ者がボコボコにされるのが見れてさ!しかも、俺は普段君らが卑しいだの不潔だの言ってる平民!スカッとしただろ?」


 「ち、違っ。私は、そんなんじゃ……」


 もー知らね。


 ヴァントで学園一掃しようかな。


 アイリスが来るだの対策はどうだの考えてた俺がバカバカしくなった。


 『いい加減にして下さい、マスター。ルリアに刺されそうになったからって、流石に警戒しすぎでは?』


 「悪い?」


 『悪いに決まってるでしょ!』


 通信リングからの声が変わった。


 これは、ヴァントの声ではない。


 まさか……。


 「えっ!お袋?」


 『そうです。あなたの母親です!さっきから聞いてれば、なんなんですか!あんたは!女の子を泣かして楽しいですか!』


 「殺されるかもしれないのに?」


 『ええ!死んだらあなたが弱かったのが原因です!何のためにあなたが2歳の時から剣をさせてると思ってるんですか!聞いているんですか!エルンスト!』


 「え、エルンスト?」


 この名に反応したエリカ。


 まずい。


 「おっお袋!他の人がいるのにその名前で呼ぶのは……」


 『話をずらさないで!私が離婚してあなたは貴族の息子ではなくなったとは言え、私は男爵家四男であるあなたに「女の子を泣かせるような男になれ!」と教えた覚えはありません!』


 「エルンスト?男爵家四男?………もしかして、エルンスト=フォン=ヴィッテルスバッハ?マート星消失事件の時のマート星の所有者?」


 終わった。


 「ナ、ナンノコトカナ〜」


 今、俺は、人生最大の危機の真っ最中である。


 身バレしてしまったのだ。


 俺は本当に身バレだけには気をつけていた。


 身バレすれば、ヴァントについて隠しきれない。


 マート星の秘密も。


 さーて、どうしたもんかな。


 「ヴァント。通信を切れ!」


 『了解』


 まずは、お袋を排除させる。


 なるべくならこの女も排除したいが、無理だろうな。


 この女を排除したあと、この学園から脱出するまでこの身体が保つとは思えない。


 静粛が続く。


 超気まずい。


 ……。


 ん?


 廊下からドタドタ聞こえるぞ?


 誰か来るぞ!


 「ヴァント!隠れろ!」


 スッ


 ガラガラガラ


 「ちょっと!大丈夫?平民!」


 「エルンさん!大丈夫ですか?」


 保健室のところにやって来たのは………シャルロッテとルリア。


 「お前らかよ!」


 「悪い?って、どういう状況?」


 「エルンさん。エリカ様を泣かせたんですか?」


 うん、ルリア。


 半分くらいお前のせいな?


 王子が俺を恐れるようになった原因と思われることのきっかけを作ったっていう意味ではシャルロッテ、お前のせいでもあるからな?


 俺のところに来るならカイルかハンス、何ならストックの方がまだよかった可能性があるよ。


 「いや、エルンs……エルンは悪くないんだ。私が悪いんだ!」


 「あなたもこの平民に弱みを握られたの?」


 「え?エルンさん。シャルロッテ様の弱みを握ってるんですか?」


 やべえやべえ。


 話がどんどん変な方向に行っている。


 「そう言えばお前……ルリアだったか?お前、エルンを刺そうとしたそうだな?」


 「な、なぜそれを!」


 「え、平民?あなた、この平民を刺そうとしたの?」


 やれ、シャルロッテ。


 ドン引きしてやれ。


 「やるじゃない!」


 そうはならんやろ。


 殺人未遂だからな?


 「ぷっ、ははははははっ!」


 急に糸が切れたように笑うエリカ。


 それにつられて、笑い出す2人。


 ドタドタドタ


 あ、また人が来た。


 ガラガラガラ


 「大丈夫か!エルン………?え?どういう状況?」


 俺が知りたいわ。


 「流石師匠だな!」


 俺はお前の師匠ではないぞ?


 来たのは、カイル、ハンス、そしてストックである。


 「おお!ストック!無事だったか!で、なんか処分くらった?」


 結構、そこが気になるところである。


 こいつは、レオン一行をブッ飛ばしたのだ。


 お咎め無しとはいかないだろう。


 良くて廃嫡、悪くて死刑ってところか。


 「いや!まったく!」


 まじかよ。


 「逆に、レオン殿下が王位継承権を失ったぞ!」


 は?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ